現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > 【昭和の名車 144】スプリンターカリブは、新世代のレジャービークルとして人気を博した

ここから本文です

【昭和の名車 144】スプリンターカリブは、新世代のレジャービークルとして人気を博した

掲載 更新 2
【昭和の名車 144】スプリンターカリブは、新世代のレジャービークルとして人気を博した

昭和は遠くなりにけり、か。以前に連載した「昭和の名車」では、紹介しきれなかったクルマはまだ数多くある。そこで、1960年代以降の隠れた名車を順次紹介していこう。今回は「トヨタ スプリンターカリブ」だ。

トヨタ スプリンターカリブ(AL25G型):昭和57年(1982年)8月発売
1981年(昭和56年)の東京モーターショーに参考出品車として展示されたトヨタRV5が、スプリンターカリブとして登場したのは1982年8月。時代背景として4WDの人気が急速に高まっていたことがある。すでに4WDは降雪地帯では日常の足としても欠かせない存在であることは認識されていたが、業務用というイメージの時代が続いていた。

2019年もっとも読まれた記事ランキング発表、2位は運転免許証の謎、さて1位は?

4WDに対するユーザーの意識が多様化し、実用性だけでなくレジャー的要素を求めだしてきた。このようなユーザー意識の変化を読み取って登場したのが、スプリンターカリブだった。そのスタイルはレジャービークルとしての性格を前面に押し出し、全体的な味付けも乗用車感覚そのものとなったが受け入れられた。

搭載されたエンジンは3A-U II型で、パワースペックは最高出力83ps/最大トルク12kgmとスポーティさを求めたエンジンではないが、実用性に長けたユニットだった。新空燃費制御システムの採用などによって燃費向上を図り、イグニッションコイルとイグナイタ−を内蔵した集積型ディストリビューターや、上下タンク部を樹脂化したファインフィンピッチのSRラジエターなどの採用により小型・軽量化及びサービス性の向上もぬかりなかった。

乗用車として使うにあたり、振動や騒音を低減するためにエンジン結合部に防振ゴムを使用したフローティングタイプエアクリーナーや、エンジンマウントのロングスパン化、ドライブシャフトのダイナミックダンパーなどを採用している。エンジンと最適なマッチングをはかった駆動系と、剛性が高く軽量なボディなどの相乗効果で10モードでは14.0km/Lの優れた燃費を実現した。

トランスミッションは、エンジン縦置きFFであるターセル/コルサ/カローラII用トランスアクスルの後部にエクストラローギア(4WD時変速比4.714)を追加し、エクストラロー付きトランスミッションとしている。2−4セレクター(FFから4WD切り替えレバー)はシフトレバー後方に配置され、リンク接合部にはボールジョイントを採用してセレクトフィーリングの向上を図った。

サスペンションは、フロント:ストラット/リア:ラテラルロッド付4リンクリジッド。フロントは、スタビライザーとストラットバーを一体化。リアサスペンションは、前後方向を支持する4本リンク配置及びアームブッシュの最適化により操縦性・走行安定性、そして乗り心地の向上を図った。スタビライザーも装着され、乗用車感覚へのこだわりが見える。

ステアリング機構はラック&ピニオン式で、エンジンが縦置きで横幅をとらないこともあり、ハンドルの切れ角を大きくして最小回転半径は4.8mと小さいものとなったのも好意的に受け入れられた。さらにAV-IIグレードには回転数感応型のロータリーバルブ式パワーステアリングを採用し、より快適性、利便性をアップさせている。室内はハイルーフとして居住空間を広くとり、フロントシートを最前端へスライドさせ、ヘッドレストを外した状態でフルリクライニングさせると、フロントシートからリアシートクッションまでフラットなスペースが得られようにした。

いわゆるクロスオーバーSUVの先駆けとなったスプリンターカリブは、以後も土臭さを感じさせない4WDという路線で大きな支持を得るようになっていった。4WDをマニアだけの手から解き放ったともいえるだろう。



トヨタ スプリンターカリブ AV-II 主要諸元
●全長×全幅×全高:4310×1615×1500mm
●ホイールベース:2430mm
●重量:1015kg
●エンジン型式・種類:3A-U II型・直4 SOHC
●排気量:1452cc
●最高出力:83ps/5600rpm
●最大トルク:12.0kgm/3600rpm
●トランスミッション:5速MT
●タイヤサイズ:175/70SR13
●価格:145万円

[ アルバム : トヨタ スプリンターカリブ はオリジナルサイトでご覧ください ]

こんな記事も読まれています

笹原&アレジ組が初ポール。3メーカー混戦、スピン&トラブル多発の鈴鹿を制す【第3戦GT500予選レポート】
笹原&アレジ組が初ポール。3メーカー混戦、スピン&トラブル多発の鈴鹿を制す【第3戦GT500予選レポート】
AUTOSPORT web
絶好調バニャイヤが決勝レースも勝利! バスティアニーニとドゥカティ母国ワンツー|MotoGPイタリア決勝
絶好調バニャイヤが決勝レースも勝利! バスティアニーニとドゥカティ母国ワンツー|MotoGPイタリア決勝
motorsport.com 日本版
2023年 欧州でリコールの多かった自動車ブランド 20選 1車種で「9件」発生も
2023年 欧州でリコールの多かった自動車ブランド 20選 1車種で「9件」発生も
AUTOCAR JAPAN
「ミウラ」「ディアブロGT」「カウンタック」が「ヴィラ・デステ」に登場!「エンジンサウンド賞」を受賞したのは…?
「ミウラ」「ディアブロGT」「カウンタック」が「ヴィラ・デステ」に登場!「エンジンサウンド賞」を受賞したのは…?
Auto Messe Web
誇り高き「重厚感」 アストン マーティン・ヴィラージュ 6.3(2) 魅力の中心がV8エンジン 好調のトリガー
誇り高き「重厚感」 アストン マーティン・ヴィラージュ 6.3(2) 魅力の中心がV8エンジン 好調のトリガー
AUTOCAR JAPAN
アストン マーティン・ヴィラージュ 6.3(1) V8エンジンは「グループCカー」 未来を背負ったクーペ
アストン マーティン・ヴィラージュ 6.3(1) V8エンジンは「グループCカー」 未来を背負ったクーペ
AUTOCAR JAPAN
WRCサルディニア|タナク、まさかの逆転勝利。オジェ最終ステージのパンクに泣く
WRCサルディニア|タナク、まさかの逆転勝利。オジェ最終ステージのパンクに泣く
motorsport.com 日本版
脅威の速さで奪首も痛恨のドライブスルー……14号車ENEOS福住仁嶺、落胆も前を向く「何かが起きた時、チャンスを掴むためにプッシュした」|スーパーGT第3戦鈴鹿
脅威の速さで奪首も痛恨のドライブスルー……14号車ENEOS福住仁嶺、落胆も前を向く「何かが起きた時、チャンスを掴むためにプッシュした」|スーパーGT第3戦鈴鹿
motorsport.com 日本版
まさに王者の戦いぶり。62kg搭載のポイントリーダーau TOMS、燃費走行も駆使して5位入賞「面白いようにアンダーカットできた。作戦としては完璧」
まさに王者の戦いぶり。62kg搭載のポイントリーダーau TOMS、燃費走行も駆使して5位入賞「面白いようにアンダーカットできた。作戦としては完璧」
motorsport.com 日本版
「エアブラシ」全盛でも「筆描き」にこだわるデコトラ野郎もいる! 芸術的な「箱絵」の手法による違いとは
「エアブラシ」全盛でも「筆描き」にこだわるデコトラ野郎もいる! 芸術的な「箱絵」の手法による違いとは
WEB CARTOP
愛車の履歴書──Vol39. 高岡早紀さん(後編)
愛車の履歴書──Vol39. 高岡早紀さん(後編)
GQ JAPAN
Dstartion RacingスーパーGT初優勝。藤井誠暢手応え通りの圧勝劇「これだけ完璧にまとめ上げられることはなかなかない!」|スーパーGT第3戦鈴鹿
Dstartion RacingスーパーGT初優勝。藤井誠暢手応え通りの圧勝劇「これだけ完璧にまとめ上げられることはなかなかない!」|スーパーGT第3戦鈴鹿
motorsport.com 日本版
「止まれ」かと思ったら…ナニコレ!? 「日本唯一」激レア道路標識、なぜできた?
「止まれ」かと思ったら…ナニコレ!? 「日本唯一」激レア道路標識、なぜできた?
乗りものニュース
[15秒でわかる]メルセデスAMG『ピュアスピード』コンセプト…初のミトスブランド
[15秒でわかる]メルセデスAMG『ピュアスピード』コンセプト…初のミトスブランド
レスポンス
Moto2イタリア決勝|小椋藍、ロケットスタートで5位。ロバーツがスパート決め優勝
Moto2イタリア決勝|小椋藍、ロケットスタートで5位。ロバーツがスパート決め優勝
motorsport.com 日本版
笹原右京、ジュリアーノ・アレジとのスーパーGT初優勝を喜ぶ「遂に勝てた……やっと勝利を手にできてホッとした」|スーパーGT第3戦鈴鹿
笹原右京、ジュリアーノ・アレジとのスーパーGT初優勝を喜ぶ「遂に勝てた……やっと勝利を手にできてホッとした」|スーパーGT第3戦鈴鹿
motorsport.com 日本版
「EVは“電欠”が怖いし…」 実はガス欠より対策ラクかも? 新ビジネスになりそうな“もしものサービス”とは?
「EVは“電欠”が怖いし…」 実はガス欠より対策ラクかも? 新ビジネスになりそうな“もしものサービス”とは?
乗りものニュース
ダンプカーの車体にある「謎の文字と番号」の正体は? 「足立 営 12345」は何を意味しているのか 実は「経済成長」と深い歴史があった!?
ダンプカーの車体にある「謎の文字と番号」の正体は? 「足立 営 12345」は何を意味しているのか 実は「経済成長」と深い歴史があった!?
くるまのニュース

みんなのコメント

2件
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

133.2210.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

77.0139.0万円

中古車を検索
スプリンターカリブの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

133.2210.4万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

77.0139.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村