メルセデス・ベンツ Gクラス (ハッチバック) 「2018年の大幅改良ではオンロード性能が向上」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
4
走行性能
3
乗り心地
4
積載性
3
燃費
2
価格
2

2018年の大幅改良ではオンロード性能が向上

2022.7.21

年式
2018年6月〜モデル
総評
ステアリング形式、フロントサスペンションの大幅改良によって、満足できる走行シーンが増えたGクラス。衝突被害軽減ブレーキをはじめとした先進安全技術の集合体であるプレセーフの数々もこのモデルから搭載された。とはいえ電子プラットフォームは最新のメルセデス・ベンツからすれば2世代前のもの。やはりGクラスはオフロード性能に特化したモデルとして乗ると所有満足度が高まる。
満足している点
オフロードの性能に特化したGクラスだから、路面環境が悪化すればするほどその真価を発揮する。以前、メルセデス・ベンツの開発チームがコース監修を行った本格的なオフロードコースを走らせたことがあるが、3つのデフロック機能を適切に使うことで、歩くこともままならない路面であってもしずしずと走らせることができた。加えて2018年の大幅改良モデル以降はオンロードもイケる。
不満な点
2018年の改良モデル以降は、オンロードでの性能が特化したこともあり、これまでGクラスに手を伸ばさなかったユーザーが新たに加わり、これが現状の車両不足状態に拍車をかけてしまった。良いものを作れば売れるという正しい循環が、需要の急激な増加によってバランスが崩れた。ここが惜しい。中古車の市場価格も大幅に高騰し、いろんな意味で入手しづらいモデルになってしまった。
デザイン

4

Gクラスは、1979年の登場から数えて39年目となる2018年に大幅改良を受けた。日本市場でのベースグレード「G 350 d」は全長4660mm×全幅1930mm×全高1975mm、ホイールベースは2890mmだ。デビュー当初から続く力強いボクシーなスタイルはそのままに、ヘッドライトにはマルチビームLEDを採用しつつ、各部の意匠を洗練されたものへとグレードアップさせた。
走行性能

3

試乗したG350dは直列6気筒3.0Lディーゼルターボ「OM656」型エンジンを搭載する。最高出力286PS/3400〜4600rpm、最大トルク61.2kgfm/1200〜3200rpmを発生し、トランスミッション9速ATの「9G-TRONIC」を採用した。試乗したモデルの車両重量は2500kgだったが、カタログ上の0-100km/h加速は7.4秒と俊敏だ。
乗り心地

4

2018年の大幅変更ではオンロード性能が劇的に向上した。もっとも大きな違いは、ステアリング形式がこれまでのボール&ナット方式から一般的なラック&ピニオン方式に変更になったこと。これにサス特性の変更が加わりオンロードでの直進安定性とライントレース性が高まった。ステアリングギヤ比もオンロードに適した値へと調整された。オンロード/オフロードともに車体の対角ロール量が抑えられ安心感が高まった。
積載性

3

ボディ外寸からすればラゲッジルームは狭めだ。しかし、フロアはフラットで両サイドにしても垂直に切り立っているのでスーツケースの類いは積みやすい。また、6:4分割可倒式の後席を倒せば長尺物が積載できるが、前倒しした後席は段差がつく。これにもともとラゲッジルームフロアの前端部にも段差がつくので、結果、高さの異なるフロアで連結されることになる。
燃費

2

直列6気筒3.0Lディーゼルターボに2500kgの車両重量。加えて前面投影面積と空気抵抗係数の大きなボディの組み合わせなので、正直なところ良くはない。高速道路をゆっくり走らせて、ようやくカタログ値(WLTCーH)に近い11km/L台に届くかどうか。市街地ではストップ&ゴーが頻発すると6km/L台まで低下する。
価格

2

試乗したG350dの車両価格は試乗当時の2019年10月時点で1192万円だった。現在は残念ながら世界的な部品供給不足により日本市場では新車での正規購入が難しいが、実はコロナ禍以前より、世界中から受注が増えていたため納車まで数年待ちの状態が続いていた。二重の遅延条件から、新車での購入は非常に長い待ち時間が必要だ。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
メルセデス・ベンツ Gクラス (ハッチバック) 新型・現行モデル

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