2022年2月、日本市場に再上陸した韓国の大手自動車メーカーであるヒョンデ。EV(電気自動車)のアイオニック5、FCEV(燃料電池車)のネッソというゼロエミッションビークルの2車種を日本に導入した。
今回は、日本でも販売が開始されたアイオニック5を韓国で試乗。日本仕様との違いはあるのか? 現地取材でわかったヒョンデの実力や韓国のEV事情とともにお届けする。
韓国車の真の実力は韓国で乗ると分か…る…?? アイオニック5試乗と戦略分析
文、写真/石川真禧照、ヒョンデ
■EVとFCEVに絞って日本市場に再参入したヒョンデの強みとは
アイオニック5とともに日本に導入されたFCEVのネッソ
ヒョンデが日本市場に再参入を表明したのは2022年2月。同時に日本導入のクルマも公開した。「アイオニック5」と「ネッソ」の2車種だった。
アイオニック5は100%電気のEV。ネッソは水素と酸素で電気を生成し、モーターで走行するFCEV。どちらも走行中に汚染物質を排出しないゼロエミッションビークルだった。ヒョンデの日本再参入まで、我々はいまのヒョンデを知らなかった。
2009年12月の日本の乗用車市場撤退後は、どのようなクルマを開発し、販売しているのかという情報は入手できなかった。ただ、日本撤退後のヒョンデは世界各国でビジネスを拡大し、自動車メーカーとしても2016年から17年にかけて、米国の初期品質調査でヒョンデのブランドのひとつであるキアとジェネシスがそれぞれ1、2位を獲得するほどになった。
今回のヒョンデ取材でわかったのは、ヒョンデグループは50社以上から構成されていること。その中には自動車生産の根幹である鉄板の原料となる鉄鉱石の採掘会社まである。もちろんEVに不可欠な電池生産も自社系列で行なっているのだ。
ここまで一環してクルマを生産できるグループとは知らなかった。とくにEVやFCEVに関しては、アドバンテージを持っている。
そのヒョンデが日本に再上陸しようとしたときに、EVやFCEVに目をつけたのは当然だった。ヒョンデのEVだが、2021年にはアイオニック5をはじめ、キアEV6、ジェネシスGV60を同時に発表している。
この3車は基本的なメカニズムは共通だがそれぞれ独自のボディを与えられている。
さらに、今回のモーターショーでも新型を発売し、バリエーションを増やしている。
■ヒョンデグループが7割近くを占める!! 韓国のEV事情
韓国の電気自動車の普及率だが、ヒョンデの資料によると、2022年現在の韓国内の車両登録台数は約2507万台。その中で電気自動車の割合は、25万8000台になっている。その普及率は約1.0%ということになる。
ちなみに日本の場合、2020年の統計だが、電気自動車の販売台数は1万5000台。乗用車全体の販売台数が約250万台だったので、約0.6%ということになる。しかし、このときのEVは、国産車では日産リーフが頑張っているものの、他社の追従はまだなかった。輸入車もアメリカのテスラは販売されていたが、プジョー/シトロエン/DSやメルセデス・ベンツ、BMW、アウディ、ポルシェも本格的な参入はなかった。
2022年はおそらく1%以上をEVが占めているはずだ。
話しを韓国に戻すと、2022年の6月までのEVの登録状況をブランド別に見ると、ヒョンデ44.2%、キア24.3%、テスラ13.8%になっている。ここでもヒョンデグループが70%近くを占めている。ヒョンデのEVの中心はアイオニック5。ソウルやプサンの街中ではアイオニック5のタクシーも走っている。
EVに対する購入補助金はソウル市の場合、乗用車は国費補助金700万ウォン+市費補助金200万ウォンなので合計900万ウォン(1ウォン=約0.1円)だ。ちなみに水素自動車は、国と市から合計3250万ウォンの補助がある。
■日本仕様との違いは? アイオニック5を韓国で試乗
個性的なデザインで日本でも注目を集めるアイオニック5に韓国で試乗
着実に販売実績を積み重ねているヒョンデのEVだが、日本でも販売が開始されたアイオニック5に、ソウルで試乗した。
日本仕様と大きく異なるのは右ハンドルではなく、左ハンドルということ。日本仕様の「ラウンジ」グレードに相当するモデル。
試乗は郊外のデザイナーズドライブインまで市街地、高速道路を使った約30kmのコース。2WD(後輪駆動)と4WDを乗り換えて往復する設定だ。
往路にハンドルを握ったのは2WD車。総電力量72.6kwhで最高出力217ps、最大トルク350Nm。リアモーター、リア駆動ということでフロントの荷重はやや軽め。そのためか操舵力もやや軽め、高速道路では直進性も強め。しかし、EVパワーは時間加速も鋭いし、回生による減速も強力。ウインカーを出すとメーター内に後方視界が撮し出されるのも日本仕様と同じで、セフティマージンは高く、運転しやすい。
室内のクオリティも、乗り心地も高級車感がある。そして、ティブレイクのあとは、4WDに試乗。こちらは総電力量72.6kwhは同じだが、日本仕様と同じなら最高出力は305ps、最大トルクは605Nmだ。
このときは計測できなかったが、日本で乗り比べたときは、0→100km/h加速は、2WDが7秒台であったのに対し、4WDは5秒台だった。
ハンドリングも4WDは全域でやや重め。どっしり感がある。乗り心地はやや硬めだった。後席の乗り心地は確かめられなかったが、日本仕様は硬く、ゴツゴツ感が気になったのだが……。
充電に関してだが、韓国ではヒョンデ用の800Vが全国26ケ所、110基設置されている。これだと80%充電は18分しかかからない。アイオニック5は、助手席だけでなく、運転席にもふくらはぎを下から支えてくれるオットマンが備わっているが、それは、給電中に運転者がリラックスできるように、というための装備なのだ。
アイオニック5は全高1645mmのステーションワゴンタイプのSUVだ。
ブサンモーターショーで世界初公開された、セダンタイプのEV「アイオニック6」
そして、22年7月にはアイオニック6が発表になった。こちらはセダンタイプの4ドアクーペ的なスタイリングのEVだ。
さらに2024年前半には本格派SUVとしてアイオニック7がデビューする予定だ。
ブサンモーターショーの会場にはアイオニックシリーズ以外の、ヒョンデグループのZEVが多く展示されていた。そのラインナップは日本メーカーはもとより、米、欧の自動車メーカーよりもバリエーションは揃っていた。そのクオリティも高かった。
今回はこうした日本に登場していないEVも試乗するはずだったが、テストコースが豪雨で試乗は中止になってしまった。アイオニック以外のヒョンデEVも近いうちに試乗レポートがお届けできれば、と思っている。
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みんなのコメント
いらんよ。
誰も試乗レポートなど必要としてないし
あぁ不思議不思議