現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > トヨタの「GR」シリーズが売れてない? ドル箱ノア&ヴォクシーでも販売不振の「シンプルな原因」とは

ここから本文です

トヨタの「GR」シリーズが売れてない? ドル箱ノア&ヴォクシーでも販売不振の「シンプルな原因」とは

掲載 更新 134
トヨタの「GR」シリーズが売れてない? ドル箱ノア&ヴォクシーでも販売不振の「シンプルな原因」とは

GRシリーズは本格スポーツからエコカーまで設定

 トヨタは運転の楽しいスポーツモデルとして、GRシリーズを用意している。既存のトヨタ車にチューニングを施した車両だ。チューニングの度合いに応じて、GRスポーツ、GR、GRMNの3種類がある。

メーカーが手がけた「隠れキャラ」的改造車! ちょっとマイナーなコンプリートカー5選

 もっとも軽度なミニバンなどを含めたタイプがGRスポーツで、その上に位置する高性能なタイプがGRになるのは、名称の話ではあるが少々わかりにくい。そしてスープラや次期86には、GRの名称が冠されている。スポーツカーは車種自体をGRに含めている。

ユーザーに存在が知られていないもどかしさ

 気になるのはGRの売れ行きだ。もっとも話題になるGRヤリスは、2021年4~5月に、1カ月平均で550台前後を登録した。ヤリスの登録台数は約9300台、ヤリスクロスは約8400台だからGRヤリスは圧倒的に少ないが、チューニングモデルとしては堅調だ。

 それでもヴォクシーやノア、C-HR、プリウスPHVなどに用意されるGRスポーツは、街中であまり見かけない。ユーザーの反応はどうなのか、トヨタの販売店に尋ねると以下のように返答された。

「GRスポーツはヴォクシーが比較的人気で、ほかの人とは違う個性を求めるお客さまが購入されている。ただし価格はノーマルグレードのZSなら280万円を少し上まわる程度だが、GRスポーツは330万円を超える。高価だからZSを選び、好みに応じて小額のディーラーオプションで外装をドレスアップするお客さまが多い」。

 別の店舗では観点の異なる話を聞けた。「GRはもともと生産規模が限られ、お客さまも存在をご存知ないため、売れ行きが伸びない面がある。以前、たまたまノアのGRスポーツを展示したら、これイイね、と言われて販売に結び付いた。女性のお客さまで、フロントマスクがオシャレだと表現された方もいらっしゃった」。確かにノアSi・GRスポーツのフロントグリルは、エアロパーツを装着しながらシンプルである。

 以上のようにGRスポーツはあまり売れていないが、この背景にはアピール不足もある。グレードとは区分の仕方が異なるから、ユーザーから見ると、商品の内容や位置付けがわかりにくい。加えて生産規模も小さいから、積極的な販売促進を行わず、売れ行きも伸びない。

 その点で例えば先代日産ノートNISMOは、販売店に試乗車を配置して、販売促進にも力を入れた。売れ行きが伸びて、街なかでも時々見かける。

ファミリーカーの弱点を補いベース車の新規開発にも好影響

 このほかミニバンの場合、ノーマルグレードは高重心かつ重いボディによって走行安定性が物足りない。スポーティに走るつもりは一切なくても、家族を乗せるから危険を避ける性能は十分に確保したいもの。その意味でもノア&ヴォクシーのGRスポーツは、ボディの底面を中心に補強を行い、サスペンションが正確に作動するように配慮されている。ノーマルグレードに比べて走行安定性が高い。

 GRスポーツの基本はドレスアップだが、ボディ形状や車両重量、コストの低減などによって生じたミニバンの欠点を補う効果もあるわけだ。売れているか否かと問われれば後者だが、細かなユーザーニーズに応えられるメリットはある。

 クルマの開発者からは「(GRのような)コンプリートモデルの運転感覚に刺激され、ノーマルグレードの設定を見直したこともある」といった話も聞かれる。良い刺激を与えている面もあるわけだ。

 ただしメーカーが自ら、古い誤った認識を持っていたのではダメだ。以前、ヴォクシーとノアのCMに、前輪駆動車なのに後輪を横滑りさせながらドリフト状態で走る映像があった(後輪は止まっていた)。あれでは一般のドライバーからは「何だか怖いクルマ」と思われ、クルマ好きは「アホかっ」と呆れるから、誰からも共感を得られない。

こんな記事も読まれています

歴代最速のシボレー「コルベットE-Ray」日本初公開! “ハイブリッド+4WD”はコルベット史上初!! 664馬力の強心臓が提供する異次元の走りとは
歴代最速のシボレー「コルベットE-Ray」日本初公開! “ハイブリッド+4WD”はコルベット史上初!! 664馬力の強心臓が提供する異次元の走りとは
VAGUE
209万円から! ホンダ新型「最安SUV」ベテランドライバーの買い替え需要にマッチ!? シンプル装備がウケる理由
209万円から! ホンダ新型「最安SUV」ベテランドライバーの買い替え需要にマッチ!? シンプル装備がウケる理由
くるまのニュース
トライアンフ モーターサイクルズ ジャパンが10色の新色を導入
トライアンフ モーターサイクルズ ジャパンが10色の新色を導入
レスポンス
「ウェッズスポーツ」の最新作「SA-62R」が登場! コスパに優れたホイールは6本ツインスポークで高剛性と軽量化を実現、4色のカラバリです
「ウェッズスポーツ」の最新作「SA-62R」が登場! コスパに優れたホイールは6本ツインスポークで高剛性と軽量化を実現、4色のカラバリです
Auto Messe Web
【新型Eクラス AMG】スーパーモデルのDNAが成した性能&エコの両立
【新型Eクラス AMG】スーパーモデルのDNAが成した性能&エコの両立
グーネット
マツダ カペラ ロータリークーペGS(昭和46/1971年10月発売・S122型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト066】
マツダ カペラ ロータリークーペGS(昭和46/1971年10月発売・S122型)【昭和の名車・完全版ダイジェスト066】
Webモーターマガジン
アルピーヌF1離脱のオコン、移籍先有力候補はハースか。レッドブルのドライバー発表後に、多数のシートが確定へ
アルピーヌF1離脱のオコン、移籍先有力候補はハースか。レッドブルのドライバー発表後に、多数のシートが確定へ
AUTOSPORT web
「謎の“軽セダン”」ってどんなクルマ? 新車でも売ってる!? 「見た目は軽」なのに何が違う? どういうモデルなのか
「謎の“軽セダン”」ってどんなクルマ? 新車でも売ってる!? 「見た目は軽」なのに何が違う? どういうモデルなのか
くるまのニュース
テスラ「ジュニパー」プロジェクトで『モデルY』が大変身!?
テスラ「ジュニパー」プロジェクトで『モデルY』が大変身!?
レスポンス
16年ぶりにマッチが現役復帰! ラトバラも走る! 影山も立川も参戦! S耐富士24時間レースはドライバーも豪華すぎる
16年ぶりにマッチが現役復帰! ラトバラも走る! 影山も立川も参戦! S耐富士24時間レースはドライバーも豪華すぎる
WEB CARTOP
廃棄物全体のリユース・リサイクル率は92%に!ボルボ、「サステナビリティレポート2023年」を発表
廃棄物全体のリユース・リサイクル率は92%に!ボルボ、「サステナビリティレポート2023年」を発表
LE VOLANT CARSMEET WEB
ランチア『フラミニア』、イタリア大統領がパレードで乗車…共和国記念日を祝う
ランチア『フラミニア』、イタリア大統領がパレードで乗車…共和国記念日を祝う
レスポンス
不便です! 壊れます! お金もかかります! それでも「旧いクルマ」の虜になる理由
不便です! 壊れます! お金もかかります! それでも「旧いクルマ」の虜になる理由
WEB CARTOP
メルセデスベンツとBYDの電動車ブランド「デンツァ」、ミニバン『D9』出展へ…グッドウッド2024
メルセデスベンツとBYDの電動車ブランド「デンツァ」、ミニバン『D9』出展へ…グッドウッド2024
レスポンス
EVモードの航続318km、新型電動SUV『フリー318』予約開始…中国嵐図汽車
EVモードの航続318km、新型電動SUV『フリー318』予約開始…中国嵐図汽車
レスポンス
メルセデス・ベンツ日本、EQEの限定車「エレクトリックアート」発売
メルセデス・ベンツ日本、EQEの限定車「エレクトリックアート」発売
日刊自動車新聞
国産車「最大排気量」モデル! 6400ccの「V型8気筒エンジン」搭載! 全長6mオーバーの「超高級ニッサン車」が凄すぎる! 開発した理由とは
国産車「最大排気量」モデル! 6400ccの「V型8気筒エンジン」搭載! 全長6mオーバーの「超高級ニッサン車」が凄すぎる! 開発した理由とは
くるまのニュース
VW『ゴルフ』、生産50周年を祝う…次世代モデルは電動化へ
VW『ゴルフ』、生産50周年を祝う…次世代モデルは電動化へ
レスポンス

みんなのコメント

134件
  • GRってたくさん売って稼ぐ部門だっけ?
  • VOXY乗ってるけどGRはいらん。出だしで軽に普通に抜かれる。

    スポーツ走行なんぞできんし同乗者をしばく気か。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

309.0358.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.8578.0万円

中古車を検索
ヴォクシーの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

309.0358.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.8578.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村