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令和の“小ベンツ”はスポーティ──新型メルセデス・ベンツAクラスセダン試乗記

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令和の“小ベンツ”はスポーティ──新型メルセデス・ベンツAクラスセダン試乗記

マイナーチェンジを受けたメルセデス・ベンツ「Aクラス」のセダンを、小川フミオがテストドライブした。今や希少なコンパクトセダンの魅力を考える。

全長は約4.5m

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手頃なサイズ感と、充実した快適装備と運転支援システム……魅力的な最新のコンパクトセダンが欲しいなら、メルセデス・ベンツのAクラスセダンを検討してみてほしい。

さまざまな面でシステムが充実し、ボディパネルも一部変更されたAクラスセダンが、2023年2月27日に日本発売された。

全長4560mm、全幅1800mm、全高1445mm(AMGラインは1420mm)。従来型は全長が4550mmなので10mm長くなり、かつ全高は5mmだけ高くなった(全幅は不変)。

エンジンラインナップは、1.4リッターガソリンのA180と、2.0リッターディーゼルのA200d。今回乗ったのは、1949cc4気筒ディーゼルエンジンを搭載する後者だ。

最高出力は110kW(150ps)、最大トルクは320Nm。8段オートマチック変速機をそなえた前輪駆動だった。くわえて試乗車は「AMGラインパッケージ」というオプションを装備。

「セダンのフォーマルさと、Aクラスの持つ若々しいイメージを融合させたモデル」(メルセデス・ベンツ日本のプレスリリース)とされていて、保守的な印象を払拭しようとしているのが特徴だ。

実際、2730mmと比較的長いホイールベースのシャシーを使いながら、ボディは曲面とキャラクターラインをうまく使い、スポーティな印象だ。

とりわけ、フロントのバンパー一体型エアダムは深く、走行中にリヤビューミラーにこのクルマが映ったら、車線を譲ってしまいそうな迫力がある。

とくに目をひくのは、ボンネット前後方向に設けられた2本の「パワードーム」。市販車では1954年代のメルセデス・ベンツの「300SL」がオリジンだ。

1996年登場の初代「SLK」で同様の意匠が復活。以降、パワーの表現として、メルセデス・ベンツのスポーティモデルでときおり用いられている。

ロングドライブにぴったり走っての印象は、AMGラインパッケージ装着車だけあって、足まわりが硬め。エンジンは意外なほどスムーズにまわり、常用回転域が2500rpmから3000rpmのあたりというディーゼルらしからぬキャラを持つ。

アクセルペダルの踏み始めには“遊び”があるものの、そこを越えて踏みこめば、軽快なダッシュ力を見せてくれる。

1500rpmあたりの低回転域でもじゅうぶんなエンジントルクが得られるので、日常的な使い勝手はよいと感じられるいっぽう、もっとも得意な領域は、高速走行だろう。

速度が上がると、ゆるやかな起伏の路面でも身体が揺さぶられないフラット感が強まるうえ、燃費はリッターあたり20.4kmとされているので、遠出が向いているクルマなのだ。

ディーゼルエンジン特有のカラカラ音が抑えられているのにも感心。1980年代からメルセデス・ベンツはエンジンルームに隔壁のようなものを設け、カプセル化するなど遮音に熱心なのを思い出した。

エクステリアにおける変更点は、前後のエアダム形状の変更が主要なもの。前記のようにボンネットの一部が意匠変更され、ヘッドランプ内部の構成にも手が入れられている。

ヘッドランプには「アダプティブハイビームアシスト」機能が標準装備された。交通状況に応じてハイビームとロービームを切り替え、ヘッドライトの照射範囲を自動で調整し、あらゆる状況下において常に最大限の視界を確保する、というものだ。

インテリアでは、基本的な意匠は変わっていない。変更点は、10.25インチのメディアディスプレイの機能がさらに向上した点。

Sクラスなどで先行採用されている最新世代の「MBUX」搭載で、音声によるコマンドの範囲が拡がったとともに、MBUX・AR(拡張現実)ナビゲーションシステムが採用されている。ARナビゲーションによって、車両の前面に広がる現実の景色がモニター画面の一部に映し出され、進路案内中、進むべき道路に矢印が表示される。

試乗車は先述のとおりAMGラインパッケージ装着だったので、シートはスポーティな形状。しっかりからだをホールドしてくれて、座り心地も良好だった。

「レザーARTICO/ファブリック」なる表皮は、シート中央部に、100%リサイクルによる原料を使用したファブリックを使う。滑りにくく具合がよい。

メルセデス・ベンツは。2039年より新車の乗用車について、バリューチェーンとライフサイクルの全体でカーボンニュートラルな商品を投入する目標を掲げている。「アンビション2039」と、名づけられたその方針のために、たとえば今回のように、リサイクルされた原材料を活用するそうだ。

居住性は良い。前席に175cmの私が座っても、後席には、おなじ身長の人間がおさまるスペースが確保される。ただ座面が低めなのと、前端が下がっているので腿を支えてもらえないがやや不便。

トランクは大きく、パッケージングのよさは、セダンづくりをずっと続けてきたメルセデス・ベンツの本領発揮だろう。じっさい、東京都内ではAクラスセダンをよく見かける。

評価すべきところをちゃんと評価しているがオーナーは多いのだ。

文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.) 編集・稲垣邦康(GQ)

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