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【どんな地形でもドンと来い】メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン 英国版中古車ガイド

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【どんな地形でもドンと来い】メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲン 英国版中古車ガイド

41年のモデルライフで小さな変化

text:Felix Page(フェリックス・ペイジ)

【画像】メルセデス・ベンツGクラス W463型の最新版と先代を比較 全60枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


優れたオフロード性能を備えるラグジュアリーSUVを探していて、ランドローバー・ディフェンダー以外がご希望なら、最も直接的なライバルはいかがだろう。中古車なら、ずっと手に届きやすい。

41年という長いモデルライフを備え、最新のディフェンダーより見た目の進化は小さい。それでも、メルセデス・ベンツ・ゲレンデヴァーゲンは卓越したオフロード性能を備えた1台。英国のランドローバーとは違う方法で、洗練性と堅牢性を両立させている。

ちなみにゲレンデヴァーゲンとは、(全)地形車両という意味。今ではGクラスという呼び方に改められている。

今回は、2018年以前のクラシカルなゲレンデヴァーゲンに注目してみたい。オリジナルのW460型(1979~1992年)と軍用メインのW461型(1992年以降)、W463型の通常モデル(1990~2018年)を取り上げよう。

ゲレンデヴァーゲンで大きな特徴といえるのが、年式を通じた共通性。フォルクスワーゲン・ビートルの方が、長年のモデルライフで加えられた変更か所は多いだろう。

1990年式のゲレンデヴァーゲンを買ってきて、ドレスアップし、10万ポンド(1500万円)はするモダンなAMG風のGクラスに仕立てることも不可能ではない。友人や同僚も驚くはず。

現在まで生き残っているW460型は、英国の場合は多くが当時の状態を保っており、本来の目的通りの姿をしている。スタイリッシュで実用的なファミリーSUVとして、泥だらけのオフロードも臆せず走れる。

4気筒からV型12気筒までエンジンは多彩

ただし人気は堅調で、ショートホイールベースの低グレードでも、英国では1万7000ポンド(255万円)位の値段は付いている。低走行距離でロングボディの1987年式なら、2万ポンド(300万円)位は覚悟しておきたい。

このロングボディなら、G63のような見た目にすることも不可能ではない。費用のかかる修理やボディの錆を気にするのなら、W461型を選ぶという手段も英国なら可能だ。

新しいクルマほど、カスタマイズされている例が多いのも特長。ゴールドにラッピングされ、リフトアップし、スモークガラスで悪ぶったGクラスも少なくない。砂漠より、ロンドンの中心部が似合いそうだ。

予算によっては、海外からW461やW463を取り寄せることも可能。英国では1995年から2010年まで、Gクラスは売られていなかった。

ドイツやフランス、オランダの中古車サイトを見てみると、元軍用車やキャンピングカーに改造されたもの、珍しい限定モデルなど、様々なゲレンデヴァーゲンが選べることがわかる。

長いモデルライフの中で、W460型の2.0L 4気筒ガソリンからW463型で選べた6.3LのV型12気筒ガソリンまで、ディーゼルも含めて多くのエンジンが選べることも魅力。

その中でも英国で最も人気なのが、適切なメンテナンスで半永久的に使える堅牢性を備えた3.0Lの直列6気筒ディーゼルターボ。後期のV8ガソリンエンジンも、高性能モデルとして支持は高い。

不具合を起こしやすいポイント

エンジンとトランスミッション

ゲレンデヴァーゲンは速くもないし、燃費も悪い。のんびりと、信頼できるエンジンの走りを楽しむタイプ。メンテナンス記録を確認し、エンジンオイルが9600km毎に交換されているかを調べたい。

プロペラシャフトの故障は一般的で、高負荷時に振動が出ることが症状の1つ。ガスケットやホース類、ターボの不具合もなくはないが、致命的なものにはなりにくい。

燃料タンクとホースの中に錆が溜まることがある。クリーニングしてみるのも良いだろう。

サスペンション

リフトアップし大きなタイヤを履いている場合、クルマへの負担も大きい。深いオフロードを走りたいと考えているなら、魅力的かもしれないが。

ストラットマウントの状態は確かめたいポイント。異音や振動の原因になる、既知の弱点の1つだ。

ボディとシャシー

1990年代に入ってからのW463型は、テールライトやウインドウ、バンパー付近が錆びやすい。一見きれいでも、パテで盛られて修理されていないか確かめたい。

駆動系も含めてシャシー周りは、オフロード走行でダメージを受けていないか観察する。後期のゲレンデヴァーゲンはドレインホールが詰まり、サンルーフの不調を招くことがある。この周辺が錆びると、修理は安く済まないので注意したい。

インテリア

走行距離が長いゲレンデヴァーゲンは、それなりにくたびれているはず。シートが摩耗していても、張り直したりカバーなどで対応は可能。天井の内張りのたるみは、修理が厄介。交換する場合、内装パネルをほとんどすべて外す必要がある。

パワーウインドウのメカが固着することがあり、すべての窓の動作は事前に確かめたい。後期モデルに装備されていたカップホルダーが、年式違いのゲレンデヴァーゲンに後付けされている場合もある。

オーナーの意見を聞いてみる

ジョン・ドリング:Gワーゲン・オーナーズ・アソシエーション代表

「様々な側面を考えると、古いゲレンデヴァーゲンは極めて堅牢で、スクラップにしてしまうには価値がありすぎます。フェラーリ並みに珍しく、はるかに実用的。燃費もフェラーリ並みですが」

「英国では、1万ポンド(150万円)くらいでガレージに長年眠っていたゲレンデヴァーゲンが出てくる場合もあります。OM606型のディーゼルエンジンでレストアされた例は、3万ポンド(450万円)以上は必要でしょう」

「どのゲレンデヴァーゲンでも、スタイリングに大差はなく、品質は同等。新しいミニ・クーパーの予算で状態の良いゲレンデ、という選択も悪くないと思いますよ」

英国ではいくら払うべき?

1万5000ポンド(225万円)~2万4999ポンド(374万円)

シャシー周りの状態が悪くないゲレンデヴァーゲンを英国では買える。ただし、完璧な状態ではないだろう。

2万5000ポンド(375万円)~3万4999ポンド(524万円)

W460型やW461型のゲレンデヴァーゲンが見つかる。英国の場合は多くが3.0L V6ディーゼルエンジンを載せている。

3万5000ポンド(525万円)~4万4999ポンド(674万円)

走行距離の短い、レストアされたクルマ。英国では並行輸入された左ハンドルのW463が出てくることも。

4万5000ポンド(675万円)以上

キャンピングカーになったものも含めて、改造されたゲレンデヴァーゲンが中心。オフロード走行のないような、状態の良い後期モデルも。

知っておくべきこと

ゲレンデヴァーゲンは、軍事部門からも高い支持を集めている。英国のディーラーには、装甲が施されたロング版など、様々な仕様のクルマを扱っているところもある。

カモフラージュ塗装の施された250GDなどは、頼もしいアドベンチャー・ワゴンになってくれるかもしれない。ただし値段は手頃ながら、走行距離は長く装備は簡素で、左ハンドル車であることが多い。

英国で掘り出し物を発見

メルセデス・ベンツGクラス 登録:1995年 走行:16万km 価格:3万2500ポンド(487万円)

パワーの控えめな3年落ちのランドローバー・ディスカバリーと同じくらいの値段で、25年選手のゲレンデヴァーゲンが買える。人気の3.0L直列6気筒ガソリンエンジンを積み、費用を惜しまずメンテナンスも施されてきた。

新しいホイールを履き少しドレスアップすれば、現在のGクラスにぐっと近づいた見た目になるかもしれない。

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