【スーパーカーにまつわる不思議を考える】好調なフェラーリビジネスを支える創始者のDNA

マーケティングの天才、エンツォの言葉

近年は、スーパーカーの販売が絶好調だ。もちろんブランディングが確立したメーカーに限られる話だが、その筆頭はフェラーリだ。1947年創業という比較的若いメーカーであるにも関わらず、フェラーリには多くの「神話」が存在している。

フェラーリの歴史におけるキーワードは創始者であるエンツォ・フェラーリの神格化だ。「エンツォ・フェラーリはレースに勝つことしか興味がなかった。レース活動の資金を得るために一般の顧客にスポーツカーを販売し、レーシングカーを作った。だからエンツォは顧客に売るスポーツカーにはこだわらず、儲けしか考えなかった。

Comments

エンツォとモンテゼーモロの狭間で生まれた355が、フェラーリ市販車の最高傑作だと思う。
フェラーリならではの特別感とメカの信頼性の向上。絶妙なバランスが355。
カタログモデルで355を超えるフェラーリは、無い。

対するホンダは今後厳しさを増す排ガス規制と、予想できなかったオイルショックに対して1968年にF1撤退してバイクとコンパクトカーに専念します。サーティースは1969年も参戦していれば・・と言っていましたが、すでにF1はコスワースDFVに占領されて重たくパワーバンドの狭いV12に拘ったフェラーリはサーキットの片隅に追いやられました。もしホンダが1969年以降もF1続けていたら倒産していたでしょう。だからこそホンダは今に至るまでどこからも買収されず独立企業として存在している｢レースのための企業」か「企業のためのレース」か。ホンダとフェラーリは対極にある存在だったと思います。