レクサス RC F 「5L V8の突き抜ける咆哮を聴け!」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

山田 弘樹
山田 弘樹(著者の記事一覧
自動車ジャーナリスト
評価

3

デザイン
4
走行性能
1
乗り心地
3
積載性
2
燃費
1
価格
2

5L V8の突き抜ける咆哮を聴け!

2021.9.27

年式
2014年10月〜モデル
総評
世界に誇れる官能的なV8エンジンを搭載した元祖レクサスのスポーツクーペ。アメリカンなのかヨーロピアンなのかそのテイストがはっきりしないところは悩ましいが、日本の使用環境やターゲットユーザー層にはドンピシャで、とても乗りやすいスーパースポーツに仕上がっているとも言える。
満足している点
頑固に自然吸気を貫いたおかかげで、もはや天然記念物くらい貴重な存在となった5.8L V8エンジン。実用域では驚くほど普通に回り、4000rpmを過ぎると、つんざくようなハイトーンで己を主張する。
不満な点
マイナーチェンジでかなり改善されたが、基本的にはフロントヘビーなため、一流のスポーツカーレベルで見るとコーナリングパフォーマンスはやや低い。制御も含めて、現在のトヨタクオリティにあるLC500が一枚上手だ。
デザイン

4

ロングノーズショートデッキの伝統的なV8 FRスタイルに、パッキパキの面構成を与えたアグレッシヴさが売り。好き嫌いがはっきりと分かれるデザインだろう。
走行性能

1

サーキットレベルのコーナリングパフォーマンスを求めるなら’19年以降のマイナーチェンジモデルを狙うべし。アンダーステアが軽減され、曲がることも楽しめる一台に仕上がっている。
乗り心地

3

可変ダンピング機構のないモデルはそれなりに引き締まった乗り心地。とはいえボディ剛性も高いため、突き上げや段差落ちで不快な印象を抱くレベルではなく、むしろ安心感やしっかり感と捉えられるだろう。
積載性

2

トランク容量は366L。BMW M4よりもやや狭いうえにシートは倒れず、長尺物の積載はトランクスルーを使う。
燃費

1

自然吸気エンジンながらWLTCモード燃費は8.5km/Lとそれほど良くない。
価格

2

珠玉のV8エンジンを搭載するスポーツカーとして、ベースモデルの1052万円という価格は妥当。またカーボンパッケージの+80万円も許容できる。パフォーマンスパッケージを投入してまで走りの質感を高めたいとなると、多くの選択肢が他にも見えてくるように思える。
山田 弘樹
山田 弘樹
自動車ジャーナリスト
自動車雑誌「Tipo」の副編集長を経てフリーランスに。編集部在籍時代に参戦した「VW GTi CUP」からレース活動も始め、ワンメイクレースやスーパー耐久に参戦。この経験を活かし現在執筆活動中。愛車は86年式のAE86と95年式の911カレラ。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員A.J.A.J.(日本自動車ジャーナリスト協会)会員
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