2021年の12月初旬、三菱eKスペース&eKクロススペースと、日産ルークスが生産、出荷、登録中止になった。これに対し同年12月24日、三菱より「一部条件下ではエアバッグの性能が十分発揮されない可能性がある」とお知らせが出ている。
2022年1月現在も、まだその状況は続いているようだ。一体何が起きているのだろうか? そこで今回、販売店に問い合わせて状況を調査した! まだもう少し買えるのは先になりそう!?
新型Zのモチーフにもなった名車 Z32型フェアレディZの魅力と知られざる真実
文/渡辺陽一郎
写真/三菱自動車、日産
[gallink]
■「売れる軽」3車種生産停止の波紋
「クルマが売れない」といわれるなかで、国内販売を支えているのが軽自動車だ。2021年1~11月の国内販売状況を見ると、新車として売られたクルマの37%を軽自動車が占めた。
そして軽自動車の販売比率が高いメーカーといえば、以前はダイハツとスズキだったが、今はホンダも軽自動車比率を増やしており、国内で新車として販売するホンダ車の53%を占める。
同様に日産は40%、三菱は57%が軽自動車だ。こうなると軽自動車比率が国内販売比率の37%を下回る乗用車メーカーは、トヨタ、マツダ、スバルの3社にかぎられてしまう。
軽自動車への依存度が高まった状況で、三菱eKスペース&eKクロススペースと日産ルークスが生産と届け出を停止した。すでに報道されているが、三菱の販売店に改めて直近の状況を尋ねると以下のように返答された。
三菱eKスペース&eKクロススペースと日産ルークスが生産と届け出を停止。しかし、それ以外のバリエーションは販売しているようだ
「三菱の水島製作所が生産するeKスペースとeKクロススペースのエアバッグに、不具合の可能性があることがわかった。そのために昨年12月初旬以降、この2車種の生産と届け出を停止している。すでに販売会社に届いている車両もあるが、届け出とナンバー取得はストップされている。なおeKワゴンとeKクロスについては、生産と届け出が問題なく行われている」。
■今注文して買える? 納期について聞いてみた
今後の見通しはどうなるのか。またeKスペースとeKクロススペースを新たに注文することは可能なのか。
「今のところ今後の見通しはわからない。リコールを行うか否かも、現時点では検討段階だ。装着されているエアバッグに問題がないことがわかり次第、すでに完成している車両については、届け出とナンバー取得を再開する。水島製作所の生産も始まる。ただし、メーカーでは、生産や届け出の再開が、2022年2月に遅れる可能性もあるとしている」。
そうなるとeKスペースとeKクロススペースの納期はどうなるのか。
「現時点で納期は少なくとも2カ月を要しているから、これから注文すると、少なくとも3カ月以上に伸びるだろう。従ってeKスペースとeKクロススペースについて、お客様からの注文は受けられるが、いつ納車できるかはお伝えできない状態だ」。
日産は、eKスペース&eKクロススペースの姉妹車としてルークスを取り扱っている。生産は三菱の水島製作所が行う。ルークスについて、日産の販売店に尋ねた。
「デイズは生産されているが、ルークスは停止している。お客様に納車する車両がすでに届いている場合でも、車両の届け出は停止している。ルークスと、三菱が扱うeKスペースとeKクロススペースでは、開発や試験は日産が担当している。今回は日産側のテスト内容に問題があったと聞いている」。
■販売店も問題解決を望んでいる
今後の対応も尋ねた。
「これから契約されるお客様には、エアバッグの事情と併せて、納期が不明なことをお伝えしている。ただし、すでににルークスを契約され、納車を待っているお客様には、予想外の事情で迷惑をおかけする。お客様によっては、2021年12月下旬から2022年1月に、下取りに出す車両の車検期間が満了する場合もある。この対策は難しい。今は昔と違って、販売店にお客様に貸すための代車は用意されていない。下取り車を受け取り、新車が納車されるまでの間は、臨時でレンタカーを貸し出すなどの対応を図る」。
エアバッグの作動に関しては、例えば「衝突時以外に展開するような誤作動の可能性はない」という。そのために「すでに納車されている車両を使う分には、心配はない。車両の回収もしていない」とのことだ。
それでもeKスペース&eKクロススペース、ルークスの届け出は、前述のとおり停止されている。届け出を再開する見込みが立たないのは、三菱と日産の販売店としては困った事態だろう。
売れ筋の軽自動車が売れないという事態は、販売店もメーカー自身も非常に辛い……
特に三菱では、前述のとおり2021年に新車として売られたクルマの57%を軽自動車が占める。そのなかでもeKスペース&eKクロススペースは、最も人気が高い。eKスペース&eKクロススペースが生産と届け出を中止すると、三菱の国内販売総数のうち、20~25%が減ることになる。
この点についても三菱の販売店に尋ねた。
「クルマは販売すれば、その後の点検や車検、保険などによって定期的な売り上げを見込める。特にeKスペース&eKクロススペースは、フロントマスクを(ダイナミックシールドのデザインに)変更しており、これが人気を高めた。そのためにほかのメーカーから乗り替えるお客様も多い。つまり三菱のお客様を増やすクルマでもあるから、なるべく早く解決して欲しい」。
三菱は業績を急速に回復しており、その矢先にこの問題が発生したので、辛いところだろう。日産も状況は似ている。ルークスは2021年1~11月に、1か月平均で7680台を届け出した。ノート+ノートオーラの7438台を上回り、ルークスは日産の国内市場における最多販売車種だ。
国内で売られた日産車全体の20%をルークスが占めるから、生産と届け出の停止は日産の国内販売にも大きな影響を与える。
■筆者はこう主張する
冒頭で述べたとおり、今はダイハツとスズキ以外のメーカーも、軽自動車の国内販売比率を増やしている。特に全高が1700mmを上回るスライドドアを備えたスーパーハイトワゴンの売れゆきが多く、軽乗用車の半数以上を占める。
eKスペース&eKクロススペースとルークスはこのタイプだから、生産と届け出の停止は国内販売に大きな影響を与える。ホンダも2021年1~11月に国内で売られた新車のうち、N-BOXが33%を占めた。N-BOXに、eKスペース&eKクロススペースやルークスのような問題が生じれば、ホンダの国内販売は大きなマイナスを強いられる。
このような事態を避けるためにも、商品はバランスよく販売することが大切だ。そのためには日本のユーザーに歓迎される車種を幅広く揃えることが求められ、「国内市場を大切に考えているか否か」が問われる。
eKスペース&eKクロススペースやルークスは、デザイン面も含めて優れた商品だが、そこに依存する体質はきわめて危うい。今回の一件で、この課題が明らかにされた。
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みんなのコメント
都合悪い、汚名は三菱に押し付けてるんでしょ?
都合のいいことは日産のおかげと持ち上げる
腐った発想の軽自動車。
ちなみに商用車はスズキからOEMしてるけど
スズキさん、こんな連中にOEMしない方がいいよ。
ランディもセレナじゃなくて
ノアやヴォクシーからOEMしてもらいなよ。