現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【10年ひと昔の国産車 42】スズキ キザシは欧州テイストを味わえる、完成度が高い本格派セダンだった

ここから本文です

【10年ひと昔の国産車 42】スズキ キザシは欧州テイストを味わえる、完成度が高い本格派セダンだった

掲載 更新 4
【10年ひと昔の国産車 42】スズキ キザシは欧州テイストを味わえる、完成度が高い本格派セダンだった

「10年ひと昔」とはよく言うが、およそ10年前の国産車は環境や安全を重視する傾向が強まっていた。そんな時代のニューモデル試乗記を当時の記事と写真で紹介していこう。今回は「スズキ キザシ」だ。

スズキ キザシ(2009年)
もはや国内発売は見送りかと思われたスズキ初のDセグメントセダン、「キザシ」。それが今回(編集部註:2009年)の東京モーターショーのプレスデーで発表され、世界に先駆けて同日発売となったのだから驚いた。昨今の国内マーケットを考えれば受注生産となるのは致し方ないが、一度乗ってみればその完成度の高さに誰もが驚くはずだ。

●【くるま問答】ガソリンの給油口、はて? 右か左か、車内からでも一発で見分ける方法教えます(2020.01.21)

すでに読者の皆さんもご存知のとおり、キザシはスズキが初めて作ったDセグメント セダンだ。日本国内はもちろん、欧州や北米でのサーキットや公道試験を重ねて熟成されてきた。日本へは導入が危ぶまれた時期もあったが、前述のように東京モーターショーのプレスデー初日に国内受注販売が発表されたばかりだ。

それにしても、スズキとしては初めて作ったDセグメント セダンだというのに、この完成度は見事なものだ。その乗り味は、極めて欧州車に近い。適度な重みをともなったステアリングフィール、全身にしっかりと伝わってくる接地感、そして剛性感あふれるボディ。過去に経験がなかったのに、どうしてここまで煮詰めることができたのか、不思議に思えてしまうほどだ。

直進時のステアリングの座りがいいのは、前輪駆動車だからある程度は予想はできた。驚くのはコーナリング時の安定感だ。ロールの量そのものは、けっして少なくはない。だが18インチの大径タイヤは、したたかに路面をとらえて放さない。しかも、今どのくらいグリップしているのかが手のひらや腰を通して、正確に伝わってくる。

今回は市街地中心、しかもあいにく雨中の試乗となったが、逆に意外な発見もあった。後席にも乗ってみたのだが、想像以上に静かだったのだ。ヨーロッパの多くのセダンがそうであるように、キザシもリアシートバックは可倒式でボディはトランクスルーにもなる。当然、外部とくにリアタイヤまわりの騒音は侵入しやすい。それにもかかわらず静かなのは、ボディの形状やインシュレーターの配置、そして気密性の高さを証明している。

ただし、気になった点もあった。CVTとエンジンのマッチングである。とくにCVTの特性はまだ煮詰める必要があるだろう。初期のレスポンスが鈍く、エンジンの回転だけが上がるような感覚を覚える。実際、シグナル スタートでは、出足がややもたついた感じで、エンジンがある回転数を超えたところからいきなり加速を始めるような感覚がある。もう少しエンジンとの連携がうまくとれれば、文句の付けようのないクルマとなるだろう。

欧州車テイストを手軽に味わえるという点でも、キザシの存在は貴重だ。しかもFF、AWDともフル装備で300万円以下というプライスも魅力だ。残念なのは受注生産ということで、どこのスズキ ディーラーにも試乗車があるわけではないということ。もし見かけたら、ぜひ乗ってみることをオススメする。

■キザシ 主要諸元
●全長×全幅×全高:4650×1820×1480mm
●ホイールベース:2700mm
●車両重量:1490kg
●エンジン種類:直4DOHC
●排気量:2393cc
●最高出力:138kW<188ps>/6500rpm
●最大トルク:230Nm<23.5kgm>/4000rpm
●トランスミッション:CVT(6速マニュアルモード付き)
●駆動方式:横置きFF
●10・15モード燃費:12.6km/L
●タイヤ:235/45R18
●当時の車両価格<税込み>:278万7750円

[ アルバム : スズキ キザシ はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

記録に特化したベーシックタイプのバイク専用ドラレコ「Mio MiVue M802WD」がデイトナから6月下旬発売!
記録に特化したベーシックタイプのバイク専用ドラレコ「Mio MiVue M802WD」がデイトナから6月下旬発売!
バイクブロス
ホンダが新型「軽バン」発表! 充電一回で「245km」走れる「すごい電気自動車」10月発売! 普及に向けて「新会社」も設立へ!
ホンダが新型「軽バン」発表! 充電一回で「245km」走れる「すごい電気自動車」10月発売! 普及に向けて「新会社」も設立へ!
くるまのニュース
F1カナダGPでの進歩を喜ぶも「勝てたかもしれないという気持ちを忘れることはできない」とメルセデスのTDアリソン
F1カナダGPでの進歩を喜ぶも「勝てたかもしれないという気持ちを忘れることはできない」とメルセデスのTDアリソン
AUTOSPORT web
メルセデスベンツの6輪軍用トラックにセルフシールドタンク&保護キャブ仕様…防衛・安全保障展示会
メルセデスベンツの6輪軍用トラックにセルフシールドタンク&保護キャブ仕様…防衛・安全保障展示会
レスポンス
トヨタ8号車、不運にも泣きル・マンを5位で終える。悔しさを抑えきれないドライバーたち「終盤のアクシデントがなかったら勝てていた」
トヨタ8号車、不運にも泣きル・マンを5位で終える。悔しさを抑えきれないドライバーたち「終盤のアクシデントがなかったら勝てていた」
motorsport.com 日本版
最大400kWの急速充電! インゴルシュタットの新しいポルシェ充電ラウンジ
最大400kWの急速充電! インゴルシュタットの新しいポルシェ充電ラウンジ
LE VOLANT CARSMEET WEB
イオンモール香椎浜に「#ワークマン女子かしいいーなてらす店」が6/20オープン!
イオンモール香椎浜に「#ワークマン女子かしいいーなてらす店」が6/20オープン!
バイクブロス
【アプリリア】愛車を無料点検!「アプリリア クイックチェックキャンペーン 2024」を全国の正規ディーラーで8/25まで実施中
【アプリリア】愛車を無料点検!「アプリリア クイックチェックキャンペーン 2024」を全国の正規ディーラーで8/25まで実施中
バイクブロス
12年ぶり復活! 日産“新型”「軽トラ」発表! 安全性能&ボディ強化の「クリッパートラック」に販売店でも反響集まる
12年ぶり復活! 日産“新型”「軽トラ」発表! 安全性能&ボディ強化の「クリッパートラック」に販売店でも反響集まる
くるまのニュース
4年ぶりに訪れたレトロ自販機店舗『オートパーラーシオヤ』の今
4年ぶりに訪れたレトロ自販機店舗『オートパーラーシオヤ』の今
バイクのニュース
フェラーリが2025年F1タイヤテストを実施。ムジェロでルクレール&サインツが2024年型SF-24で走行
フェラーリが2025年F1タイヤテストを実施。ムジェロでルクレール&サインツが2024年型SF-24で走行
AUTOSPORT web
 「もしドアが開かない時はお尻でクラクションを」備えておきたい+試しておきたいクルマの機能
 「もしドアが開かない時はお尻でクラクションを」備えておきたい+試しておきたいクルマの機能
ベストカーWeb
下駄やハイヒールは論外として土禁車の「靴下運転」も不適切! 元教習所教官が語る「本当の」運転に適した服装とは
下駄やハイヒールは論外として土禁車の「靴下運転」も不適切! 元教習所教官が語る「本当の」運転に適した服装とは
WEB CARTOP
メルセデスAMG『SL』新型に特別なゴールドまとう世界100台の限定車
メルセデスAMG『SL』新型に特別なゴールドまとう世界100台の限定車
レスポンス
’80年代のパンダをインスパイア! 「グランデ パンダ」、フィアットの新たなグローバルプレーヤー
’80年代のパンダをインスパイア! 「グランデ パンダ」、フィアットの新たなグローバルプレーヤー
LE VOLANT CARSMEET WEB
いすゞが「新型7人乗りSUV」初公開! めちゃ「スポーティグリル」×精悍ブラック顔「RS」設定! 新型「MU-X」タイ発表に大反響
いすゞが「新型7人乗りSUV」初公開! めちゃ「スポーティグリル」×精悍ブラック顔「RS」設定! 新型「MU-X」タイ発表に大反響
くるまのニュース
安全運転で楽しいバイクライフを!ドライバーの「死角」ってどこ?
安全運転で楽しいバイクライフを!ドライバーの「死角」ってどこ?
バイクのニュース
「Gクラス」から乗り換えた「ディフェンダー110」は英国で見つけて並行輸入。オーナー曰く「Gクラスとは真逆のクルマですね」
「Gクラス」から乗り換えた「ディフェンダー110」は英国で見つけて並行輸入。オーナー曰く「Gクラスとは真逆のクルマですね」
Auto Messe Web

みんなのコメント

4件
  • フォグランプ無しの警察車両のイメージしか無い。
  • 塊感のあるデザイン、渋い内外装とか、近年最も好感持ってたセダンのひとつ。

    販売は大失敗、事実上はキザシ=警察車両になってしまったのは残念。

    地方だと、スズキ=安い軽自動車屋のイメージで、数百万円のセダンが掲げるブランドではないって、よく聞いた。
    あと、アメリカでは「Kizashi」って、売れる売れない以前に、そもそもどう発音するのかわからない、発音出来ないってネームだったらしい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

286.7308.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.8179.9万円

中古車を検索
キザシの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

286.7308.3万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

39.8179.9万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村