現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ダイハツ「エッセ」のネタ元は「ルノー5」!? 傑出していた「さりげなくいいカタチ」はいま乗るとスマート【カタログは語る】

ここから本文です

ダイハツ「エッセ」のネタ元は「ルノー5」!? 傑出していた「さりげなくいいカタチ」はいま乗るとスマート【カタログは語る】

掲載 17
ダイハツ「エッセ」のネタ元は「ルノー5」!? 傑出していた「さりげなくいいカタチ」はいま乗るとスマート【カタログは語る】

軽自動車の本質を追求してシンプルさを徹底

最初に車名を聞いた時には、てっきりアバルトなどでもグレード名で用いているイタリア語の「esseesse(=SS)」から来ているのだと思った。けれど2005年12月の発表当時に配布された広報資料に目を通すと、英語の「ESSENCE」(本質)が由来なのだという。「贅沢とは違う、さりげないこだわりでセンスの良い生き方を求めている人々が増加。毎日の暮らしの中に、さりげなく自分らしい豊かさを表現したい」(広報資料より)が時代の意識だとしたうえで、肩肘張らず、シンプルに、自分らしく生きる人たちへ(同)向けたクルマとして当時のダイハツが誕生させたのがこの「エッセ」だった。なお車名の4文字には、Eco、Simple & Smart、Easyの意味づけがなされていた。

ダイハツ「エッセ」に「サニトラ」純正アクセントライン! 純正風に見せた大技カスタム満載の1台でした

さりげなく通好みのルノー5をネタ元に(?)

発表当時にきっとそう思った人も少なからずいたはずだが、筆者も第一印象は「初代ルノー5っぽいじゃないか」と思った。とはいえこの……「じゃないか」の語尾のニュアンスは決して非難しようと語気を強めたのではなく、どちらかというと歓迎の意味に近かった。

つまりヨーロピアンミニ的なクルマというと、大抵はイギリスの「ミニ」を模範にするケースがほとんど。ところがエッセは、そうではなく「ルノー5」という日本では知る人ぞ知る車種をネタ元としてきたのだった(もちろんネタ元とは断定はできないが、台形のフォルムを見ていればそう思えた)。

そんな「通」っぽさが筆者にはササったし、もしも自分で乗るならドアパネル下部を適切な幅でグレーに塗り分けて(全幅に影響しないのであれば、自分で貼ることができる幅広のモールを見つけて貼ってそれらしくして)なんちゃってルノー5として楽しみながら乗ってみたい……そう思わせられたくらいだった。

乗りやすさと使いやすさはリッチな仕上がり

とにかくエッセの「さり気なくいいカタチ」は、数ある軽自動車の中でも傑出した出来だったと今でも思う。エッセが登場した2005年というと、メインストリームの「ミラ」は6代目(2002~2009年)が現役。このミラとエッセは、ホイールベースが共通の2390mmということからもプラットフォームは共通と理解できた。

ところがエッセが実用を疎かにしたクルマなのか? というと、決してそんなことはなかった。全高はミラが1500mm、エッセが1470mmながら、ミラに対してエッセはAピラーがより立ててあり、ボンネットもミラのような強いスラントをもっていないために車両感覚が掴みやすい。なので、ミラほどのアップライトな運転姿勢ではないものの自然な着座感覚に組み立られていたために、サッと乗り込めて楽な体勢で運転できるクルマに仕上げられていた。

およそ90度まで開くドアも乗降性の良さに貢献、やや傾斜の付けられたバックドアは相対的にヒンジがルーフ側の奥に位置するため、開閉の軌跡が手前にせり出す量が小さくなり、操作する人の邪魔になりにくいといったメリットもあった。

センターメーターのインパネもスッキリ使いやすい

インパネのデザインもじつにスッキリとしたもの。中央には見逃しようがないサイズのメーターが据えられ、あとはオーディオ(ラジオのプリセットボタンも大きめ)、3つのダイヤルを並べた空調スイッチなどがじつに判りやすく並ぶ。

左右方向にややウェーヴをかけたデザインは内装色が明るいベージュの場合、少し女子向けの雰囲気がなくはなかった。だが、大きな「単位」でデザインされたインパネは、チマチマとした溝やディテールがなく、見た目にもスッキリしていたし、ウエスで一気呵成に拭き取れば掃除も完了するなど、機能も踏まえたデザインでもあった。なおフロントドアのスピーカーグリルには、遊び心として8分音符があしらってあった。

ちなみに改めてカタログに目を通すと、シートの色はボディカラーに合わせて全7色の組み合わせとじつに豊富な用意があった。ボディカラーのバリエーションも全8色で、パステル調の人に優しい色使いだったのもエッセらしさを表現したものだった。

圧倒的なコスパと低燃費エンジンも自慢だった

ところでエッセはシンプルでサッパリとした持ち味が特徴だったが、発表当時(実際の発表展示会は2006年1月だったようだ)の価格設定は65~101万円(消費税抜)と、驚くほど手頃な商品に仕上げられていた。発表当時に試乗したクルマの筆者のメモを見ると、L・2WDの装着タイヤはHANKOOKと記してあり、ドアガラスは中国製といったメモも残っていた。

燃費26.0km/L(5速MT)の新開発KF-VE型ツインカムDVVT・3気筒12バルブ660ccエンジンは発表当時、軽ガソリン車トップレベルをうたっており、低排出ガス、低燃費、そして低価格を達成。実質的にもスマートなクルマになっていたところもポイントだった。

* * *

今や軽自動車は乗用車の全販売台数の4割を占め、さらにその半数以上はスーパーハイト系だという。たしかにスーパーハイト系は一度その便利さを味わうとなかなか手放せないのも本当のところかもしれない。だが、エッセのような、日常使いに気ままに乗りこなせる気の利いたセダンタイプの軽が今は少ないのは少々寂しいところ。だからチャーミングな外国製クラシックカーとこのエッセの2台持ちを今も実践中のAMW編集部Tさんのような生活スタイルは、筆者もいいなぁと思う。

こんな記事も読まれています

トヨタが新たな「新型3列SUV」を生産!? 異なる2車種が26年登場か 米国BEVに14億ドル投資
トヨタが新たな「新型3列SUV」を生産!? 異なる2車種が26年登場か 米国BEVに14億ドル投資
くるまのニュース
【インタビュー】MotoEマシン、ドゥカティ「V21L」に備わる独自の電気ブレーキと冷却システムとは
【インタビュー】MotoEマシン、ドゥカティ「V21L」に備わる独自の電気ブレーキと冷却システムとは
バイクのニュース
【MotoGP】25台中15台クラッシュの大波乱、スプリントレースは「赤旗中断にすべきだった」のか。転倒ビニャーレス主張
【MotoGP】25台中15台クラッシュの大波乱、スプリントレースは「赤旗中断にすべきだった」のか。転倒ビニャーレス主張
motorsport.com 日本版
トヨタの名車2000GTならぬ3000GTで登場!! 元々オープンカーの設計だったの……紆余曲折あった70スープラ
トヨタの名車2000GTならぬ3000GTで登場!! 元々オープンカーの設計だったの……紆余曲折あった70スープラ
ベストカーWeb
GW明けに新車を狙うなら、このお買い得な人気モデルは、絶対に外せない!【2024春商戦・トヨタ注目モデル4選】
GW明けに新車を狙うなら、このお買い得な人気モデルは、絶対に外せない!【2024春商戦・トヨタ注目モデル4選】
月刊自家用車WEB
群馬の朝は早い! 3時発東京行き「超早朝バス」日本中央バスが運行へ その使い道は?
群馬の朝は早い! 3時発東京行き「超早朝バス」日本中央バスが運行へ その使い道は?
乗りものニュース
RB、F1マイアミGPでアップデートを予定。「中団トップ争いに踏みとどまるため」とメキーズ代表……ライバルのハースを突き離せるか?
RB、F1マイアミGPでアップデートを予定。「中団トップ争いに踏みとどまるため」とメキーズ代表……ライバルのハースを突き離せるか?
motorsport.com 日本版
EVのリチウムイオン電池は「温度管理」が大切だった! 走行性能だけじゃなく充電性能に劣化度合いまで温度で大きく変わる!!
EVのリチウムイオン電池は「温度管理」が大切だった! 走行性能だけじゃなく充電性能に劣化度合いまで温度で大きく変わる!!
WEB CARTOP
話題のマツダ『EZ-6』、詳細スペックを公開! 後輪駆動でBEVは600kmの航続距離に
話題のマツダ『EZ-6』、詳細スペックを公開! 後輪駆動でBEVは600kmの航続距離に
レスポンス
内外装とグレード見直し 2代目ホンダ・ヴェゼルがマイチェン アクセントカラーや新色採用も
内外装とグレード見直し 2代目ホンダ・ヴェゼルがマイチェン アクセントカラーや新色採用も
AUTOCAR JAPAN
「トンネルできると便利」京都・新名神への新ルート! 長さ3km鷲峰山トンネルに待望の声 犬打峠の府道バイパス2024年度開通
「トンネルできると便利」京都・新名神への新ルート! 長さ3km鷲峰山トンネルに待望の声 犬打峠の府道バイパス2024年度開通
乗りものニュース
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第3回】マラネッロの改革
フェラーリのカリスマ、ルカ・ディ・モンテゼーモロが成し遂げたこと 【第3回】マラネッロの改革
AUTOCAR JAPAN
【MotoGP】最も簡単なところで転倒してしまった……マルク・マルケス、ドゥカティでの初Vを逃すもポジティブ姿勢「勝利に近づいている」
【MotoGP】最も簡単なところで転倒してしまった……マルク・マルケス、ドゥカティでの初Vを逃すもポジティブ姿勢「勝利に近づいている」
motorsport.com 日本版
センチュリーにロールスロイス……2000万円超えは当たり前の日本で買える高級車!! 超高級車はどうやって進化していく?
センチュリーにロールスロイス……2000万円超えは当たり前の日本で買える高級車!! 超高級車はどうやって進化していく?
ベストカーWeb
GRスターレット爆誕! 既に開発はスタートか!? 1トン切りに280万円ってアツすぎる!!
GRスターレット爆誕! 既に開発はスタートか!? 1トン切りに280万円ってアツすぎる!!
ベストカーWeb
【平嶋夏海】さんとインカム通話体験ができる!「MIDLAND応援キャラバン」が始まった  
【平嶋夏海】さんとインカム通話体験ができる!「MIDLAND応援キャラバン」が始まった  
モーサイ
なぜ車の「サンルーフ」減った? 昔は「あこがれの装備」なのに… 装着するとデメリットも? 近年は「ガラスルーフ」が増加に
なぜ車の「サンルーフ」減った? 昔は「あこがれの装備」なのに… 装着するとデメリットも? 近年は「ガラスルーフ」が増加に
くるまのニュース
【写真蔵】ホンダの新グローバルEV「0(ゼロ)シリーズ」、2つのコンセプトモデルを公開
【写真蔵】ホンダの新グローバルEV「0(ゼロ)シリーズ」、2つのコンセプトモデルを公開
Webモーターマガジン

みんなのコメント

17件
  • 私は都内在住ですが、今でも稀にレストアした思われるピカピカのエッセを見かけます。
  • ネクステージお前もか・・・
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

77.0112.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.9113.0万円

中古車を検索
エッセの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

77.0112.7万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

0.9113.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村