この記事をまとめると
■2023年3月26日から「バンコク国際モーターショー2024」が開催された
「MT」の「EV」を作ったら面白すぎた! なぜいまの市販EVはトランスミッションを積まないのか
■バンコク国際モーターショー2024には日本ブランドを超える数の中国ブランドがブースを出展
■中国ブランドのなかには中国政府肝いりで出展しているブランドもある
2023年以上に中国系ブランドのブースが増えた
2024年3月26日から、タイの首都バンコク市郊外にて「バンコク国際モーターショー2024」が開幕した。
タイ国内での新車販売では、トヨタを中心とした日本車が圧倒的な販売シェアを誇っている。しかし、モーターショー会場へ一歩足を踏み入れると、見えてくる風景は一変する。中国メーカーブースが圧倒的な存在感を見せているのである。
前年、つまり2023年に開催されたときに会場でブースを構えていた中国系ブランドは、GWM(長城汽車)、MG(上海汽車)、BYD(比亜迪汽車)、NETA(哪叱汽車)であった。そして2024年になると、これらに加えAION(広州汽車)、XPENG(小鵬汽車)、CHANGAN(長安汽車)、ZEEKR(吉利汽車)もブースを出展していた。そのほかにも、数ブランドの商用車やマイクロEVブランドがブースを構えていた。
つまり、少なくとも10ブランド以上の中国メーカーがブースを構えていたことになる。日系がトヨタ、レクサス、日産、ホンダ、スズキ、マツダ、三菱、いすゞの8ブランドとなるので、すでにブランド数では日系と肩を並べる勢いになっている。
東南アジア屈指の自動車生産国となるタイなので、日本から取材に訪れるメディア関係者も多いのだが、異口同音に「中国系ブランドが多すぎる」と、その様子に圧倒されていた。
中国系ブランドは、もちろん得意のBEV(バッテリー電気自動車)を前面にブースを構成している。ただし、これをもって「中国系ブランドの大攻勢に日系ブランドは押されている」ともいい切れない。同じく会場のメディア関係者から聞かれたのは、今回のこの様子の背景には「中国の事情も多分にあるのではないか」ということであった。
慎重に大胆に戦略的にタイ市場に進出している中国系ブランド
報道などでも触れられているが、新型コロナウイルス感染拡大が落ち着いたものの、その間の「ゼロコロナ政策」の悪影響から中国経済は立ち直りに遅れをとり、われわれが認識している以上に中国国内の経済状況は悪化しているとされている。
当然、中国国内の新車需要も国内の報道では強気の報道姿勢を感じているが、実際は低迷傾向(乱売傾向)になっているのではないかとされている。そこで活路を海外市場に求めようということで、政府同士でも親密な付き合いがあり、自動車産業の発達しているタイのモーターショーに、中国政府肝いりで出展しているブランドもあるのではないかというのである。
事実、タイは右ハンドル左側通行だが、展示車がすべて左ハンドル車(つまり中国仕様)というブランドがあった。筆者から見ても慎重ながら大胆に、そして戦略的にタイ市場に進出しているある中国系ブランドの関係者は、筆者から見るとそのような今回の状況に多少苛立ちを見せているようにも見えた。
日本に比べれば、タイの首都バンコクではBEVをはるかに多く見かけることができ、よく売れているともいえるが、必ずしもこの状況がタイ全土で共通しているわけではない。
また、BEVでは後手にまわっているように見える日系ブランドでも、トヨタやホンダなど主要ブランドはハイブリッド技術では定評があり、いまはよく売れている。日系ブランドでもプレスカンファレンスでBEVを発表するなど、「眠れる獅子(日系ブランドのこと)」の目が覚めようともしているようにも見えた。
このようななかで、同じ中国系ブランドで「タイでもしっかりやっていきたい」と考えて慎重になっている姿もうかがえるブランドもあれば、それをあまり感じさせないブランドもあった。
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みんなのコメント
日本でもそうだけど都会ならステーションが充実してるけど地方の人里離れた場所に行ってバッテリーが切れたらどうするんだろう?