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【10年ひと昔の新車】ビッグマイチェンしたスバル レガシィは、新エンジンを搭載してどう変わったか

掲載 更新 4
【10年ひと昔の新車】ビッグマイチェンしたスバル レガシィは、新エンジンを搭載してどう変わったか

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前のクルマは環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は、スバル レガシィだ。

スバル レガシィ B4(2012年:5代目ビッグマイナーチェンジ)
2009年に現行型(編集部註:5代目)にフルモデルチェンジされてからレガシィは毎年なんらかの改良を重ねてきたが、3年目となる今回のビッグマイナーチェンジはフルモデルチェンジに近い大がかりな内容だ。

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注目はパワーユニット。直噴ターボエンジン(DIT)と、NAでは従来のEJ25型から新エコカー減税対応を図ったFB25型という2種類の新エンジンを設定し、それぞれに最適化を図った新しいリニアトロニックCVTを組み合わせた。さらに内外装、ボディ、サスペンション、各種装備に至るまで、ここでは書ききれないほどの細かな改良が施されている。

今回は、DITを搭載したセダンのB4に試乗してみた。「直噴ターボ」と聞くと、ダウンサイジングによりエコを追求した、というイメージが強いが、この2L DITエンジンはエコもさることながら性能を本格的に追求している。パワースペックは300ps/400Nmと、従来型の2.5GTよりもさらにスポーティなキャラクターと位置づけられ、足まわりも専用チューンのスポーツサスが与えられる。

乗り出すと、まずパワフルさを実感した。ブーストがかかると2.5GTよりも格段に力強く加速する。この感覚は今までのどのスバルのターボエンジンとも違ったものだ。直噴ターボ+CVTという組み合わせは、日本の軽自動車以外では世界的にも珍しいが、途切れのない強力な加速は、開発者が「ジェット機の離陸のようにシートに背中が押し付けられるような加速が続く」と表現していた、まさにそんな感じだ。

一方で、ダウンサイジング直噴ターボの弱点といわれる低~中速でのピックアップも悪くない。そこをうまくカバーできるのもリニアトロニックの強みだ。とはいえ本領発揮は、やはり4000rpmから上。高速道路での再加速など、ある程度車速が高く、そこからさらに加速するようなシーンで最高に気持ち良い。痛快な吹け上がりは6000rpmでレブリミットに達してしまうのが惜しいぐらいだ。

専用チューンのサスは軽快な走りを楽しめる
この新開発された高トルク対応リニアトロニックは、ペダルワークに遅れなく応答し、ダイレクト感もあり、ハンチングも気にならない。これまで体験したどのCVTよりもフィーリングは良い。SIドライブは「S#」にすると8段のクロスしたギア比をマニュアルで自在に操れて、まるでトルコンATのように段付き感のある変速ができる。

ただし、少し飛び出し感があることは気になった。停止からの発進やわずかに加速したい時に、予想より強く加速しがち。SIドライブで「i」では、もっと出足をマイルドにしても良かったと思う。また、CVTのバリエーターが発する音も少し気になった。ケースの厚みを増し、板を追加するなど音や振動を抑えるための対策は行ったらしいが、それ以外の部分の音が小さくなったせいか、相対的に気になるようになったのかもしれない。

足まわりも大変更されたが、今回の試乗車はビルシュタイン製のダンパーと18インチタイヤを履いており、前述のように専用チューンが施されている。

走り出すと、ステアリングのしっかり感が増したことを直感し、応答遅れのない、ダイレクト感のある走りとなっていることを感じ取れる。市街地では乗り心地がやや硬く感じられるが、キビキビとした、軽快感のある走り味を楽しめる。だがワインディングロードに持ち込むと、コーナリングでは意外とロールは大きめ。ちょっと挙動に不規則な印象もあって、インプレッサの完成度を考えると、レガシィはまだこの大きさや重さを制御しきれていない印象も感じられた。そのあたりは次の改良に期待したい。

それでも、街中ではちょっと硬く感じた足は高速道路ではちょうど良くなり、フラットライドな乗り味をもたらしてくれる。パワフルな動力性能と引き締まったフットワークにより、ハイウェイをクルージングするのが最高に気持ち良い。DITを搭載したレガシィB4は、そんな性格のグランドツーリングカーに仕上げられていた。

スバル レガシィB4 2.0GT DIT 主要諸元


●全長×全幅×全高:4745×1780×1505mm
●ホイールベース:2740mm
●車両重量:1560kg
●エンジン:対4 DOHCターボ
●総排気量:1998cc
●最高出力:221kW(300ps)/5600rpm
●最大トルク:400Nm(40.8kgm)/2000ー4800rpm
●トランスミッション:CVT(リニアトロニック)
●駆動方式:フロント縦置き4WD
●燃料・タンク容量:プレミアム・65L
●JC08モード燃費:12.4km/L
●タイヤサイズ:225/45R18
●当時の車両価格(税込):343万3500円

[ アルバム : スバル レガシィ(5代目ビッグマイチェン) はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

4件
  • まっちゃん
    4→5代目でサイズが大きくなり、日本の道路事情に合わなくなった、それで(ツーリングワゴンに代えて)レヴォーグが開発されたと言われているけど、全幅/全長が 1795/4755 の現行レヴォーグよりコンパクトなんだよな(5代目ツーリングワゴンの全長は 4775)。それどころか、初代レヴォーグも全幅/全長が 1780/4690 だったので、5代目レガシィからさほどサイズが抑えられたわけでもない。今から考えると大きすぎたわけでもなかったんだな。
  • まほほん
    1つ前の型に比べてデザインの評価が下がったから
    売れなくなったね。ライトの変な形で個性を出した
    つもりになったんだろうが、才能もセンスも無い
    デザイナーは会社に利益をもたらせず害でしかない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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