マクラーレン MP4-12C 「スーパースポーツに一石を投じた車」のユーザーレビュー

スーパースポーツに一石を投じた車

2022.3.11

総評

マクラーレンが世に送り出した最初の量産車。
マクラーレンの思想が色濃く反映された一台であり、スーパースポーツのジャンルに一石を投じた車。
レーシングカー好きであれば、一度は乗ってみたい車です。

満足している点

記念すべきマクラーレン量産シリーズの第一号車。
コンセプトやコンポーネントがレーシングカーコンストラクターならではの思想がレース好きにはハマリます。
総生産台数は3500台で終了しており、後継の650Sからデザイン路線が変わったので、MP4-12Cは唯一無二のモデルになりました。
オーソドックスなデザインはマクラーレンのラインナップの中でも一番好きです。
また、スーパーシリーズ以上に与えられた可動式のリヤスポイラー(スピードブレーキ)は、メカ好きにはたまらないギミックです。
乗り心地も動力性能からすると信じられないくらい良いです。
クーペモデルなので、リヤハッチからエンジンが見え、ハンパない搭載位置の低さが伺えるのもポイント。
ターボチャージャーは三菱重工製の可変ノズルタービンを採用し、心臓部に日本の技術が活きています。
ボディカラーのグラファイトグレイは、昔からガンメタの車が好きだったので気に入っています。

不満な点

720Sに比べると、シフトチェンジのレンポンスがイマイチなところ。
低回転域に感じるターボラグ(とは言っても十分な加速ですが(^^;)。
エンジンが狭い場所に収まっているので、周辺パーツのヒートダメージが心配。

デザイン

5

レーシングカーコンストラターであるマクラーレンの思想が色濃く反映されたデザイン。
ランボやフェラーリのような派手さはありませんが、逆に本物の凄みを感じます。
後に650Ｓ、720Ｓと続きますが、デザイン的にはオーソドックスで古典的な部分と新しさが共存するMP4-12Cが一番好きです。

走行性能

5

文句なし。車体剛性、パワー、安定性、ブレーキ、どれも一流です。
強いて言うなら、低回転域でのターボラグが若干気になるところ。と言ってもパワーは十分です。
ブレーキは、ストリートではカーボンブレーキよりもスチールブレーキのほうが扱いやすいです。(ちなみにカーボンブレーキはスチールに比べてサイズが大きくなっている分、重量も増えているため、結局、スチールと同じ重量だそうです。よって公道では扱いやすいスチールのほうがベターとのこと)
ターボチャージャーは三菱重工製の可変ノズルタービンが採用されており、心臓部で日本の技術が活きた過給音が響きます。

乗り心地

5

プロアクティブシャシーコントロールが生み出すライド感覚は格別です。
ソリッドなのにソフトな不思議な足です。
ロールやピッチ変化が非常に少なく路面に張り付くように駆け抜けます。

積載性

5

クーペモデルでは、座席後方にスペースがあり、ちょっとした手荷物を置くのに重宝します。
また、フロントのラゲッジスペースも、日帰りの遠出なら十分な容量です。

燃費

5

この手の車としては、燃費は良いです。
ただ、燃費を気にして走る車ではありません。

価格

5

新車+オプション価格を考えると、現在の中古市場の価格は、間違いなくスーパーバーゲンプライスです。
また、マクラーレンは、全車オーダーメイドですので、中古車はまさに一期一会。
そして国内には110台あまりしか存在しません。
もし購入資金があり、気に入った色/仕様/オプションの車が出てきたら迷わず買いましょう。次は無いです。

故障経験