■真っ赤な「サンバー」が約300万円で取引!
2023年9月27日、アメリカのカーオークションサイト「Bring a Trailer」において、スバルの軽トラック「サンバー」が2万ドル(当日レートで約295万円)で落札されました。
どのような個体なのでしょうか。
【画像】「えっ…!」 これが「300万円の“軽トラック”」です! 画像で見る(43枚)
Bring a Trailerはアメリカのオークショニアで、2007年に開設。日本をはじめ、ヨーロッパや米国などのクルマを取り扱っており、戦前から現行のクルマまで幅広くオークションが開催されています。
今回、オークション出品されたサンバーは、1961年に登場した軽商用車です。
現在新車販売中のモデルは8代目で、ダイハツ「ハイゼット」「アトレー」のOEM供給を受けるモデルとなりましたが、6代目まではスバル独自開発のモデルとなっていました。
積載時や空荷状態でも駆動力がかかりやすいというメリットから、初代から一貫してリアにエンジン搭載するRRレイアウトを採用したほか、軽自動車としてはまれな直列4気筒エンジンを搭載するなど、人気の高いモデルとなっていました。
現在でも高い支持を受けており、中古車としては比較的高値を維持し、RRレイアウトかつ水平対向エンジンの得意なスバルが手掛けたという点で、一部では「農道のポルシェ」などとも評されています。
今回2万ドルで落札された個体は1997年式の5代目で、トラックのボディに5速MTと4WDモデルを搭載するモデルとなっていますが、極めて珍しい消防車仕様であることが特徴です。
走行距離はわずか4900キロで、2023年12月に米国へ渡ったとされています。
特徴的な朱色のボディは27年が経過したとは思えないほど綺麗な状態を保っており、緊急車両であったことからメンテナンスも隅々まで行き届いているようです。
フロントフェイス中央には消防章エンブレムが装着され、白化していない樹脂バンパー上部には赤色灯が設けられています。
ルーフの赤色灯やサイレンアンプ、荷台のスポットライトやはしごといった消防車両特有の装備はそのままですが、消火ホースやノズルといった装備は取り外されています。
インテリアは質素なビニールシートですが、走行距離走行でスレやヘタリなどはほとんどなく、インパネやドアトリム、シフトノブなどの各所に劣化は見られません。
サイレンアンプとマイクを除いてほとんどが純正状態で残されており、スバル純正AMラジオやゴム製マットなどは貴重な品物といえます。
なお、ドアの内側やインパネ下部のボディ露出部が白色であるため、ホワイトのサンバーをベースに朱色に塗装されたことがわかります。
リアバンパー内部のエンジンルームの状態はかなりよく、金属部はサビや汚れなどがほとんどないうえ、プラスチックやゴムパーツ類が黒々としており、緊急車両としていつでも使用できるように念入りに整備されていたことがうかがえます。
車両の出自を示す消防署名や日本語の整備手帳、取扱説明書などは残念ながら残っていませんが、エンジン調整ステッカーや消防用はしごのプレートなどはそのままの状態であり、現地のマニアにはたまらない一品ともいえます。
入札は1月10日に1500ドルでスタートし、34件もの激しい入札合戦を繰り広げた後、2万ドルで落札。
貴重なモデルであることや極めて良い状態などが評価されたのか、軽トラックとしては異例の高値で取り引きされ、次のオーナーへと引き継がれていきます。
※ ※ ※
近年は映画やマンガ、アニメなどの影響から日本車の人気が高まっており、その影響を受けて1980年代から90年代のスポーツカーが輸出され、高値で取り引きされています。
一方で、北米では軽トラの人気も近年著しく高まっており、現地では全長5mを超える大型乗用車が少なくないなか、コンパクトなボディや愛らしい見た目、丈夫で燃費もよく、荷物もたくさん積める点などが評価され、「JDM kei truck」として親しまれています。
北米では「25年ルール」という、クラシックカーとして登録できる決まりがあり、通常走行ができない軽トラックでも、製造から25年が経過すれば一部の州で登録可能になっており、軽トラックの輸出も多く行われるようになりました。
なかには、こうした「極上」とも呼べる個体が輸出されることもあり、今回の個体のように異例の高値で落札されることも少なくありません。
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みんなのコメント
軽トラが盗難されたりするから気をつけた方がいい。
それなりのオイルで早目の交換をすれば軽く20万キロは走りますねぇ。
1台目は27万キロで外人に売って車検が切れるまで1年半乗りきってました!
クラッチ交換も必要無かった!