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テスラ追撃へポルシェが本気! EVのみのモデルに生まれ変わる「マカン エレクトリック」がバカ売れ必至

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テスラ追撃へポルシェが本気! EVのみのモデルに生まれ変わる「マカン エレクトリック」がバカ売れ必至

最新マカンはEVのみをラインアップ

ポルシェがタイカンに続く新型EVとして、マカンのEVバージョンをワールドプレミアしました。800Vシステムを採用しながら、後輪操舵機能も搭載することで取りまわしをよくするなど、ポルシェのエントリーモデルとしてオールラウンダーなEVに仕上がっているようです。

ポルシェ、BEVのマカンを2024年に販売開始 さらに718、カイエン、「第3のSUV」のBEVも投入予定

まず、ポルシェに関しては2030年までに発売する車両の8割をバッテリーEVに置き換えるという電動化方針を表明しています。これは、911以外は完全にバッテリーEVに置き換えるという意味であると思います。

2019年に初のバッテリーEV、スポーツセダンのタイカンを発売し、そのタイカンについては、パナメーラを上まわり、911に匹敵するような販売台数を実現しています。さらに今後は、ケイマンのバッテリーEVバージョンを2025年中に投入しながら、カイエンのバッテリーEVバージョンも2026年ごろの登場を予定しています。

そして、タイカンの次のバッテリーEVとして長らく注目されていたのが、マカンのEVバージョンの存在です。このミッドサイズSUVであるマカンについては、ポルシェのラインアップのなかでもっとも安価なエントリーグレードということもあり、ポルシェでもっとも売れ筋なモデルでもあります。

なんといっても今回発表されたマカン エレクトリックについては、内燃機関車をラインアップせずに、純粋なバッテリーEVモデルとなりました。新型マカンを購入したいのであれば、バッテリーEVしか選択肢がなくなることを意味するわけで、その意味において、ポルシェのEVに対する本気度が伝わってくるわけです。

それでは、今回ワールドプレミアが開催されたポルシェの新型EVであるマカンエレクトリックについて、とくに気になるEV性能についてを確認していきたいと思います。

まず初めにグレード設定については2種類、マカン4とマカンターボをラインアップしています。どちらも同じく、前後にふたつの永久磁石同期モーターを搭載したAWDシステムを採用、搭載バッテリーについても、グロスで100kWh、ネットで96kWhのバッテリーを搭載しています。

満充電あたりの航続距離については、欧州WLTCモードにおいて最大613kmという航続距離を実現しています。他方で、今回のマカンに限らずEV全般で気をつけるべきは、その装着タイヤによってEVの航続距離はかなり変わってくるという点です。

マカンエレクトリックは、20インチから22インチを装着可能であるものの、22インチの場合、リヤ側は295/35R22と極太タイヤになることによって電費性能は悪化します。なんと22インチ装着の場合の航続距離は516kmと、20インチと比較しても100kmほど変わってくることから、航続距離や電費性能を気にする方は、装着タイヤのサイズをどれにするのかに関してを、デザイン性以外でも気にしたほうがいいと思います。

また、高速道路を時速100kmでクーラーをつけても達成可能であるというような、実用使いにおいてもっとも信用に値するEPAサイクルベースの航続距離はまだ公開されていないものの、おそらく最長で500km弱を実現見込みであることから、とくに日本でマカンエレクトリックを購入検討されている方は、この最大500km弱程度という数値を、高速走行の際のマックスの航続距離とイメージしておくのがベターかと思います。

次に、充電性能に関して、マカンエレクトリックはタイカンと同様に最大270kWの充電出力に対応、充電残量80%まで21分間で充電を完了できるとしています。

このマカンの充電性能について特筆すべきは、バッテリーのプレコンディショニング機能を搭載していることで、ベストコンディションと説明している、バッテリー温度20~25度に自動的に温度を調整することが可能となり、急速充電時間の最速化を実現します。

また、今回のマカンに搭載される800Vシステムのバッテリーパックについては、バンク充電システムを採用している点も注目です。仮に400V対応の急速充電器で充電を行った場合、バッテリーパックの片側半分が充電されることで、最大135kWという充電出力を許容可能となります。

これまでのタイカンであれば、800V対応の急速充電器で充電する場合は、別途DC-DCコンバーターを搭載することで、800Vへと昇圧を行なっていましたが、バンク充電システムを採用し、片側のバッテリーを使い分けることで、より効率的な800Vシステムへの対応が可能となったわけです。

そしてなんといっても、このポルシェについてもっとも特筆するべきは、日本国内にも独自の急速充電ネットワークが存在するという点です。

ポルシェ正規ディーラーとともに、アウディとフォルクスワーゲンの販売店に設置しているPCA(Premium Charging Alliance)の最大150kW級急速充電器を、全国24時間365日利用することが可能であり、実際に私自身もアウディRS e-tron GTで、PCAの充電ネットワークを使用しながら長距離走行テストを行いましたが、やはり24時間365日使用可能という点は非常に安心感がありました。

いずれにしても、この日本国内でマカンエレクトリックを購入するという際は、非常に大きな強みになるといえるでしょう。

ポルシェらしい性能と他にない機能でライバル急追

動力性能についても抜かりがなく、マカンターボエレクトリックの場合、最高出力470kW、最大トルクは1130Nmに到達します。これにより、0-100km/h加速が3.3秒、最高速度も時速260kmを実現。これは、ポルシェの最速SUVであるカイエンターボGTと同等の加速性能であり、この数値だけを見ても、ポルシェの本気が見て取れるわけです。

そして、このマカンエレクトリックについては、PPEという新たなEV専用プラットフォームを初採用しながら、ポルシェアクティブサスペンションマネージメント、PASMと名付けられたエアサスペンションシステムも搭載されています。そのうえ、後輪操舵機能も搭載され、最大5°の切れ角を実現、街なかの取りまわしのよさとともに、高速走行における直進安定性も両立しています。

さらに、ボンネット下の収納スペースであるトランクについても84リットルと、ゆとりのスペースを確保しています。

インテリアについてもBurmesterの21スピーカー、1470Wを発揮する豪華なサウンドシステムであったり、中央の10.9インチのディスプレイとともに、助手席用の10.9インチのディスプレイも搭載し、サードパーティ製のアプリをダウンロード可能とすることで、エンタメ性能を強化しています。

ドライバー向けには、87インチのARヘッドアップディスプレイも搭載されることで、視線移動を少なく抑えて、運転に集中することが可能になります。

そこで、とくにポルシェがベンチマークに据えてきていたであろう、世界でもっとも売れている電気自動車ブランドであるテスラ・モデルYとのEV性能を比較してみたいと思います。

まず航続距離については、バッテリーを多く搭載している分だけマカンのほうが長い航続距離を確保しています。

充電性能については、確かに800Vシステムを採用していることで海外仕様はマカンに軍配が上がるものの、日本国内では最大135kW程度に制限される見通しですので、充電時間という観点では、モデルYとまったく同様の性能となりそうです。

ただし、充電インフラについては、ポルシェPCAを使用可能ですので、テスラと比較しても、公共の90kW級以上の急速充電器とPCAをうまく併用することで、テスラと同等の充電体験を提供することができると思います。

動力性能については、さすがポルシェというべきか、ターボではモデルYパフォーマンスを凌ぐ動力性能を実現しています。

車両サイズについては、まさにモデルYと瓜ふたつのようなサイズ感であり、さすがに車両重量や収納スペースではモデルYに軍配が上がるものの、モデルYにはないエアサスペンションや後輪操舵機能を搭載してきているという点もポイントで、このように比較してみると、ポルシェが相当にモデルYをベンチマークにして開発を行ってきていることが見て取れるわけです。

すでに発表されている海外市場の値段設定を含めると、おそらく日本国内では1100万円程度からのスタートになるのではないかと推測可能です。これは、内燃機関車モデルにおけるマカンSと似たような値段設定となる見込みです。動力性能などを総合すると、ポルシェのEVとしては非常にリーズナブルな値段設定であると感じます。

このように、今回ポルシェのバッテリーEV第2弾であり、じつはソフトウェアの開発遅延によって発売が1年ほど遅れていた、マカンのEVバージョンであるマカンエレクトリックに関しては、現在プレミアムSUVに求められているEV性能、動力性能、装備内容などを徹底的に押さえてきたことによって、2024年で極めて注目に値するEVに仕上げてきたわけです。

このなかで、日本市場という観点においては、売れ筋のマカンのEVバージョンであるということ、PCAという独自の充電ネットワークを有しているということ、現在のプレミアム電動SUVのベンチマークであるモデルYにはない、エアサスや後輪操舵機能が搭載されているということに要注目です。

これらを総合すると、日本でも非常に注目度の高いEVとなるといえるでしょう。

いずれにしてもゆくゆくは、実際にマカンエレクトリックの長距離テストを実施し、競合となるモデルYと性能を比較痛いと思っています。また、モデルYのアップデートバージョンとして2024年末までの導入が見込まれるジュニパーも含め、このマカンエレクトリックに関する日本仕様の最新情報がわかり次第情報をアップデートしていきたいと思います。

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