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クルマの軽量化でCO2削減 東欧ブランド「ダチア」が目指す、低価格・低公害化の道

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クルマの軽量化でCO2削減 東欧ブランド「ダチア」が目指す、低価格・低公害化の道

顧客に必要なものだけを提供

ルーマニアの自動車ブランドであるダチアは、低価格車の販売に注力することによって、ライバル社よりも長く、軽量かつ高効率のクルマを製造することができると考えている。

【画像】独自路線を歩むダチア【欧州人気モデルを写真で見る】 全98枚

その結果、CO2排出量を減らすためにコストのかかるプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)やEVを生産する必要がなくなるとのことだ。

ダチアは現在、複数の市場でEVのスプリングを販売しているが、最近電動化に対する新たな取り組みとして示されたのは、2023年にPHEV(ミニバンのジョガー)を追加することのみ。

デニス・ル・ヴォットCEOは、この慎重なアプローチが同社の価格優位性を維持するために重要だと考えている。

「当社は、お客様に必要なものをすべて提供し、決して余分なものを加えないことで、他にはない価値を提供できるのです」

「今日、エアコンは必要不可欠と考えられています。でも、電動シートはどうでしょうか?必要不可欠なものではないので、提供しません」

「その分、競合車種に比べれば、シートはずっと軽くなります。細かい話ですが、同じような例が他にもたくさんあります。つまり、わたし達は軽量で低排出ガスのクルマを生産しているため、環境規制を満たすために高価な電動化技術を搭載する必要がないのです」

ル・ヴォットCEOは新型ミニバンのジョガーを例に挙げ、標準仕様の重量は1200kgで、ライバルより20%程度軽いと述べた。そのため、エンジンの効率を上げることができ、公式認証テストによるとCO2排出量も10%程度少なくなるという。

低公害のクルマを低価格で

ダチアは、主流メーカーの電動化ラッシュとは一線を画すことで、価値観の異なる新車購入者や中古車購入者を惹きつけることができると考えている(特に、中古価格の高騰が新車価格を押し上げている今日の欧州市場において)。

親会社ルノー・グループのルカ・デ・メオCEOは先週、ルノーの欧州モデルは2030年までにすべてEVに移行すると述べたが、ダチアの電動化は「ギリギリのタイミング」になる可能性があるとしている。

ル・ヴォットCEOは、次のように語っている。

「はっきりさせておきたいのは、当社は環境に対する責任を認め、すべての目標を達成するつもりだということです。しかし、軽量でクリーンなクルマをつくることで、より多くのお客様に、より低価格で環境に貢献できる方法を提供することができるのです」

「必要な時が来たら電動化の準備を整えますが、それまでに電動化技術のコストは低減され、手頃な価格で販売できるようになるでしょう」

CEOインタビュー:成長目まぐるしいダチア

ダチアのCEO、デニス・ル・ヴォットに話を聞いた。

――ダチアは目覚ましい成長を遂げています。どこまで大きくなるのでしょうか?

「現在販売しているモデルで、500万人の見込み客がいると考えています。ジョガーや改良新型のダスターを加えれば、950万人になると考えています。さらに(新型SUVの)ビッグスターを加えると、1300万人以上になります」

――ダチアの主な顧客はどのような人たちなのでしょうか?

「層は非常に広いです。初期のころは、中古車ではなく当社のクルマを買いたいというお客様が多かったですね。最近では、新車購入者が非常に高い価値を求める傾向にあります。顧客ロイヤリティも高く、リピーターは他社を大きく引き離しています」

――新型ビッグスターの価格帯は、価格に敏感な顧客層も視野に入れているのですか?

「もちろんです。発売する頃には、この分野のファミリー向けSUVの平均価格はおそらく4万ユーロ(約520万円)になっているでしょうね。これは、大きくて重いクルマが、排ガス規制をクリアするために必要な技術が増えることを踏まえた予測です」

「しかし、当社のクルマは重くなく、実際には誰も使わないような技術でいっぱいになることもないので、価格はずっとずっと安くなりますよ」

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