現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ホンモノもあれば雰囲気だけの「なんちゃって」もあったなぁ……一時期プチブームになった「和製ユーロ仕様」の国産車5選

ここから本文です

ホンモノもあれば雰囲気だけの「なんちゃって」もあったなぁ……一時期プチブームになった「和製ユーロ仕様」の国産車5選

掲載 27
ホンモノもあれば雰囲気だけの「なんちゃって」もあったなぁ……一時期プチブームになった「和製ユーロ仕様」の国産車5選

 この記事をまとめると

■かつて国産車市場では欧州仕様なるクルマが流行っていた

「輸入車は壊れて当然」のイメージは日本固有のもの! 日本はクルマにとってキツイ環境だった

■各自動車メーカーが足まわりや外観を通常モデルとは変えた仕様でリリースしていた

■欧州仕様なるクルマに実際に乗ってみるとあくまで「雰囲気止まり」なモデルが多かった

 かつて一世を風靡した”ユーロ”なクルマたち

 かつて、国産車に”欧州仕様”的なネーミングを施した特別仕様車がマニアの人気を集め、ちょっとしたブームとなったことがあった。そのネーミングは「トヨタ・ヴィッツU”スポーツエディション”」、「スバル・レガシィ ブリッツエン」、「ホンダ・アヴァンシア ヌーベルバーグ」、「日産 パルサーミラノX1」などだ。そのほとんどは欧州仕様が存在し、日本仕様とは異なる欧州仕様のエッセンスを取り入れた和製ユーロモデルも存在したのだが、ネーミングだけ欧州っぽくしただけのなんちゃって欧州風仕様もあった。

 まず、比較的本格派の和製ユーロモデルを紹介すると、1999年10月にデビューしたトヨタ・ヴィッツU”スポーツエディション”がある。もちろん、ヴィッツは欧州でも販売されるトヨタのドル箱コンパクトカーだが、“ユーロスポーツエディション”はUグレードのスポーツパッケージオプションとして、1.3リッターVVT-iガソリンエンジン(2NZ-FE)を搭載するとともに、操縦性・高速走行安定性により重点を置いたユーロチューンドサスペンションを採用。ヴィッツでも欧州仕様的な走りを楽しみたいユーザーに向けた新設定モデルであった。

※画像は通常グレード

 なにしろ欧州では一般的な5速MT車を用意し、ボディ剛性の高さ、硬めながら路面を確実に捉えるサスペンションチューニング、前後スタビライザーと専用アルミホイールの装着など、見た目はほぼヴィッツそのものにして、快適性を大きく失わずにスポーティな走りのテイストを実現した和製ユーロモデルであり、それで当時の価格は100万円台前半だったのだから、欧州テイストのあるコンパクトカーをリーズナブルに手に入れたいユーザーにとっては格好の1台だった。

 いやいや、もっとずっと本格な和製ユーロモデルというべきモデルがあった。それは歴代レガシィのなかでもっとも希少であり、ファンに人気だった限定モデルのドイツ語で「稲妻が輝く」というネーミングが与えられた、STIが手掛けたBLITZEN(ブリッツエン)だ。ボディカラーにはイメージカラーのプレミアムレッドが用意され、3代目レガシイB4(2000年~)のセダンだけでなく、スバル自慢のツーリングワゴン(2001年~)にも設定。

 なんとエクステリアにはポルシェが手掛けたポルシェデザインの専用前後バンパー、フロントグリル、リヤスポイラー、17インチアルミホイールが装着されるほか、ボンネットはアルミ製(軽量化)となり、MT車にはフロントヘリカルLSDを備えるなど、こだわり満載。EJ20型、280馬力、35.0kg-mを誇る水平対向エンジンのポルシェつながりもあり、4WD+5速MTによる低重心感覚溢れるスポーティな走行性能もあって、発売、即完売の人気和製ユーロモデルであった。

 各社がこぞって欧州テイストなマシンを投入

 スバルの和製ユーロモデルはまだまだあった。2002年2月に発売されたインプレッサスポーツワゴン「TYPE EURO」だ。これまたスバルのモータースポーツ専門会社のSTIとポルシェデザインが共同開発した特別仕様車であり、STIとポルシェデザインの共同開発アイテムとしてグリル一体式フロントバンパー、リヤバンパー、ルーフスポイラー、17インチアルミホイールがある(基本的な変更点はレガシイBLITZENと同様)。

 ポルシェとの共同開発ではないが、「TYPE EURO」専用装備としてアルミボンネット、スポーティシートやリヤエンブレムも装着されていた。元々、ハイレベルな走行性能に加え、ポルシェデザインのユーロテイストが加わったのだから、マニアに響いたのは当然。もっとも、ポルシェ風のヘッドライトはともかく、大口を開けたようなポルシェデザインのバンパーがチョーかっこよかったかは、微妙だが。

 次に紹介するのは、日産パルサー。その3代目(1986年~)に存在したパルサーミラノX1である。もともと、「パルサー・ヨーロッパ」、「ヨーロッパの体温」!? をキャッチフレーズとした世界戦略車であり、もちろん、欧州を始めとする世界市場で活躍した1台だ。

 そんなN13型パルサーはサスペンションを一新し、ターボを設定せず、X1ツインカムグレード用にCA16DE型1.6リッター4バルブDOHCエンジンを新開発して搭載。駆動方式はFF、ミッションは5速MTのみという、まさに和製ユーロモデルと呼ぶに相応しいホットハッチモデルだったのである。「どこがミラノか?」と問われれば答えに窮するが、欧州車基準の走り、シートなど、欧州車テイストがちりばめられていたことは間違いない。

 一方、テイストだけ和製ユーロモデルと言えるのが、初代が1999年に登場したホンダ・アヴァンシアだ。和製ユーロモデルのポイントは車名。アヴァンシアとはフランス語で前進する、という意味のAVANCERからの造語。とくに2001年のマイナーチェンジで加わったヌーベルバーグ(フランス語で新しい波の意味)グレードは、専用チューニングのローダウン(15mm)サスペンション、専用16インチタイヤ&アルミホイールを奢り、ボディカラーに「ミラノレッド」が選択できるなどの、欧州(フランスとイタリア)をイメージした、主にネーミングで表現したユーロスポーツモデル的キャラクターだった。

 もっとも、当時はアコードワゴン、オデッセイが人気で、アヴァンシア自体はその影に隠れた存在となっていて、国内では1代限りのモデルとなったのだが……。

 ということで、和製ユーロモデルでも、本格なモノとそうでもないクルマもあるということだ。欧州車から乗り換えても満足できるか否か、それはクルマ自体の資質にかかっている。欧州に輸出している日本車の和製ユーロモデルなら、より期待はできるかも知れないが、肝心な走りを含めた商品力が欧州車に迫っているかは微妙である。とはいえ、欧州車経験がないのであれば、気分はユーロ……な満足感はあるかも知れない。

こんな記事も読まれています

庶民のFFハッチをメーカー自ら魔改造! コスワース謹製エンジンをぶち込んだ「フォード・エスコートRSコスワース」とは
庶民のFFハッチをメーカー自ら魔改造! コスワース謹製エンジンをぶち込んだ「フォード・エスコートRSコスワース」とは
WEB CARTOP
超絶人気のランクル250! 指名買いも多いけど「ライバル車」はどんなクルマが存在する?
超絶人気のランクル250! 指名買いも多いけど「ライバル車」はどんなクルマが存在する?
WEB CARTOP
50年前に生まれた四角いワゴンがいま話題! 昭和レトロブームと共に「ボルボ240エステート」の人気が急上昇中だった
50年前に生まれた四角いワゴンがいま話題! 昭和レトロブームと共に「ボルボ240エステート」の人気が急上昇中だった
WEB CARTOP
庶民でも頑張ればなんとか!? いまV8フェラーリ買うなら一番現実的なモデル「360モデナ」とは
庶民でも頑張ればなんとか!? いまV8フェラーリ買うなら一番現実的なモデル「360モデナ」とは
WEB CARTOP
ヴィヴィオT-TOP X-90 CR-Xデルソル クセ強すぎだから空振り三振!? 世にも不思議な屋根空きグルマ3選
ヴィヴィオT-TOP X-90 CR-Xデルソル クセ強すぎだから空振り三振!? 世にも不思議な屋根空きグルマ3選
ベストカーWeb
マツダの「和製オープンカー」登場9年目でもなぜ人気? 最後の純ガソリン車か!?「ロードスター」の魅力とは?
マツダの「和製オープンカー」登場9年目でもなぜ人気? 最後の純ガソリン車か!?「ロードスター」の魅力とは?
くるまのニュース
いくら魅力を語れど売れなくなるには理由がある! セダン&ワゴンが日本で衰退しているワケ
いくら魅力を語れど売れなくなるには理由がある! セダン&ワゴンが日本で衰退しているワケ
WEB CARTOP
モテる!? 超カッコいい“流麗ボディ”かつ「運転が楽しくて最高!」 1度は憧れる「2ドアクーペの国産車」3選
モテる!? 超カッコいい“流麗ボディ”かつ「運転が楽しくて最高!」 1度は憧れる「2ドアクーペの国産車」3選
くるまのニュース
グラマラスな豊満ボディがたまらない! Z31型フェアレディZ後期型が欲しい! はたして今いくらで買えるのか?
グラマラスな豊満ボディがたまらない! Z31型フェアレディZ後期型が欲しい! はたして今いくらで買えるのか?
ベストカーWeb
「ターボエンジン&MT」は絶滅危惧種!? 運転めちゃ楽しい! 今でも買える「ターボ&MT」の国産車3選
「ターボエンジン&MT」は絶滅危惧種!? 運転めちゃ楽しい! 今でも買える「ターボ&MT」の国産車3選
くるまのニュース
「日産・ホンダ・三菱・スバル」お願いします! ファンからふつふつと湧き上がるメーカーへの声!!
「日産・ホンダ・三菱・スバル」お願いします! ファンからふつふつと湧き上がるメーカーへの声!!
WEB CARTOP
あの頃は良かった! 懐かしの日産セダン3選
あの頃は良かった! 懐かしの日産セダン3選
GQ JAPAN
「ハチロク」「ナナマル」「アールビーニーロク」 とか型式で呼ぶだけじゃまだまだひよっこ! 型式の意味まで理解してこそガチマニア!!
「ハチロク」「ナナマル」「アールビーニーロク」 とか型式で呼ぶだけじゃまだまだひよっこ! 型式の意味まで理解してこそガチマニア!!
WEB CARTOP
燃料大食いの悪玉から環境志向の優等生へとキャラチェンジ!? 21世紀初頭の日本車&輸入車のターボエンジン事情
燃料大食いの悪玉から環境志向の優等生へとキャラチェンジ!? 21世紀初頭の日本車&輸入車のターボエンジン事情
ベストカーWeb
まもなく発売! トヨタ・クラウンエステートとは
まもなく発売! トヨタ・クラウンエステートとは
WEB CARTOP
全長3.5m! 丸目レトロ顔の「小さな高級車」販売17年の歴史に幕!“軽自動車”並みのサイズでも「支持された理由」とは?
全長3.5m! 丸目レトロ顔の「小さな高級車」販売17年の歴史に幕!“軽自動車”並みのサイズでも「支持された理由」とは?
くるまのニュース
米と伊の一流ブランドがコラボした奇跡のクルマ……かと思ったら大ゴケした「クライスラーTCバイ・マセラティ」
米と伊の一流ブランドがコラボした奇跡のクルマ……かと思ったら大ゴケした「クライスラーTCバイ・マセラティ」
WEB CARTOP
アルト並の100万台前半スタート!! RAV4こそやっぱショートだろ!! 今再びの投入はどうだ!?!?
アルト並の100万台前半スタート!! RAV4こそやっぱショートだろ!! 今再びの投入はどうだ!?!?
ベストカーWeb

みんなのコメント

27件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村