現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 海外メーカーのブランド力に頼っても売れなかった「悲運の共同開発車」3選

ここから本文です

海外メーカーのブランド力に頼っても売れなかった「悲運の共同開発車」3選

掲載 更新 11
海外メーカーのブランド力に頼っても売れなかった「悲運の共同開発車」3選

 エンジンにまで手を加えたチューンドモデルも!

 いまや日本の自動車産業は世界でもトップクラスにまで成長しており、品質面においては海外メーカーにも勝るとも劣らない実力を身に着けているのはご存じのとおり。しかし、1980年代ごろまではまだまだ海外メーカーのブランド力に頼った販売戦略を練らなければならなかった時期もあった。

名エンジン「4G63」はランエボ専用じゃなかった! 意外と知られていない搭載車3選

 また、近年でも海外ブランドと共同開発などをして誕生したモデルもいくつか存在していたが、その多くが大ヒットとは言えないまま姿を消してしまっている。今回はそんな悲運の共同開発車をピックアップしよう。

 1)三菱ギャランAMG/デボネアV AMG

 今でこそAMGはメルセデスAMGとしてダイムラー傘下となっているが、元々はレース用のエンジンの設計会社としてスタートし、アフターマーケットにおいてメルセデス・ベンツの車種のチューニングを手掛けるようになった会社だった。

 そんなチューナー時代のAMGが手掛けたのが、1986年に2代目へとフルモデルチェンジを果たしたデボネアVと89年にマイナーチェンジを果たした6代目ギャランだった。

 デボネアVに関しては専用のエアロパーツやアルミホイールなど、見た目の変更に留まっていたが、ギャランについては外観だけではなく、エンジン内部にまで手が加えられた正真正銘のチューンドモデルとなっていた。

 しかし、ギャランAMGのベースとなったエンジンはNA仕様の4G63型エンジンであり、すでに4G63ターボを搭載するVR-4が存在していたギャランにおいてはややパンチ不足となってしまったようだ。

 実力は持ち合わせているのに売れなかった悲運なモデルも存在

 2)トヨタ・ヴォルツ

 今でこそ飛ぶ鳥を落とす勢いのクロスオーバーSUVであるが、2002年にトヨタからリリースされたヴォルツはほとんど話題になることもなく、わずか2年弱で姿を消してしまった。

 このヴォルツは当時、トヨタとGMが共同開発したモデルであるが、実際は企画を共同で行い、設計や開発はトヨタが行った。また生産はトヨタとGMが立ち上げたアメリカの合弁会社NUMMIで行われており、アメリカ生産のトヨタ車ということになっていたのだ。

 プラットフォームは9代目カローラのものが流用されており、パワートレインもカローラ系に搭載されていたものが流用されている。

 ちなみにGM版は「ポンティアック・ヴァイブ」として販売されており、北米市場向けのトヨタブランド車は「マトリックス」という名前で販売されていた。この2車種は異なるデザインが採用されていたのだが、日本向けのヴォルツはヴァイブがベースとなっていた。

 3)スズキSX4

 コンパクトカーに強いスズキが、同じくコンパクトカーに強いイタリアのフィアットと共同開発したのが、2006年に登場した初代SX4だった。なお、フィアットからは「セディチ」の名前で販売され、イタリアではベストセラーとなっている。

 ただプラットフォームは当時のスイフトのものをベースに強化したものが使用され、エンジンもスズキのものが搭載されており(ディーゼルエンジンはフィアット製)、メカニズム的にはスズキの要素の強い車両となっている。

 しかし、デザインはジウジアーロ率いるイタルデザインが担当し、足まわりのセッティングにはフィアットも関わっていたため、乗り味は非常にヨーロッパ的に仕上がっており、一部では高い評価を集めていた。また、一時期はWRCへの本格参戦が予定されており、実際にテスト参戦もしていたが、リーマンショックの影響で参戦を断念するという残念な結果に終わっている。

 このように実力は持ち合わせていたものの、コンパクトカーが主流のスズキでは、普通車はそこまで注目されることもなく、フィアット・セディチの大ヒットを横目に細々と生産を続け2012年に終売、2代目へとバトンタッチをした。

こんな記事も読まれています

中古車狙ってる人必見!! 無給油・充電だけで「1000km」走ってわかった初代アウトランダーPHEVの実力
中古車狙ってる人必見!! 無給油・充電だけで「1000km」走ってわかった初代アウトランダーPHEVの実力
ベストカーWeb
ニュルブルクリンク24時間耐久レースの裏側に潜入取材! 極寒のパドックをレポートします【みどり独乙通信】
ニュルブルクリンク24時間耐久レースの裏側に潜入取材! 極寒のパドックをレポートします【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
トップENEOSが痛恨のピットミス。Deloitte笹原&アレジが待望の初優勝でGRスープラ1-2/第3戦GT500決勝レポート
トップENEOSが痛恨のピットミス。Deloitte笹原&アレジが待望の初優勝でGRスープラ1-2/第3戦GT500決勝レポート
AUTOSPORT web
シビック タイプRで24時間レースに挑戦!【石井昌道】
シビック タイプRで24時間レースに挑戦!【石井昌道】
グーネット
巨大グループ期待の星! 新型プジョーE-3008へ試乗 ダッシュ力競争から1歩引いた214ps
巨大グループ期待の星! 新型プジョーE-3008へ試乗 ダッシュ力競争から1歩引いた214ps
AUTOCAR JAPAN
フェチれるアウディ「RS 6 アバント パフォーマンス」の22インチホイール! リアル「運び屋」がチョイスする本物っぷりとは【クルマdeフェティシズム】
フェチれるアウディ「RS 6 アバント パフォーマンス」の22インチホイール! リアル「運び屋」がチョイスする本物っぷりとは【クルマdeフェティシズム】
Auto Messe Web
【正式結果】2024年スーパーGT第3戦鈴鹿 決勝
【正式結果】2024年スーパーGT第3戦鈴鹿 決勝
AUTOSPORT web
2024年版 「本格派」の高性能オフロード車 10選 道を選ばない欧州 "最強" SUV
2024年版 「本格派」の高性能オフロード車 10選 道を選ばない欧州 "最強" SUV
AUTOCAR JAPAN
BYDが東京工科自動車大学校で初の「EV特別講座」を開催。未来のメカニックたちに伝えたいことと狙いとは
BYDが東京工科自動車大学校で初の「EV特別講座」を開催。未来のメカニックたちに伝えたいことと狙いとは
Auto Messe Web
夢のように走った「RR」 3台のワークス・シュコダ 130/フェイバリット/120 ラピッド(2) クラス優勝の常連
夢のように走った「RR」 3台のワークス・シュコダ 130/フェイバリット/120 ラピッド(2) クラス優勝の常連
AUTOCAR JAPAN
東欧の「ポルシェ」 刺激的だった廉価ブランドのRR シュコダ130/フェイバリット/120 ラピッド(1)
東欧の「ポルシェ」 刺激的だった廉価ブランドのRR シュコダ130/フェイバリット/120 ラピッド(1)
AUTOCAR JAPAN
【取引先からの不満は事実】日産、下請法違反勧告後の取り組みを説明
【取引先からの不満は事実】日産、下請法違反勧告後の取り組みを説明
driver@web
あまり重いと走行不可能! 重い積み荷の巨大トラックは「何トン」まで公道を普通に走ってOK?
あまり重いと走行不可能! 重い積み荷の巨大トラックは「何トン」まで公道を普通に走ってOK?
WEB CARTOP
“カツカレー”のようなクルマの進化──新型BMW X6 xDrive 35d M Sport試乗記
“カツカレー”のようなクルマの進化──新型BMW X6 xDrive 35d M Sport試乗記
GQ JAPAN
ホンダが認証不正で会見 対象車種の累計販売は325万台 「遵法性の意識に大きな問題」
ホンダが認証不正で会見 対象車種の累計販売は325万台 「遵法性の意識に大きな問題」
日刊自動車新聞
新デザインになった「ゆるキャン△ピングカー」イベント展示とオフィシャルグッズ販売が決定!
新デザインになった「ゆるキャン△ピングカー」イベント展示とオフィシャルグッズ販売が決定!
乗りものニュース
エステバン・オコン、今季限りでアルピーヌを離脱「次の計画はすぐに発表する」
エステバン・オコン、今季限りでアルピーヌを離脱「次の計画はすぐに発表する」
motorsport.com 日本版
ルノー「カングー」でこだわりの趣味を満喫!最長1年間貸与のモニターキャンペーン第3弾
ルノー「カングー」でこだわりの趣味を満喫!最長1年間貸与のモニターキャンペーン第3弾
グーネット

みんなのコメント

11件
  • 悲運じゃありませんよ。
    それぞれに課せられた使命を果たした
    立派なクルマたちです。

    むしろ悲運なのは、こういう見出ししか
    書けないセンスの方です。
  • シボレークルーズを発売されて直ぐに見に行ったのだけど、エスカレードやナビゲーターをイメージして行ったので、店頭に置いてあったのに気付かずに受付の人に聞いてしまった。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

178.8205.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

34.9108.0万円

中古車を検索
ヴォルツの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

178.8205.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

34.9108.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村