日産 フェアレディZ 「古さは気になるが、フェアレディZにしかない魅力も多いスポーツカー」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

古さは気になるが、フェアレディZにしかない魅力も多いスポーツカー

2021.5.27

年式

2008年12月〜モデル

総評

気になる点は次期モデルでほとんどが改善され、次期モデルはカーボンニュートラルの時代まで楽しめるスポーツカーとなるだろう。しかし大排気量NAエンジンの搭載など、現行フェアレディZだけの魅力も多いので、好きでたまらない人は早めに自分のものにすることを勧める。

満足している点

スポーツカーは趣味のクルマなので、フェアレディZが全体的に古典的なモデルというところは好きな人にはたまらない魅力に感じるだろう。また長年造られているクルマの割には路上であまり見ないので、特に派手なボディカラーだと目立つという点も見逃せない。

不満な点

Good点との矛盾を承知で書くと、スポーツカーらしいとは言いにくいエンジンや自動ブレーキや運転支援システムがまったく装備されない点など、全体的にとにかく古さが目立ち、好きでたまらないという人にしか勧められないのも事実だ。

デザイン

4

ロングノーズショートデッキという古典的なスポーツカーらしさを持つのに加え、リアフェンダーの張り出しなども実に美しく、｢好きな人はたまらなく好き｣というスポーツカーに求めたい個性を備えたデザインとなっている。

走行性能

4

デザイン同様にトルク感溢れるワイルドな3.7リッターV6エンジンや広いトレッドと太いタイヤにより高められた感じの強いコーナリング性能など、走行性能も古典的なスポーツカーという印象だが、それもZらしさともいえる。

乗り心地

3

2シーターなので前席の乗員2人と後輪の距離が近いこともあり、後輪の動きがダイレクトに感じられる分乗り心地はハードで快適とは言えない。洗練されたスポーツカーが多い昨今ではこれもスポーツカーらしい個性ともいえる。

積載性

1

ラゲッジスペースは2人で旅行に行く際の荷物は十分詰めるなど、意外に広く実用的だ。またシート後方には大きな収納スペースがあるなど、日常使う際の使い勝手も十分配慮されており、人が2人しか乗れない点以外は不便を感じることは少ないだろう。

燃費

2

総合的な実用燃費は7km/L台と現行車としては極悪レベルなのは否めない。3リッターV6ツインターボとなる次期モデルでは大幅に改善されるだろう。なお実用燃費はAT、MTの差はほとんどなく、大人しい高速巡航ならリッター10km/Lを超えることも珍しくない。

価格

3

価格帯は約400万円から600万円台中盤と広い。ベーシックグレード以外の価格は安くないが、約400万円のベーシックグレードは3.7リッターという排気量やフェアレディZという格を考えると、なかなかリーズナブルといえる。