現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 新型登場で知りたい! スズキ ジムニー 48年の“ブレない”歴史

ここから本文です

新型登場で知りたい! スズキ ジムニー 48年の“ブレない”歴史

掲載 更新
新型登場で知りたい! スズキ ジムニー 48年の“ブレない”歴史

 年内に4代目の新型が発売するジムニー。今回のフルモデルチェンジは、実に20年ぶりの刷新だ。そして、ジムニーは2018年4月で生誕48周年を迎える。約50年という歴史を持つ車自体数えるほどしかないが、さらに驚くべきは、現代まで同じコンセプトを維持し続けていること。新型でもそのコンセプトは変わらないという。そんな新型の登場に先立ち、ジムニーが持つ48年の“ブレない”歴史を改めて振り返る。
 新型ジムニーや現行型ジムニー関連記事は本稿末尾をご参照ください。(※燃料タンク容量に一部誤記がありましたので修正しました。大変失礼しました。 2018.3.17 17:45)

文:片岡英明
写真:池之平昌信、SUZUKI

いまが買い時!! 2000年代初頭のネオクラシック国産スポーツ4選

48年前、360cc時代に登場した軽4WDの先駆け

初代ジムニー【1970~1981年】/写真は初期モデルのLJ10型。まさにミニジープという出で立ちだ

 スズキが1970年春に送り出した世界最小の本格派クロスカントリー4WDがジムニーだ。

 ボディサイズや排気量に制約がある軽自動車という枠のなかで、まとまりのいいデザインを採用した。

 また、ハイ/ローの副変速機を備えた本格的な4輪駆動システムも特徴のひとつだ。歴代のジムニーは、オフロードや雪道で卓越した走破性能と踏破性能を誇っている。

 その最初のモデルがLJ10型だ。エンジンはキャリイL40(4代目)に積まれている359ccの空冷2サイクル2気筒(FB型)を搭載した。

 トランスミッションは4速MTだ。ちなみに副変速機にPTOと呼ぶ動力取り出し装置を組み込んだPTOウインチをオプション設定している。登坂能力は27.5度、最高速度は75km/hだった。

 フレームは強靭な梯子型のラダーフレームだ。サスペンションは前後とも半楕円リーフスプリングのリジッドアクスルで、これは1990年代まで基本構造を変えることなく採用されている。

 タイヤは悪路走行を意識した大径の16インチだ。脱着可能な幌を採用し、フロントウインドウは前に倒すことができた。最初は運転席の後ろに簡易的なリアシートを備えた3人乗り仕様である。

 1972年5月には水冷エンジンを積むLJ20型に進化した。また、幌タイプに加え、快適なルーフ付きのバンタイプも登場する。

 1975年には待望の4人乗り仕様が誕生。1976年4月には新規格に合わせ、539ccのLJ50型2サイクル3気筒エンジンを搭載している。

モダンさも手に入れた2代目

2代目ジムニー【1981~1998年】/写真は1986年登場のJA71型。乗用車としての性能も向上させつつ、1998年の軽規格改正まで販売された

 ジムニーは1981年春に初めてモデルチェンジを行った。実用一点張りのデザインからモダンなデザインに変わっている。1986年には4サイクル3気筒エンジンを仲間に加え、パワフルなEPIターボ車も登場した。

 翌年にはインタークーラー付きターボに進化させている。1990年春に規格改正により排気量657ccのF6A型直列3気筒SOHCターボを積んだ。

 後期モデルでは3速AT車や5速MTが加わる。1995年11月には初めて乗用車仕様を送り込み、このときにK6A型直列3気筒DOHC4バルブターボに換装した。サスペンションを4輪リーフからコイルスプリングによる3リンク式リジッドアクスルとしたのもこのときだ。

伝統を継承。現行型は約20年経っても「現役」

3代目ジムニー【1998年~】/写真は最終特別仕様車のランドベンチャー。新軽規格に対応しつつも、伝統のラダーフレーム構造を維持。3代のなかで最も長く売られたモデルとなる

 3代目ジムニーは1998年10月に登場した。エクステリアは、先にモデルチェンジしたシエラの後継、ジムニーワイドと似ている。

 伝統のラダーフレームはホイールベースを220mmも延ばした。ボディサイズは2代目よりも大きく、安全性能も大幅に向上させている。

 フルメタルボディだけと割り切り、主役となるのはワゴンだ。キャビンの居住空間も広がり、快適性を大幅に高めた。駆動方式はハイ/ローの2段切り替え式トランスファーを装備するパートタイム4WDだが、2代目の最終モデルに採用したドライブアクション4×4を受け継ぎ、走行中でも2WDと4WDの切り替えを可能にしている。

現行型のリアシート。大人でも短時間の移動なら充分許容する居住性と持ち味の走破性を両立させている

 エンジンは総アルミ製のK6A型3気筒DOHC4バルブターボで、排気量は658ccだ。トランスミッションは5速MTのほか、新たに電子制御4速ATを設定した。

 サスペンションは、前後とも3リンクにコイルスプリングを加えたリジッドアクスルだ。3代目では同軸上にあったショックアブソーバーとスプリングを別軸に変更した。その効果は大きく、舗装路ではしなやかな乗り心地と軽快なハンドリングを実現している。サスペンションが軽やかにストロークし、コーナーでも踏ん張りがきく。ロールは許すが、したたかな接地フィールだ。

 3代目から標準装備された電動パワーステアリングも軽く扱いやすい。初期モデルより操舵時の正確性が高められている。

 ストローク感たっぷりの良質な乗り心地も特筆できるところだ。舗装の継ぎ目やギャップを通過しても衝撃を上手に吸収する。一般道では2WD走行だし、燃料タンクも40Lと大きいからロングドライブでも安心感があるだろう(ワゴンRで27L)。

◆  ◆  ◆

 時代とともに進化し、変わってゆくのが工業製品である車の宿命。いっぽうで、時代は変わっても、変わらない価値もある。ジムニーは、変わらない価値の大切さに気づかせてくれる、数少ない現代の車なのかもしれない。

 今年7月デビュー予定の新型ジムニー情報や関連記事はこちら。

スズキ次期ジムニーに新情報キャッチ! 「シエラ」も登場!!

やっぱりジムニー最強説! 現行型試乗で実感した唯一無二の価値

惜別現行型ジムニー!! ジムニーが新型にチェンジする事情、そしてパジェロミニという唯一のライバルをふり返る

新型ジムニーの予想CG。これまでのジムニーのコンセプトを守りつつ、正統進化で登場する

 

こんな記事も読まれています

フィアット「ドブロ」 おトクな限定車登場 純正ドラレコなど嬉しい装備がプラス
フィアット「ドブロ」 おトクな限定車登場 純正ドラレコなど嬉しい装備がプラス
グーネット
HKS、BMW専門店「スタディ」とタッグ!BMWアフターパーツ新ブランド設立
HKS、BMW専門店「スタディ」とタッグ!BMWアフターパーツ新ブランド設立
グーネット
【ポイントランキング】2024スーパーGT第3戦鈴鹿終了時点
【ポイントランキング】2024スーパーGT第3戦鈴鹿終了時点
AUTOSPORT web
3番手走行で今季初表彰台を狙ったスバルBRZがヘアピン立ち上がりでストップ。山内英輝「駆動が伝わらなくなった」
3番手走行で今季初表彰台を狙ったスバルBRZがヘアピン立ち上がりでストップ。山内英輝「駆動が伝わらなくなった」
AUTOSPORT web
ポルシェのフィーリングを20万円で体感!? ラフェスタの走りがマジでいい! 新社会人にオススメしたいクルマ7選
ポルシェのフィーリングを20万円で体感!? ラフェスタの走りがマジでいい! 新社会人にオススメしたいクルマ7選
ベストカーWeb
VW「ゴルフGTI」で「ゴルフ」通いはできる? スポーツモードは「1番ウッド」並みに気持ちよくかっ飛びます【AMWリレーインプレ】
VW「ゴルフGTI」で「ゴルフ」通いはできる? スポーツモードは「1番ウッド」並みに気持ちよくかっ飛びます【AMWリレーインプレ】
Auto Messe Web
藤井誠暢「この場に戻って来られて嬉しい」 ファグ「良い気分で帰れそう」【第3戦GT300決勝会見】
藤井誠暢「この場に戻って来られて嬉しい」 ファグ「良い気分で帰れそう」【第3戦GT300決勝会見】
AUTOSPORT web
笹原「結構厳しかった」 アレジ「ミスなく走れたのは右京だからこそ」【第3戦GT500決勝会見】
笹原「結構厳しかった」 アレジ「ミスなく走れたのは右京だからこそ」【第3戦GT500決勝会見】
AUTOSPORT web
【最終結果】2024年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニア パワーステージ後
【最終結果】2024年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニア パワーステージ後
AUTOSPORT web
フォルクスワーゲン・ティグアン 詳細データテスト おすすめは実用グレード デジタル化はほどほどに
フォルクスワーゲン・ティグアン 詳細データテスト おすすめは実用グレード デジタル化はほどほどに
AUTOCAR JAPAN
D’stationが初優勝の独走ポール・トゥ・ウイン。最重量mutaはレースでも強い/第3戦GT300決勝レポート
D’stationが初優勝の独走ポール・トゥ・ウイン。最重量mutaはレースでも強い/第3戦GT300決勝レポート
AUTOSPORT web
タナクが0.2秒差で逆転。ヒョンデ復帰後初勝利、日曜最速はヌービルに/WRCイタリア最終日
タナクが0.2秒差で逆転。ヒョンデ復帰後初勝利、日曜最速はヌービルに/WRCイタリア最終日
AUTOSPORT web
中古車狙ってる人必見!! 無給油・充電だけで「1000km」走ってわかった初代アウトランダーPHEVの実力
中古車狙ってる人必見!! 無給油・充電だけで「1000km」走ってわかった初代アウトランダーPHEVの実力
ベストカーWeb
ニュルブルクリンク24時間耐久レースの裏側に潜入取材! 極寒のパドックをレポートします【みどり独乙通信】
ニュルブルクリンク24時間耐久レースの裏側に潜入取材! 極寒のパドックをレポートします【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
トップENEOSが痛恨のピットミス。Deloitte笹原&アレジが待望の初優勝でGRスープラ1-2/第3戦GT500決勝レポート
トップENEOSが痛恨のピットミス。Deloitte笹原&アレジが待望の初優勝でGRスープラ1-2/第3戦GT500決勝レポート
AUTOSPORT web
シビック タイプRで24時間レースに挑戦!【石井昌道】
シビック タイプRで24時間レースに挑戦!【石井昌道】
グーネット
巨大グループ期待の星! 新型プジョーE-3008へ試乗 ダッシュ力競争から1歩引いた214ps
巨大グループ期待の星! 新型プジョーE-3008へ試乗 ダッシュ力競争から1歩引いた214ps
AUTOCAR JAPAN
フェチれるアウディ「RS 6 アバント パフォーマンス」の22インチホイール! リアル「運び屋」がチョイスする本物っぷりとは【クルマdeフェティシズム】
フェチれるアウディ「RS 6 アバント パフォーマンス」の22インチホイール! リアル「運び屋」がチョイスする本物っぷりとは【クルマdeフェティシズム】
Auto Messe Web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0420.0万円

中古車を検索
ジムニーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

165.4200.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

1.0420.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村