現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】 スズキX-90は時代を先取りし過ぎたクロスオーバー

ここから本文です

こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】 スズキX-90は時代を先取りし過ぎたクロスオーバー

掲載 14
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】 スズキX-90は時代を先取りし過ぎたクロスオーバー

 これまで日本にはたくさんのクルマが生まれては消えていった。そのなかには、「珍車」などと呼ばれ、現代でも面白おかしく語られているモデルもある。しかし、それらのクルマが試金石となったことで、数々の名車が生まれたと言っても過言ではない。

 当連載では、これら「珍車」と呼ばれた伝説のクルマや技術などをピックアップし、その特徴を解説しつつ、日本の自動車文化を豊かにしてくれたことへの感謝と「愛」を語っていく。今回は、時代を先取りながら、自由闊達な作風を謳歌したスズキのX-90(エックス・ナインティ)について紹介していこう。

こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】 スズキX-90は時代を先取りし過ぎたクロスオーバー

文/フォッケウルフ、写真/スズキ

■クロカン4WDとオープンカーの特徴を融合

 現代では、ふたつの異なるクルマの特徴が混じり合ったSUV=「クロスオーバーSUV」が、新車、中古車を問わず市場において圧倒的に支持されている。しかし、クロスオーバーSUVというジャンルがまだ確立されていなかった20年以上前に、超個性的なクルマをスズキがリリースしている。

 この小型のクロスオーバーSUV・スズキ X-90は、小型ながらクロカン4WDの逞しさを持ち、そこにオープンカーの爽快さをプラスするという、とてつもなく自由な発想で作られたモデルとして日本の自動車史にその名を刻んでいる。

 1993年に開催された東京モーターショーでお披露目されたのをはじめ、欧米のモーターショーにも出展されたX-90は、1995年10月に市場へ導入された。パッケージングは2シータークーペで見た目もスポーツカー然としていたが、ベースとなっているのはエスクード(初代)である。

 エスクードは街なかで使われることも考慮されたクロカン4WDだったが、本格ラダーフレームを持つ本格派である。これをベースにオープンカーの特徴を融合したというX-90は、ショーに出展されたコンセプトモデルをそのまま具現化した、まさにスズキの意欲作だった。

コンパクトカーのようなフロントデザインに、2シータースポーツのような胴回り、そしてボディ後方はトランクを備えた、実に個性的なつくり

 全長3710mm、全幅が1695mmというサイズはエスクードよりも若干ワイドだが、全高は115mm低い1550mmに設定され、160mmというSUVと乗用モデルの間をとったような最低地上高も相まって、ベースモデルがクロカン4WDであることをまったく感じさせない。

 スポーツカーには似つかわしくないサイドウォールに厚みをもたせた高扁平タイヤを履くが、リヤスポイラーを標準装備し、ルーフを2枚の脱着可能なガラスルーフで構成されるTバールーフとするなど、スタイルを構成する各部の仕上げはスポーツカーそのもので、同社のライトウェイトスポーツであるカプチーノを連想させる。

こんな記事も読まれています

最新 i7の防弾仕様「プロテクション」へ試乗 動きが鈍重では無意味 BMWの特別プログラムを体験(2)
最新 i7の防弾仕様「プロテクション」へ試乗 動きが鈍重では無意味 BMWの特別プログラムを体験(2)
AUTOCAR JAPAN
まるで違う「装甲」性能 7シリーズ・プロテクション 爆弾15kgにも耐える! BMWの特別プログラムを体験(1)
まるで違う「装甲」性能 7シリーズ・プロテクション 爆弾15kgにも耐える! BMWの特別プログラムを体験(1)
AUTOCAR JAPAN
「オービスをぶっ壊せ」国民の怒り爆発!? “プライバシーより取締り”の顛末とは 恐怖のオービスお国事情
「オービスをぶっ壊せ」国民の怒り爆発!? “プライバシーより取締り”の顛末とは 恐怖のオービスお国事情
乗りものニュース
モリタのコンテスト:小学生が描く「未来の消防車」、最優秀賞は埼玉県在住の新口さん
モリタのコンテスト:小学生が描く「未来の消防車」、最優秀賞は埼玉県在住の新口さん
レスポンス
テスラ失速! もうどうにも止まらない……販売不振で30万円値下げ! 低価格車EVの投入前倒しへ
テスラ失速! もうどうにも止まらない……販売不振で30万円値下げ! 低価格車EVの投入前倒しへ
ベストカーWeb
トヨタが新たな「新型3列SUV」を生産!? 異なる2車種が26年登場か 米国BEVに14億ドル投資
トヨタが新たな「新型3列SUV」を生産!? 異なる2車種が26年登場か 米国BEVに14億ドル投資
くるまのニュース
【インタビュー】MotoEマシン、ドゥカティ「V21L」に備わる独自の電気ブレーキと冷却システムとは
【インタビュー】MotoEマシン、ドゥカティ「V21L」に備わる独自の電気ブレーキと冷却システムとは
バイクのニュース
【MotoGP】25台中15台クラッシュの大波乱、スプリントレースは「赤旗中断にすべきだった」のか。転倒ビニャーレス主張
【MotoGP】25台中15台クラッシュの大波乱、スプリントレースは「赤旗中断にすべきだった」のか。転倒ビニャーレス主張
motorsport.com 日本版
トヨタの名車2000GTならぬ3000GTで登場!! 元々オープンカーの設計だったの……紆余曲折あった70スープラ
トヨタの名車2000GTならぬ3000GTで登場!! 元々オープンカーの設計だったの……紆余曲折あった70スープラ
ベストカーWeb
GW明けに新車を狙うなら、このお買い得な人気モデルは、絶対に外せない!【2024春商戦・トヨタ注目モデル4選】
GW明けに新車を狙うなら、このお買い得な人気モデルは、絶対に外せない!【2024春商戦・トヨタ注目モデル4選】
月刊自家用車WEB
群馬の朝は早い! 3時発東京行き「超早朝バス」日本中央バスが運行へ その使い道は?
群馬の朝は早い! 3時発東京行き「超早朝バス」日本中央バスが運行へ その使い道は?
乗りものニュース
RB、F1マイアミGPでアップデートを予定。「中団トップ争いに踏みとどまるため」とメキーズ代表……ライバルのハースを突き離せるか?
RB、F1マイアミGPでアップデートを予定。「中団トップ争いに踏みとどまるため」とメキーズ代表……ライバルのハースを突き離せるか?
motorsport.com 日本版
EVのリチウムイオン電池は「温度管理」が大切だった! 走行性能だけじゃなく充電性能に劣化度合いまで温度で大きく変わる!!
EVのリチウムイオン電池は「温度管理」が大切だった! 走行性能だけじゃなく充電性能に劣化度合いまで温度で大きく変わる!!
WEB CARTOP
話題のマツダ『EZ-6』、詳細スペックを公開! 後輪駆動でBEVは600kmの航続距離に
話題のマツダ『EZ-6』、詳細スペックを公開! 後輪駆動でBEVは600kmの航続距離に
レスポンス
内外装とグレード見直し 2代目ホンダ・ヴェゼルがマイチェン アクセントカラーや新色採用も
内外装とグレード見直し 2代目ホンダ・ヴェゼルがマイチェン アクセントカラーや新色採用も
AUTOCAR JAPAN
「トンネルできると便利」京都・新名神への新ルート! 長さ3km鷲峰山トンネルに待望の声 犬打峠の府道バイパス2024年度開通
「トンネルできると便利」京都・新名神への新ルート! 長さ3km鷲峰山トンネルに待望の声 犬打峠の府道バイパス2024年度開通
乗りものニュース
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第3回】マラネッロの改革
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第3回】マラネッロの改革
AUTOCAR JAPAN
【MotoGP】最も簡単なところで転倒してしまった……マルク・マルケス、ドゥカティでの初Vを逃すもポジティブ姿勢「勝利に近づいている」
【MotoGP】最も簡単なところで転倒してしまった……マルク・マルケス、ドゥカティでの初Vを逃すもポジティブ姿勢「勝利に近づいている」
motorsport.com 日本版

みんなのコメント

14件
  • エスクードは、当時デザイン課長に量産試作車を見せられたときに、衝撃を受けた。
    トヨタ直系部品メーカーの開発者に普通見せないだろうが、よほど自信作で自慢したかったんだろうなあ。
    見せても良い段階だったからでも有るけど、これ出すの?売れるんかいが第一印象。
    ぶっちゃけ面白みが理解できなかったのは、こちらの頭がトヨタイズムで硬かったから。
    マイティボーイも面白い車だった。「金は無いけど目立ちたい」がどこかの雑誌のタイトルだったけど、エポックメイキングな車を作るとこの企業はすごい力を持っていると思う。
    バイクでもケルンの衝撃のカタナや、隼などをだすからこの企業は面白い。
  • クロカン4WDとオープンなら、ジープなんかは大昔からオープントップだと思うんだけど。
    何が違うのかオラよぐわがんね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

136.0149.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

55.0259.0万円

中古車を検索
X-90の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

136.0149.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

55.0259.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村