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未来が楽しみになる技術 BMW iX 長期テスト(8) 車重を忘れるスポーツ・モード

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未来が楽しみになる技術 BMW iX 長期テスト(8) 車重を忘れるスポーツ・モード

積算1万2255km 良い意味で普通に乗れる

今回は普段のマーク・ティショーに代わって、大きなSUVが必要になった筆者、アラステア・クレメンツにレポートさせていただきたい。妻と2人の娘、2匹の犬、沢山の荷物を運ぶことになり、快くBMW iXの鍵を貸してくれた彼には感謝だ。

【画像】BMWの最新フラッグシップBEV SUV iX 小さなiX1とiX3 サルーンのi4とi7も 全139枚

高額な値札が付いているにも関わらず、最近のロンドンではiXをしばしば目撃する。個性的なスタイリングを持つ電動SUVが、ありきたりの毎日を活気づける存在なのか、革新的な次世代の自動車体験を味わわせてくれるのか、わたしも以前から興味を抱いてきた。

ローズ・ゴールドのボディトリムに、カットガラスがあしらわれたギアセレクターやパワーシートのスイッチ類など、iXには特別さを感じさせる特徴に事欠かない。ドライブモードに応じて、車内には異なるサウンドも響く。

しかし、能力に長けたバッテリーEV(BEV)として、それらの要素がなくても高い評価を与えられると実感した。大型なラグジュアリーSUVとして、従来と変わらず、良い意味で「普通」に乗ることができる。

車内空間は広く、特にリアシート側はゆとりがある。乗り心地は快適で、走りは速く安定しており、内燃エンジンの従来的なモデルと比較しても、不満を感じる要素はなかった。巨大な駆動用バッテリーのおかげで航続距離は長く、利便性も担保されている。

車重を忘れるほど軽快なスポーツ・モード

ただし、容量の大きい駆動用バッテリーは、充電にも長い時間を必要とする。筆者の自宅にある充電器は、最速でも7.5kWhまでしか電気を送れないため、100%へ回復させるのに12時間以上が必要だった。

渋滞に巻き込まれながら、家族全員と沢山の荷物を積み、目的地までの約240kmを4時間半かけて走らせた結果、駆動用バッテリーには40%の電気が残っていた。気温が低かったことを踏まえると、悪くない結果といえる。

その日の晩は、公共の充電ステーションが近場になく、コンセントへ繋いで充電。自宅まで戻るのに充分な電気を、翌朝には蓄えることができた。

帰り道は、混雑する幹線道路を避けて、田園地帯を縫う一般道へ。ドライブモードをスポーツへ切り替えると、車重を忘れさせてくれるほど走りが軽快に一変。息を呑むような力強い加速で、大型トラックの追い越しも余裕でこなせることに感心させられた。

リアシートが広々しているだけに、荷室容量はボディサイズから期待するほど大きくはない。ツーピースのトノカバーも使い勝手に優れるとは思えないが、フロアの位置的に荷物の積み込みは容易に感じられた。

リアシートの背もたれはボタン一発で折りたたまれ、広大な荷室が姿を表す。実用性も悪くない。

未来が楽しみになるクルマの将来像

BMW iX xドライブ50は、これまで筆者が試乗したBEVのなかで最も能力に長け、訴求力が高いことは間違いないだろう。10万ポンド(約1610万円)を超える英国価格にも、納得できる水準にある。

ただし、それ以上に印象的だったことは、iXが味わわせてくれたクルマの将来像。このBMWが搭載する技術は、数年後には一般的なものになっている可能性がある。そう考えると、待ち構える近未来へワクワクしてしまう。

積算1万4179km 背もたれの四角い穴

BMW iXのスポーツシートには、ダイヤモンド・ステッチが施され非常に快適。ただし、助手席に乗る場合は、身長が150cm以上あることが望ましい。

背もたれの中央にプラスティック・トリムが付いた四角い穴があり、助手席へ座った娘は、後頭部が当たって不快だったという。iXの瞬発力は鋭いため、余計煩わしく感じたようだ。

テストデータ

気に入っているトコロ

温かい車内:前後のシートにはヒーターが内蔵されており、寒い朝でも快適。肘掛けすら温かい。

気に入らないトコロ

冷たいフロントマスク:スタイリングの好みは人それぞれだと思うが、フロントのデザインは少々挑戦的過ぎる。

テスト車について

モデル名:BMW iX xドライブ50 Mスポーツ(英国仕様)
新車価格:9万9965ポンド(約1599万円)
テスト車の価格:11万6965ポンド(約1874万円)

テストの記録

航続距離:458km
電費:4.4km/kWh
故障:アラーム用センサーの腐食、メーター用モニターのクラッシュ
出費:なし

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