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V60を60mmリフトアップ ボルボV60 クロスカントリーへ試乗 SUVに負けない魅力

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V60を60mmリフトアップ ボルボV60 クロスカントリーへ試乗 SUVに負けない魅力

ステーションワゴンで最も美しい1台

悲しいことに、頼りがいのあるステーションワゴンの数は減少傾向にある。同等以上の車内空間と荷室を備え、ガタイの良い見た目のSUVを選ぶ人が急増しているためだ。

【画像】ステーションワゴンをリフトアップ ボルボV60 クロスカントリー 競合モデルと比較 全123枚

ステーションワゴンで定評を築いてきた、スウェーデンのボルボでも同様。直近の4年間に、同社は14万9200台のSUVを英国で販売しているが、ステーションワゴンは2万2800台に留まっている。2022年だけを見ると、たった2700台しか売れていない。

販売数の割合へ応じるように、パワートレインの選択肢もSUVの方が多い。同社初の量産バッテリーEVも、コンパクトSUVのXC40からリリースが始まっている。

このSUVに、今回試乗したV60 クロスカントリーは含まれていない。こんな魅力的なモデルがあるのに、と筆者は疑問を抱いてしまう。

適度にボディが持ち上げられ、オーバーフェンダーをまとったV60 クロスカントリーは、現在販売されているステーションワゴンで最も美しいと思う。AUTOCARの同僚も、いま最も見栄えのするボルボだと評価している。

SUVと同じく、目的地を選ばず、アウトドアとの距離が近いライフスタイルを求める人をターゲットにしている。しかし全高が低めで、ドライビングポジションは好ましい。このクルマの魅力へ、多くの人が気付いて欲しいところだ。

V60を60mmリフトアップ XC60より広い荷室

簡単にいうなら、ステーションワゴンのV60の最低地上高を60mm持ち上げたモデルではある。シャシーは基本的に共通しており、サスペンションは前後ともにダブルウイッシュボーンを採用する。

ただしこちらは、前輪駆動ではなく四輪駆動が標準。通常のV60とは異なるターゲット層を前提に、適度にオフロード能力が高められている。控えめに追加されたブラックの樹脂モールが、それを静かに主張する。

V60 クロスカントリーではサスペンションへ調整を受けており、英国の傷んだ路面の衝撃をより巧みに吸収してくれる。ツギハギの多い区間でも、乗り心地は極めて優秀。遠くの目的地まで、快適に移動できる。

長距離移動へ備えるように、荷室容量は519Lと大きい。同クラスのSUV、XC60と比べて36Lのアドバンテージがある。家族とのキャンプ道具はもちろん、リアシートを折りたためば2台のマウンテンバイクを積むこともできる。

リアシート側の空間も広く、身長が180cmを超える大人2名が快適に過ごせる。エアコンを独立して効かせることができ、シートヒーターもフロントシートと同様に備わる。

ダッシュボード中央には、縦に長いタッチモニターが据えられる。グーグルが開発を主導したというインフォテインメント・システムは、操作性が良好。特にナビの使い勝手はクラス最高水準といえるだろう。

長距離移動を前提とした快適性と実用性

試乗車だったアルティメット・グレードの場合は、ソフトな肌触りのレザーシートが標準装備。座り心地も良く、フロントシートは調整域も広い。

シートと同じ風合いのレザーは、内装パネルにも惜しみなく用いられる。随所に散りばめられたメタリックなトリムが、プレミアム感を醸し出す。

ドライビング体験も褒められる。低めの視点としっくり来る運転姿勢で、全高の嵩むSUVにはない訴求力を備えている。

ただし、ボディサイズは少々大きめ。全長は4784mm、全幅が1893mmあり、都市部の入り組んだ道では少々扱いにくく感じるかもしれない。全長は、4708mmのXC60より約80mmも長い。

また、電動パワーステアリングの感触は蛋白。フロントにコイルスプリング、リアにコンポジット素材のリーフスプリングを採用したサスペンションはソフト傾向で、クルマとの一体感が高いわけではない。

日常的な速度域では快適に動できるが、郊外のカーブが続く道で、ドライバーのやる気を引き出すタイプではないだろう。BMW 5シリーズのように。

V60 クロスカントリーが目指すところは、そんな走りではない。長距離移動を前提とした、快適性と実用性に重きが置かれている。

1886kgのボディを悠々と進める250ps

2.0L 4気筒ガソリンターボは、250psを発生。トランスミッションは8速オートマティックが組まれる。マイルド・ハイブリッドで、1800rpmから35.6kg-mの最大トルクを発揮する。高速道路では悠々と1886kgのボディを進め、変速も殆ど目立たない。

0-100km/h加速を6.9秒でこなし、郊外の道や交差点でのダッシュ力に不満は感じないはず。8速ATは、頻繁にキックダウンしようとする癖があるようだ。

V60 クロスカントリーは、ドライビングを心から楽しめるステーションワゴンではないが、スタイリッシュで、安楽に家族や友人とともに目的地を目指せる。しかもボルボは、運転支援システムなどの安全性にも力を入れている。

英国価格は4万8440ポンド(約779万円)から。試乗車のアルティメット・グレードでは5万3960ポンド(約868万円)となり、同クラスのメルセデス・ベンツGLCやアウディQ5と良い勝負といえる。

多くのユーザーは、車高の高いSUVを選ぶだろう。しかし実際に運転すれば、沢山の魅力へ気が付ける。キャンプ道具やレジャー・アイテムを満載して、海岸や山岳を目指したくなるに違いない。

ボルボV60 クロスカントリー・アルティメットB5 AWD(英国仕様)のスペック

英国価格:5万3960ポンド(約868万円)
全長:4784mm
全幅:1850mm
全高:1504mm
最高速度:228km/h
0-100km/h加速:6.9秒
燃費:12.6km/L
CO2排出量:168g/km
車両重量:1886kg
パワートレイン:直列4気筒1969ccターボチャージャー+ISG
使用燃料:ガソリン
最高出力:250ps/5400rpm(システム総合)
最大トルク:35.6kg-m/1800-4800rpm(システム総合)
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

9件
  • クロスカントリーはある意味アウトドアに使う理想的な車だと思う。
    高速安定性も極めて優秀だし荷物もたっぷり載せられる。
    ただし、日本で使うにはやや大柄なのが残念な部分。
    サイズ的にはV40クロスカントリーくらいがベスト。
    是非現在の技術で復活させてもらいたい。
  • 乗り心地を求める車なんだからホイールは16インチくらいでいいんだよ
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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