かつてプラモデルと言えば、自動車、船、飛行機が三種の神器的な存在感を示していたものだが、今ではその様相は様変わりしている。5月8日から12日まで開催された「第62回 静岡ホビーショー」でプラモデルを中心とした会場を覗いてみても、勢いのあるのはガンプラやフィギュアのブースで、かつての三種の神器はどうも旗色が悪い。
そんなプラモデルを自社で作り、販売しているのはタミヤ模型を筆頭に長谷川模型の株式会社ハセガワ、青島文化教材社、童友社などで、これに加えて海外のプラモデルを輸入する有限会社プラッツなどが自動車のプラモデルを扱っているが、どうしても素材を古いものに求める傾向があることと、特に輸入品の場合、やはり円安が大きく災いして価格がかなり高めになってしまう。もっとも製作に金型が必要なプラモデルはどうしても開発経費が掛かるので、新規のモデルをかつてのように頻繁に出せる状況にはないようだ。
円安、コスト上昇の影響はミニカーの世界にも 注目は「レジン」…第62回 静岡ホビーショー
◆1分の1「GT-R」も、老舗のプラモデルがズラリ
そんな中、2024年に創業100周年を迎える老舗、アオシマ文化教材社が扱うスナップキットシリーズは初心者でも組み立てが簡単ですぐに作れるうえ、32分の1というサイズから価格的にも安価に仕上がっていて且つバリエーションが豊富で勢いを感じた。
もちろん他にも昨年実車を展示して話題となった『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンが、映画のモデルだけでなく今年はノーマルのモデルが展示されていたのが注目である。因みに今年もアオシマには1分の1が展示されていて、それは『スカイライン』(KPGC10)の「GT-R」であった。
世界に冠たるタミヤからは『フェアレディ240Z』(S30)のストリートカスタム仕様が8月に発売される予定である。他に展示されていたアルファロメオ『ジュリア』などは従来の金型を使い、デカールなどが新しくされたものだという。新規は難しいのか。
クルマのプラモデルを数多く出している長谷川模型からは、シングルヘッドライト化された前期型のいすゞ『ベレット1600GT』が新たに登場した。発売は7月3日予定。ボディ自体は以前の金型を使い、新たにフロントグリルやリアコンビライト部分のパーツを一新している。
このほか現在発売されているモデルをズラリと展示して、自動車に力を入れているディスプレイがクルマ好きには嬉しい。それに24分の1サイズながら価格がこなれている点もあり難い限りである。
◆昭和の名車にラリーカー、巨大デルタも
童友社は、プラモデル全盛期以降に廃業倒産したメーカーの金型を保有していることで知られ、昭和の名車シリーズとして発売している一連の商品も、かつては他のメーカーが出していてメーカーが消滅した折に買い取った金型で復刻している懐かしい製品である。
輸入品を専門に扱う有限会社プラッツは、アメリカのAMT、サルビノス、フランスのエレール、ベルギーのベルキット、マカオのビーマックスと新し目のスポーツモデルを扱うNuNu、そしてイタリアのイタレリ、それに2000年に誕生した新興メーカーのDモデルキッツなどを扱う。
目を引いたのはサルビノスの最新のインディカーや一連のエレール製品、ベルキットのオペル『アスコナ』、NuNuのポルシェ『911SC/RS』、それにDモデルキッツのフォード『シエラ コスワース』など。サルビノスとエレールを除けばいずれのメーカーもラリー車がお得意のようである。そういえばイタレリからも12分の1と巨大なランチア『デルタHFインテグラーレ』が7月に発売予定であった。
モノを作るという文化が徐々に衰退しているのは寂しい限りだが、何とかプラモデルという文化が持続して欲しいものである。
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みんなのコメント
窓枠やグリルの塗装が必須
ミリタリーものは迷彩塗装が必須。
肌色のプラスチックを薄く流して
その裏に赤いプラスチックを流し込んで
頬の赤みを出してるフィギュアとか見たらすごいなと思う。
それでも、いろいろ学べることがあり、完成させる楽しみがあるのが模型製作です。