現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【ヒットの法則183】SLK200コンプレッサーはメルセデス・ベンツの新境地を手軽に楽しめる価値大

ここから本文です

【ヒットの法則183】SLK200コンプレッサーはメルセデス・ベンツの新境地を手軽に楽しめる価値大

掲載 更新 1
【ヒットの法則183】SLK200コンプレッサーはメルセデス・ベンツの新境地を手軽に楽しめる価値大

SLRマクラーレン風のフロントデザインを取り入れて、2004年に日本に上陸した2代目メルセデス・ベンツSLK。まずパワフルなSLK350から導入され、SLK280がこれに続き、2006年2月には直列4気筒モデルのSLK200コンプレッサーが登場している。カジュアル・メルセデスとして、このSLK200コンプレッサーの走りはどうだったのだろうか。さっそく振り返ってみよう。(以下の試乗記は、Motor Magazine 2006年5月号より)

カジュアルで軽快な、メルセデスの新境地
メルセデスに軽快という言葉は本来まったく似合わない。いつの時代も、どっしりと揺ぎなき自信を腹の底に据えて走ってくれるのがメルセデスというクルマであり、重厚という言葉の方がしっくりくる。

【くるま問答】トヨタ2000GTのサイドにある四角い部分には、いったい何が入っているのか?

たとえば、Cクラスの中でも4気筒モデルのことを前が軽くて軽快などと表現することもある。しかしながらそれは、あくまでもCクラスの中で相対的に評価されただけであって、C180でもクラス標準で考えれば、立派に重厚なクルマである。

ところが最近のブランド拡販路線によって新たに生み出された新ジャンルモデルの数々は、おしなべて殻の軽い、キビキビと走るカジュアルな軽快さを備えたクルマであることが多い。Aクラス、Bクラス、Mクラス、などなど。SLKクラスはさしあたって、カジュアル・メルセデスの元祖というべき存在だろう。

2代目となって、その持ち味は一層磨かれた。SLRマクラーレンのF1ノーズモチーフを軽くあしらい、デザインが目立つ内装を備え、クルマの動きをリニアにドライバーへと伝えるシャシセッティングとした。誰もが最初に乗って感じるのは「新しさ」であり、そしてなお安定感ある走りにメルセデスらしさも見出す。先に挙げたその他のモデルもそう。メルセデスでありながら新しい。伝統的なサルーンシリーズとは違う流れを作ることに成功しつつある。

パワフルさが売りのSLK350から日本導入が始まった2代目だったが、グッドバランスが身上の280を100万円安い価格で昨年リリースし、今度はもうさらに60万円安い200コンプレッサーを投入してきた。税込み546万円という価格設定には、いかにメルセデスといえど600万円オーバーは贅沢すぎるかも、と二の足を踏んでいたSLK購入検討者も心が揺れ動くというものだ。

最近のメルセデスの常で、AMGモデル以外のグレード間では標準装備や見栄えの差が極めて少ない。試乗車にはオプションのスポーツパッケージ(33万6000円)が備わっていたからなおさらで、スポーツサスによって10mm低められた車高に10スポークのアルミホイールを履くサマなど、最廉価グレードには見えないものだ。スポーツパッケージを備えなくても、たとえばプラス21万円のレザーシートを選ぶだけで雰囲気は上級モデル並になる。

大きく異なるのは、もちろんパワートレーンだ。Cクラスにも採用されている1.8L直4DOHCスーパーチャージャー+5ATを積む。ひとつ上のグレードでほぼ装備内容が同じのSLK280に比べても50kgも軽い。そのほとんどが軽くなったノーズに起因するものだ。

果たして、その走り味は、軽快そのものだった。そもそもカジュアルさが売りのメルセデス新ラインにあるモデルである。そこに身の丈に見合ったエンジンを抱き合わせた。カジュアルさに磨きがかかって当然であろう。

動力性能的には、まず十分である。中間加速などにかったるさを感じる場面もあったが、オープンクルーズで爽快な気分を味わっている最中なら、まずそんな不満は抱かないものだ。Cクラスでも不満のないエンジンだったからそこに心配はなかったが、試乗して気になったことがひとつ。クルマの物理的な大きさを感じてしまう点だ。

バリオルーフということは、高いところに重量物があるということで、ノーズが軽やかに動く分、ルーフや車体後方に、遅れ気味に付いて来るマスを感じてしまう。殻をしっかり感じるとでも言おうか。軽快ではあるが、一体感には少々欠ける。ゼロ発進時の無粋なボロボロ音も気になるポイントのひとつだった。

とはいえ、メルセデスの新境地をこの値段で十分に楽しめるという価値は大いに認めたい。カジュアルなのだから、ちょっとした不満もサラリと聞き流してもらうのがいいだろう。(文:西川淳/Motor Magazine 2006年5月号より)



メルセデス・ベンツSLK200コンプレッサー(2006年) 主要諸元
●全長×全幅×全高:4090×1810×1300mm
●ホイールベース:2430mm
●車両重量:1420kg
●エンジン:直4DOHCスーパーチャージャー
●排気量:1795cc
●最高出力:163ps/5500pm
●最大トルク:240Nm/3500pm
●トランスミッション:5速AT
●駆動方式:FR
●車両価格:546万円(2006年当時)

[ アルバム : メルセデス・ベンツSLK200コンプレッサー(2006年) はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

スズキ・キャリイがマイナーチェンジ。先進安全装備および機能装備の拡充や新ボディカラーの設定などを実施
スズキ・キャリイがマイナーチェンジ。先進安全装備および機能装備の拡充や新ボディカラーの設定などを実施
カー・アンド・ドライバー
これまでの日産車とは全く違う!? しかもPHEV!な『エヴォ・コンセプト』…北京モーターショー2024
これまでの日産車とは全く違う!? しかもPHEV!な『エヴォ・コンセプト』…北京モーターショー2024
レスポンス
なぜ「高速の渋滞」起きる? 交通量だけじゃない意外な「原因」 日本イチの渋滞「東名・大和トンネル付近」のイマは?
なぜ「高速の渋滞」起きる? 交通量だけじゃない意外な「原因」 日本イチの渋滞「東名・大和トンネル付近」のイマは?
くるまのニュース
一体どんな対応をしてくれる? バイクの騒音被害を通報した際の警察の対応とは
一体どんな対応をしてくれる? バイクの騒音被害を通報した際の警察の対応とは
バイクのニュース
プレステージ電動SUVクーペのアウディQ8スポーツバックe-tronに一充電走行距離619kmを実現したレンジプラスパッケージを設定
プレステージ電動SUVクーペのアウディQ8スポーツバックe-tronに一充電走行距離619kmを実現したレンジプラスパッケージを設定
カー・アンド・ドライバー
24時間で10万台を受注!話題の「スマホ屋のスーパーEV」に人気殺到…北京モーターショー2024
24時間で10万台を受注!話題の「スマホ屋のスーパーEV」に人気殺到…北京モーターショー2024
レスポンス
JLR レンジローバーの25MYは出力アップとLWBにディーゼル・マイルドハイブリッドをラインアップ
JLR レンジローバーの25MYは出力アップとLWBにディーゼル・マイルドハイブリッドをラインアップ
Auto Prove
“どこへでも行き、生きて帰ってこられる”究極のキャンピングカーを欧州で発見! トヨタ「ランクル70」ベースのゴツいトラキャンがカッコいい
“どこへでも行き、生きて帰ってこられる”究極のキャンピングカーを欧州で発見! トヨタ「ランクル70」ベースのゴツいトラキャンがカッコいい
VAGUE
これは便利!スマホとつなげてカーナビアプリを操作できるnpdのディスプレイオーディオ「NPD-A100」
これは便利!スマホとつなげてカーナビアプリを操作できるnpdのディスプレイオーディオ「NPD-A100」
@DIME
片道2万円の完全個室「高速バス」 わずか11席の“超リッチ”仕様!? 新幹線よりも高価な「ドリームスリーパー」とは
片道2万円の完全個室「高速バス」 わずか11席の“超リッチ”仕様!? 新幹線よりも高価な「ドリームスリーパー」とは
くるまのニュース
「木を見て森を見ず」 バスドライバー不足で「給料上げろ」ばかりを騒ぎ立てる有識者の功罪
「木を見て森を見ず」 バスドライバー不足で「給料上げろ」ばかりを騒ぎ立てる有識者の功罪
Merkmal
キャリイにハイラックス! アジアのモーターショーで「トラック」が熱視線を浴びるワケ
キャリイにハイラックス! アジアのモーターショーで「トラック」が熱視線を浴びるワケ
WEB CARTOP
マツダがラージ商品群第4弾となる新型3列シートSUVの「CX-80」を欧州で初公開
マツダがラージ商品群第4弾となる新型3列シートSUVの「CX-80」を欧州で初公開
カー・アンド・ドライバー
え?これですか?電動ゲレンデヴァーゲンです 見た目も乗り心地もGクラスそのもの 電動Gは愛好家からどう受け止められるだろうか
え?これですか?電動ゲレンデヴァーゲンです 見た目も乗り心地もGクラスそのもの 電動Gは愛好家からどう受け止められるだろうか
AutoBild Japan
日産「新型スカイライン」まもなく発売 史上“最強”「匠の手組みエンジン」搭載! 旧車風デザインの「超特別モデル」 何が違う?
日産「新型スカイライン」まもなく発売 史上“最強”「匠の手組みエンジン」搭載! 旧車風デザインの「超特別モデル」 何が違う?
くるまのニュース
ニュルブルクリンクで試験中を捕捉!! トヨタ・スープラの最高峰「GRMN」
ニュルブルクリンクで試験中を捕捉!! トヨタ・スープラの最高峰「GRMN」
レスポンス
【試乗速報】ホンダ新型CBR1000RR-R「マイチェンの域を超えている!! 従来と同じ218馬力なのに、20馬力アップしたような力強さ」
【試乗速報】ホンダ新型CBR1000RR-R「マイチェンの域を超えている!! 従来と同じ218馬力なのに、20馬力アップしたような力強さ」
モーサイ
24年GWの「高速道路渋滞」後半4連休が“激コミ”の予想! どの車線が早く進む? 一般道への迂回は逆効果ってホント!?
24年GWの「高速道路渋滞」後半4連休が“激コミ”の予想! どの車線が早く進む? 一般道への迂回は逆効果ってホント!?
くるまのニュース

みんなのコメント

1件
  • 小さい、デザインのツメが甘く安っぽい
    売れなかったね・・
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.0653.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

45.0399.0万円

中古車を検索
SLKの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

509.0653.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

45.0399.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村