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ポルシェ Newパナメーラ 国際試乗会からの報告「スポーツとラグジュアリー、ダイナミックとエレガンスの協奏が実証した“果実”」

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ポルシェ Newパナメーラ 国際試乗会からの報告「スポーツとラグジュアリー、ダイナミックとエレガンスの協奏が実証した“果実”」

G3と呼ばれる3世代目のポルシェパナメーラの国際試乗会に参加した。市街地、高速道路、ワインディングロード、サーキットといったさまざまな場面で試乗して、最新は最良のポルシェに相応しい高いパフォーマンスが確認できた。ここではMotorMagazine2024年5月号のテキストはそのままに、未掲載画像を使って再構成する。本誌とはまた異なる世界観を、楽しんでもらえれば幸いだ。(文:千葉知充/写真:ポルシェAG)

ラグジュアリースポーツとしてのキャラクターは理解できた
ポルシェが初代パナメーラ(G1 I)を発表したのは2009年である。その後、13年に改良版のG1 II、16年に2世代目のG2 I、20年にG2 IIが登場している。そのG2 IIの最終年となった23年は3万4020台を販売した。そして今回、3世代目のG3がデビューした。

●【くるま問答】ガソリンの給油口は、なぜクルマによって右だったり左だったりするのか

パナメーラは電動化にも積極的で、初代からハイブリッドを揃えている。G1IではV6ハイブリッド、G1 IIでV6プラグインハイブリッド、G2 IでV8プラグインハイブリッド、G2 IIで2世代目のV6プラグインハイブリッドをラインナップ、そして新型では、2世代目となるV8プラグインハイブリッドを用意した。

プラットフォームは、従来のMSBの改良版となるMSBwだという。

ところでポルシェの4ドアモデルと言えば、このパナメーラとタイカンだが、この2モデルはパワートレーンが内燃機関とピュアBEVであるという違いの他に前者はラグジュアリースポーツ、後者がスポーツカーというポジショニングなのである。

そしてこのパナメーラのキャラクターは、試乗することでよく理解できた。

PHEVはV8エンジンにモーターを組み合わせる
試乗の舞台はスペイン セビリア。試乗したのは、一般道および高速道路がベースモデルのパナメーラ(353ps/500Nm)と4駆のパナメーラ4(353ps/500Nm)、サーキットではパナメーラターボE−ハイブリッド(680ps/930Nm)である。パナメーラ&パナメーラ4は従来モデルより出力+23ps、トルク+50Nmとなる。

搭載するパワートレーンは、パナメーラ&パナメーラ4はV6ツインターボエンジン、パナメーラターボE−ハイブリッドはV8ツインターボエンジンに出力190ps、トルク450Nmを発生するモーターを組み合わせる。バッテリー容量は25.9kWhだ。

これによるEV走行可能距離はWLTPモードで最大91km、0→100km/h加速は3.2秒と正真正銘のポルシェのスポーツカーとしてのパフォーマンスを持っている。

ちなみにパナメーラに用意されるハイブリッドモデルは、このモデルと未発表モデルに加え4 E−ハイブリッド、4S E−ハイブリッドの合計4モデルである。その未発表モデルはターボS E−ハイブリッドだと思われる。

またパナメーラ・プロダクトラインのヴァイスプレジデントであるトーマス氏(Dr. Thomas Friemuth, the Panamera line's vice president)によれば、新型パナメーラにスポーツツーリスモは存在しないという。

パナメーラならスポーツツーリスモ一択と思っていたワゴン好きとしては残念だ。ただ、日本はまだG2 IIのスポーツツーリスモが購入可能だ。

加減速時、コーナリングで姿勢変化を抑制するエアサスペンション
運転席に座るとそこに広がるのはポルシェらしいすっきりとした視界だ。インテリアは、ギアセレクターの位置が移動しディスプレイに機能を集約した最新のポルシェのそれだ。ドライバー用、中央の他に助手席用ディスプレイもオプションで用意されている。

走り出して最初に驚いたのは、コンフォートな乗り心地だ。相当な作り込みレベルの高さが感じられた。ワインディング路をフラットな姿勢で駆け抜ける走行フィール、荒れた路面でも振動を伝えない快適性など、もうこのクラスのベストモデルだと言っていい。

これには標準装備されるポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)を含むアダプティブ2バルブエアサスペンションの効果が大きい。

これには2バルブダンパーが装備されるが、これは圧縮側とリバウンド側をそれぞれ分離しスポーティな走りと快適な乗り心地という二面性を両立させている。

ところで今回は、このエアサスペンションの動きがよくわかるデモも行われた。特別に製作されたピッチングとローリングの動きに合わせて動くパナメーラと凹凸路を50km/hで走りながらも嫌な突き上げを伝えてこないという体験だ。

パナメーラは、5m超の全長と2m近い全幅の大柄なボディが狭い場所では気を遣う。ただそれで小回りが効かないかというとそれは試乗前の勝手な先入観で、オールホイールステアリングの効果もあり、扱いにくさを感じなかった。

コーナーではオートバイのように内側に傾き加速時はフロントが下がり、減速時にはリアが下がる。

911ターボに匹敵するフラッグシップの高性能ぶり
ターボE−ハイブリッド試乗は、モンテブランコサーキットが用意された。ここは全長約3920m、急勾配を駆け上がる先が見えないコーナーを含む15のコーナーがあり、ストレートの長さは約1kmだ。

本格的なサーキットでの試乗はポルシェの恒例だが、先導車は911ターボなので、走行ペースはとても速い。しかしそんな状況でもパナメーラのフラッグシップは音を上げることがなく、そして苦もなく追従することができる。

ここではスポーツカーとしての顔が全面に出てくる。実にダイナミックな走り味だ。コーナリングはフラットな姿勢のままスムーズにクリアでき安定感と安心感が強い。これには、ターボE−ハイブリッドにオプション設定されるポルシェアクティブライドが大きく貢献している。PHEVを選ぶなら、これはぜひ装着したい。それだけ効果は絶大なのである。

ドライブモードは、ノーマル、スポーツ、スポーツプラスが用意されているが、公道はコンフォート、ワインディングロードではスポーツ、そしてサーキットではスポーツプラスを選択して走った。

すると一般道ではとても快適なラグジュアリーサルーン、サーキットでは911顔負けのスポーツカーというふたつの顔をパナメーラは見せてくれた。ポルシェの最新技術が惜しみなく使われた新型パナメーラ。「最新が最良のポルシェ」はここでもまた実証された。

パナメーラ ターボE-ハイブリッド 主要諸元
●Engine
種類:V8DOHCツインターボ
排気量:3996cc
ボア×ストローク:86.0×86.0mm
圧縮比:9.7
エンジン最高出力:382kW(519ps)/6000rpm
エンジン最大トルク:770Nm(78.5kgm)/2330-4000rpm
燃料・タンク容量:プレミアム・80L
モーター最高出力:140kW(190ps)/3200rpm
モーター最大トルク:450Nm(45.9kgm)/700-2971rpm
バッテリー容量:25.9kWh
●Dimension&Weight
全長×全幅×全高:5054×1937×1421mm
ホイールベース:2950mm
トレッド 前/後:1666/1639mm
車両重量(乾燥重量):2435kg
荷室容量:421~1265L
●Chassis
駆動方式:FR
トランスミッション:8速DCT
ステアリング形式:ラック&ピニオン 
サスペンション形式 前/後:ダブルウイッシュボーン/マルチリンク
ブレーキ形式 前/後:Vディスク/Vディスク
タイヤサイズ 前、後:275/40R20、315/35R20
●Performance
0→100km/h加速:3.2秒(スポーツクロノパッケージ)
最高速度:315km/h

[ アルバム : ポルシェ Newパナメーラ 国際試乗会からの報告 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

1件
  • *****
    ポルシェにはアウディ購入層みたいなゴミが居なくていいね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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