ホンダ フィットハイブリッド 「ガソリン車より35〜40万円ほどお高め」の専門家レビュー ※掲載内容は執筆日時点の情報です。

ガソリン車より35〜40万円ほどお高め

2024.1.29

年式

2020年2月〜モデル

総評

2モーターハイブリッドシステムを採用するe:HEVのラインアップにより、ハイブリッド比率を高めているフィット。たしかに経済性ではガソリン車を大きくリードするものの、リーズナブルなガソリン車の需要もまだまだ多い。フィットはe:HEVとガソリン車のラインアップが共通でガソリン車のほうが35〜40万円ほど安く、なかでもRSは軽快なフットワークが楽しめる仕上がりを見せている。

満足している点

ロードセーリングなるRSはガソリン車にも設定された。e:HEVでもスポーティな走りが確かめられたが、車両重量が110kg軽いガソリンエンジン搭載のRSは一段と軽快な印象があり、ステアリングの操舵フィールにもスポーティな感触が確かめられる。室内空間も広く、ファミリーユースとして使うことも可能だ。

不満な点

スポーティに走らせると高回転域でのエンジンノイズが大きめ。RSの内装はスポーティかつ落ち着きのある仕上がりを見せるが、メーターにもそれなりの演出があってもいい。6速MTも欲しいところだが、CVTにはパドルシフトを採用してもらいたい。

デザイン

3

マイナーチェンジを受けたモデルはフロントマスクやノーズ形状が見直され、全体的にスッキリとした表情になった。RSは専用デザインのフロントグリル、フロントバンパーが備わり、ヘッドランプ内のリングやドアミラーをブラックにすることで精かんな仕上がりを見せている。インテリアについてもステアリングなどに採用されるイエローのステッチがちょっとしたアクセントになっているのだ。

走行性能

4

ガソリン車は22年10月のマイナーチェンジで排気量を1.3リットルから1.5リットルに拡大し、それによりパワーで20馬力、トルクでは24Nmの出力アップを実現している。ガソリン車RSは車両重量が1100kgと軽く、とくにワインディングでは軽快なフットワークが印象的。動力性能は必要にして十分で、実用域での力強さに不満はない。

乗り心地

4

RSには専用の足まわりが採用されている。「リュクス」と比べると硬質な印象を受けるが、段差を乗り越えた際のいなしがうまく、ロールやピッチングが気にならないスッキリとした乗り味が印象的。それでいて乗り心地に不快さはなく、これを標準としてもいいのではと思ったほど。

積載性

5

リヤゲートは開口幅を広げてかさばる荷物を積みやすくした。初代から受け継がれているセンタータンクレイアウトのおかげで荷室空間はライバルを上まわる容量を確保。後席は6:4の分割可倒式を採用し、背面を倒すことで長い荷物の積み込みが可能。また、後席座面を跳ね上げることで観葉植物など高さのある荷物の積載もオーケーだ。

燃費

3

RSのWLTCモード燃費は17.9km/L。e:HEV（27.2km/L）には大差を付けられるものの、100km/h走行を基本とした高速クルーズでの燃費は20km/Lをオーバーする。数値は走り方によって変わるが、高速4割、一般道6割の合計250kmを計測した実燃費は17.9km/L。ハイト系の軽自動車と大差ないレベルだと言えよう。

価格

4

RSはガソリン車で200万円ほど。フィットシリーズの中でも走りにこだわり、デザインにもこだわった好感の持てるグレードだ。経済性にすぐれるe:HEV RSも魅力的なモデルだが、ガソリン車でも納得のいく経済性は期待出来る。同クラスにはヤリスもあるが、室内空間の広さとラゲッジルームの使い勝手のよさではフィットに太刀打ちすることは出来ない。