レクサス ESハイブリッド 「セオリー通りのフォーマルなビッグFFセダン」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

西村 直人
西村 直人(著者の記事一覧
交通コメンテーター
評価

4

デザイン
3
走行性能
3
乗り心地
4
積載性
4
燃費
5
価格
3

セオリー通りのフォーマルなビッグFFセダン

2022.6.24

年式
2018年10月〜モデル
総評
レクサスのセダンがどのように進化していくのか興味津々だ。デジタルアウターミラーに代表されるデジタルデバイスをふんだんに採り入れる姿勢には頭が下がるが、残念ながら販売の現場ではその機能を十分に説明しきれていないようだ。せっかくの技術も正しい使い方を広めなければ周知されない。クルマの基本であるセダンを大切にする姿勢同様、技術も同じく大切に育てて頂きたい。
満足している点
フォーマルなセダンが次々に国内市場から姿を消していくなかで、LS、ES、そしてISを取り揃えているレクサスは貴重な存在だ。中核のESは日本市場がメインターゲットではないにも関わらず、日本の道路環境に合致するように走行性能をはじめ、各部に専用チューニングを施している。賛否あるが筆者はLSを思わせる流麗なスタイリングもESの評価ポイントだと考える。
不満な点
運転操作の上でボディの大きさはいずれ慣れるが、狭い日本の駐車環境ではどうしても扱いにくさが顔を出す。なかでも最小回転半径が5.9m(ベースグレードは17インチで5.8m)と大きく、さらにフロントオーバーハングが長いことから、狭い場所では気をつかう。それと、タイトカーブが連続する山道で走行ペースを上げると前輪外側の荷重が抜けやす場面がある。これが惜しい。
デザイン

3

5m近い全長と全幅1865㎜×全高1445㎜の体躯。長く、ワイドで少し背が低いが3ボックスセダンのセオリーを守った。時期をほぼ同じくするトヨタ「カムリ」にも使われるプラットフォームをベースにESではボディとホイールベース延長。伸びやかなルーフと切れ長の灯火類はフラッグシップ「LS」にも似た優雅なものだ。室内はパーソナルカー的にドライバーズ側にオフセットしたデザインを採用する。
走行性能

3

直列4気筒2.5l ハイブリッドシステム(THS-Ⅱ)を搭載。駆動方式はFFのみ。このユニットはカムリとも同一だ。1700kg台の重量ながら120PSの電動モーターによりシステム出力211PSを得る。市街地から山道、高速道路を長距離を試乗したが、レクサスならではの高い静粛性と十分な動力性能を実感した。ロングホイールベースでタイトな山道は苦手ながら実用性は高い。
乗り心地

4

ここがES最大の特徴だ。路面が荒れていようともスムースでフラットな乗り味を示す。スウィングバルブショックアブソーバーを採用したことで、運転に必要な路面の情報はしっかりステアリングに伝えながら、身体が揺さぶられる周期の振動をカットする。スポーツモデルのF SPORTには19インチタイヤと専用設定のサスペンションと、リニアソレノイド式AVS(電制可変ダンパー)を採用。
積載性

4

トランクルームは容量、奥行きともに十分なもの。セダンのハイブリッドモデルでは2次バッテリーの搭載によってトランクルームが狭くなる傾向にあるが、ESでは後席下に搭載することで影響を及ぼさない。一般的な9.5インチのゴルフバッグを4つ搭載しつつ、小さなバッグ類も積み込める。最上位グレードにはボディ下への足の出し入れでリッドを自動開閉できるパワー機構を備える。
燃費

5

セダンで全高が低いことからワイドボディでも前面投影面積が少ない。よって空気抵抗が燃費悪化を招く高速道路モードでの燃費数値が非常に良い。WLTC値の高速道路モードは25.1㎞/l。筆者は200㎞程度、高速道路を走らせたがACCを使った巡航では終始25㎞/lを上回っていた。WLTC値全般でも22.3㎞/lだから、やはりこの重量級ボディにしては抜群に良い。
価格

3

ベースモデルが5,990,000円、スポーツモデルで19インチ×専用サスのF SPORTが6,510,000円、最上位グレードのversion Lが7,150,000円。この3タイプ。ベースモデルでも十分な装備だ。量産型セダンでは世界初の採用となったカメラ式のアウターミラー「デジタルアウターミラー」はベースグレード以外にオプション装備として用意される。
西村 直人
西村 直人
交通コメンテーター
WRカーやF1、MotoGPマシンのサーキット走行をこなし、4&2輪のアマチュアレースにも参戦。物流や環境に関する取材を多数。大型商用車の開発業務も担当。国土交通省「スマートウェイ検討委員会」、警察庁「UTMS懇談会」に出席。自動運転技術の研修会(公的/教育/民間)における講師を継続。警視庁の安全運転管理者法定講習における講師。近著は「2020年、人工知能は車を運転するのか」(インプレス刊)。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員日本自動車ジャーナリスト協会会員
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