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不景気だってとことん遊べる!! 安い! 楽しい! 使える! いま再評価すべき軽トラ4選

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不景気だってとことん遊べる!! 安い! 楽しい! 使える! いま再評価すべき軽トラ4選

 日本独自のカージャンルに「軽トラ」こと軽トラックがある。名称どおり軽自動車版のトラックである軽トラは、日本の各種産業を支える立役者として長年に渡って活躍してきた。

 しかし、実用性最優先で発展してきた軽トラを“遊ぶためのクルマ”という観点で考えると、意外なほど多くの魅力を持っていることがわかる。

不景気だってとことん遊べる!! 安い! 楽しい! 使える! いま再評価すべき軽トラ4選

今回は、遊びグルマとしての軽トラにスポットを当て、その歴史や魅力、代表的なモデルなどを見ていくことにしたい。

 残念ながら現在の日本国内はけして好景気とはいえない。そんないまだからこそ、車両価格が低めでランニングコストも抑えられる軽トラで遊び倒すのはいかがだろうか?

文/長谷川 敦、写真/スズキ、スバル、ダイハツ、トヨタ、ホンダ、FavCars.com

軽トラの歴史はあのクルマから始まった

1957年に発売されたダイハツ ミゼットが軽トラのルーツ。初代モデルは単座+バーハンドルという構成を持ち、バイクに屋根と荷台をつけたようなスタイルだった

 日本初の軽トラと呼べるモデルがダイハツのミゼットだ。1957年に販売が開始された初代ミゼットは、前1輪、後2輪という独特の構成を持った軽自動車であり、商用をメインに開発されたもの。

 それ以前にもミゼット同様のオート3輪と呼ばれるクルマは存在していたが、軽自動車規格で製作されたのはミゼットが最初であり、ここから軽トラという呼称も浸透していった。

 税制面でも有利だったミゼットは、オート3輪=ミゼットというイメージも出来上がってしまうほどのヒットモデルになり、改良を加えられながら1972年まで製造販売が行われた。

 ミゼットのヒットを皮切りに軽トラの快進撃が始まり、多くのメーカーから4輪の軽トラが登場。軽トラは日本の日常風景に欠かせないものとなった。

 そして1961年には現在の軽トラにつながるスバルのサンバーがデビュー。このクルマについては後ほど紹介する。

軽トラの魅力はどこにある?

軽トラの魅力であるキビキビとした走りは、ショートホイールベースからくる小さい回転半径にも支えられる。もちろん、実用面でも有効なのはいうまでもない

 今回は実用性をひとまず置いて遊びグルマとしての軽トラに注目しているが、やはり最大の魅力はキビキビと走ってくれることだろう。

 重量物を運ぶことを想定している車体は剛性が高く、余計なモノがないため軽量で、さらにエンジンはパワフル。オマケにショートホイールベースでグイグイ曲がってくる操縦性を指して、軽トラを「農道のスポーツカー」と呼ぶ人もいる。

 日本国内ではAT(オートマ)全盛の一般車に対し、まだまだMT(マニュアル)車が多いのも軽トラの魅力といえる。

 もちろん、一般的なクルマに比べてお買い得な車両価格も見のがせない。そして燃費に優れて維持費も安いとくれば、遊びグルマにもうってつけ。

 実際に軽トラを仕事ではなく日常用に利用しているユーザーも多く、そのほとんどが「運転していて楽しい」と感じている。

新車で買える!! 遊べる軽トラ4選

 ここからは現在新車で購入できる軽トラの注目モデルを紹介していこう。

●ダイハツ ハイゼットトラック
(新車価格:90万2000円~124万3000円)

ダイハツ ハイゼットトラック。現在では貴重になった自社生産の軽トラであり、他メーカーからも名称を変えて販売されている。写真は現行型の10代目だ

 現行モデルが通算10代目となる定番中の定番軽トラがダイハツ ハイゼットトラックだ。

 初代モデルの登場は1960年と古く、現行の軽トラでは最も長い歴史を持つのがハイゼット。英文字でのつづりは「HIJET」だが、先行していたミゼットとの関りからハイゼットと呼ばれている。

 レイアウトと駆動方式はFR(フロントエンジン・リアドライブ)で、これはスポーツ走行をするには少々不利。一般車ではスポーティなFR方式だが、エンジンをリアに搭載して良好な操縦性を発揮するモデルが存在していた軽トラでは、駆動輪にトラクションをかけにくいという難点にもなる。

 とはいえ総合点は高く、2014年登場の現行モデルは根強い人気を保っている。

●スズキ キャリイ
(新車価格:75万2400円~144万7600円)

現行型スズキ キャリイ。マツダ スクラムトラック、日産NT100クリッパー、三菱 ミニキャブトラックもこのクルマのOEMモデルであり、4兄弟の長兄といえる

 スバル サンバーから遅れること8カ月、1961年10月に販売が開始されたのがスズキのキャリイ。

 初代キャリイはトラックとバンタイプの2モデルが登場し、しばらくはこの2バージョンで展開されるが、1985年登場の8代目からはトラックのみとなり、キャリイバンはエブリイに車名が変わっている。

 現行のキャリイは11代目でデビューは2013年。先代まで2種類あったホイールベースがショートに統一され、乗降性も向上している。

 エンジンは車体中央に縦置き搭載。燃費も5速MT仕様で18.6km/Lと優れた数値を叩き出している。

 2014年には5速MTをベースにクラッチ&シフト操作を自動で行うAGS(オート・ギヤ・シフト)モデルも登場した。

●スバル サンバートラック
(新車価格:96万8000円~124万3000円)

スバル サンバートラック現行型。現在はダイハツ ハイゼットトラックをベースにしたOEM車両で販売されていて、スバル製造モデルは先々代で終了している

 1961年にデビューすると、その後は軽トラのイメージリーダー的な存在になり、多くのファンを獲得したスバル サンバートラック。

 現在も販売が続けられているサンバー トラックだが、実は自社設計モデルは2012年に生産終了した6代目までで、7代目、そして現在の8代目モデルはダイハツ ハイゼットトラックのOEMモデルである。

 人気モデルの事実上の生産終了はファンにとってさみしい限りだが、後述の理由もあってそれも仕方ないことといえる。

●トヨタ ピクシストラック
(新車価格:108万3500円~135万3000円)

トヨタ ピクシストラック。写真は2014年にモデルチェンジされた現行の2代目モデル。このシリーズは農業での利用をターゲットにしたラインナップを展開する

 トヨタが軽トラを販売しているというと意外に思う人も多いかもしれない。だが、ピクシストラックは立派な現行モデルであり、初代モデルの発売は2011年と、軽トラのなかではかなり新しい。

 実はこのピクシストラックもダイハツ ハイゼットトラックのOEMモデルで、初代は9代目ハイゼットトラック、現行の2代目は10代目ハイゼットトラックと事実上の同一車種になる。

 これは現在のダイハツ&スバルがトヨタのグループ(提携)企業であることが大きな理由だ。

中古でも欲しい! 軽トラ界永遠の人気者

 最後は生産が終了したいまでも人気を保つ軽トラを紹介したい。

●スバル サンバートラック(6代目)

2012年まで販売されていた6代目スバル サンバートラック。2011年にはサンバーシリーズ発売50周年を記念して特別色のWRブルーリミテッドが発売された

 1999~2012年に販売されていた“最後のスバル製軽トラ”が6代目サンバートラック。

 このモデル最大の特徴はエンジン搭載位置にある。一般的には車体前部にマウントされるエンジンを後輪よりも後ろに積むRR(リアエンジン・リアドライブ)レイアウトを採用し、さらには軽トラでは珍しい4輪独立サスペンションが装備されていた。

 この構成が生む走りのよさはそれまでの軽トラのイメージを覆すものであり、エンジン搭載位置もあいまって6代目サンバートラックは「農道のポルシェ」と呼ばれることさえあった。

 現役時代から人気を集めていた6代目サンバートラックは、販売終了から10年以上が経過した現在でも、程度の良い中古車には150万円を超える価格がつくこともある。新車時の価格が最高グレードでも約119万円だったことを考えると驚きだ。

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●ホンダ アクティ・トラック

ホンダが2021年まで製造していた軽トラがこのアクティ・トラック。ミドシップレイアウトのエンジンは室内の騒音を減らすという二次的な効果ももたらしていた

 6代目サンバートラックが農道のポルシェなら、「農道のフェラーリ」の異名をとったのはホンダ製軽トラのアクティ・トラック。

 アクティ・トラックが農道のフェラーリと呼ばれた理由もエンジンの搭載位置にあった。エンジンは後輪の前、つまりミドシップにマウントされ、これはフェラーリに代表されるスポーツカーの王道レイアウト。

 実際にアクティ・トラックは良好な前後重量バランスを獲得し、2WDモデルであってもしっかりとしたリアトラクションと優れたハンドリングを両立していた。

 上の一文を読んだだけではまるでスポーツカーの説明のようだが、これは軽トラの話であるのが面白いところ。

 こんな魅力にあふれたアクティ・トラックだったが、残念ながら2021年にシリーズの生産終了を迎えている。それによりホンダのラインナップから軽トラが姿を消すことになった。

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 ホンダを除く国内主要メーカーでは現在でも軽トラの販売を続けているものの、新車で購入可能な軽トラはダイハツ ハイゼットトラックとスズキ キャリイ、そしてそのOEMモデルだけになっている。

 これには軽トラの主な購入層である農業従事者人口の急速な減少も影響しているという。そう、遊びグルマとしても魅力的な軽トラといえど、本来の実用車需要が減ってしまってはどうにもならない。

 また、現代では自動車メーカーのグループ化が進み、今後の発展があまり期待できないカテゴリーのクルマは、グループ内の一社が製造するほうが効率も良い。こうした理由により、実質的な国産軽トラは2車種に絞られてしまった。

 日本が誇る独自のクルマ文化と、ある意味で技術の結晶といえる軽トラが今後も継続されるよう、ダイハツ&スズキにかかる期待も大きい。

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みんなのコメント

18件
  • なぜ OEMの 中でスバル トヨタだけ 掲載?
    スズキ系は OEMと一括で 表記している
    スバルサンバーは昔 良くできた車を出していたから良いとして ずっとOEMの トヨタはなぜ?

    なんだか トヨタ系の 提灯記事に見える
  • 何故不景気に遊ぶのに軽トラなの???
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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