1980年-90年代、超ド級のレーシングカーが壮絶なバトルを繰り広げていた。最高出力1000ps、最高速400km/h、決められた燃料使用量でレースをいかに速く走り切るか、メーカーが知恵を絞ったことで様々なマシンが誕生したこともレースを面白くした。この短期集中連載では、そんなグループCカー時代を振り返ってみよう。第4回は「ジャガーXJR9 LM」だ。
ブランドイメージを象徴するV型12気筒エンジンを搭載
1988年6月12日、ついにポルシェが耐久王の看板を降ろす時がやってきた。この日、TWR(トム・ウォーキンショー・レーシング)のジャガーXJR9LMが、ポルシェワークスの962Cを下し、ポルシェのル・マンでの連勝記録を止めたのだ。
2019年もっとも読まれた記事ランキング発表、2位は運転免許証の謎、さて1位は?
ジャガーにとっては前年のXJR8によるWSPCシリーズ制覇に続く快挙は、956/962C最強時代の終焉を告げ、ここからグループCはジャガーvsメルセデスの2強に日本車が絡む混戦時代に入っていく。
TWRによるジャガー・グループC活動は、北米IMSA・GTPで5.3L V12エンジン搭載のグプロトタイプ、XJR-5を走らせていたグループ4の活動を引き継ぐ形で1985年からスタート。瞬く間にポルシェをキャッチアップして王座から引きずり降ろした最大の要因は、世界最先端のイギリス流マシン作りを徹底したことにあった。
チーム代表のトム・ウォーキンショーのもとでマシン製作を指揮したのは、F1経験の豊富なトニー・サウスゲート。1985年登場のXJR6(6.2L V12エンジン搭載)、1986年からのXJR8(7Lエンジン搭載)、その発展型で1988年デビューのXJR9へと続く歴代のTWRジャガーは、当時のF1ではすでに常識となっていたカーボンコンポジット製モノコックを持ち、すでにひと世代もふた世代も前の技術であるアルミモノコックのポルシェ962Cを車体剛性の面ではるかにリードしていた。
さらに空力面でもジャガーは最先端のエアロボディを備えており、高剛性のシャシとともに優れたロードホールディングを実現。モータースポーツ予算の削減で962Cに変わるブランニューマシンを投入できないポルシェとは潜在的能力の点で大きな差があった。
ネックだったのは、ブランドイメージを維持するため使用しなければならなかった重厚長大なV12エンジンと5速ドッグミッションの信頼性不足だったが、これも時を経るごとに徐々に解決。
ついに1987年のシリーズ制覇と1988年ル・マンでのXJR9 LMの殊勲に至る。翌1989年のル・マンではメルセデス=ザウバーC9の前に一敗地に塗れたが、1990年にはXJR9の発展型であるXJR12が再びル・マンを制覇し、その後も1993年初頭まで活躍。サウスゲートが確立した初期コンセプトの優秀性を証明している。
ジャガーXJR-9 LM(1987年)主要諸元
●全長:4800mm
●全幅:2000mm
●全高:1030mm
●ホイールベース:2710mm
●車両重量:894kg以上
●エンジン型式:M119HL
●エンジン:V型12気筒SOHC
●排気量:6995cc
●最高出力:760ps
●駆動方式:MR
[ アルバム : ジャガーXJR9 LM はオリジナルサイトでご覧ください ]
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!
愛車を賢く売却して、購入資金にしませんか?
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
ステップワゴンは「フルモデルチェンジ失敗」ではなかった! 発売から2年が経って急激に売れ行きを伸ばしているワケ
謎の「青いイカ」に「ビックリ車」!? 多すぎるメーターの「警告灯」何を示す? 色ごとの “意味合い”とは
放置自転車も不正駐車も「実力行使」が一番? 恐ろしい「勝手にロックしちゃう」サービス 効果てきめん
ホンダ新型「すごいヴェゼル」登場! “3年ぶり刷新”の「内容」が多すぎ? 超静音モデル化&走破性強化も実施! 見かけだけじゃない“クーペSUV”の進化とは
「ホテル代が浮くしサイコー!」 軽自動車で「大人4人」寝れる!? どこでも“カンタン”に「車中泊」できる! 身近な「軽キャン」とは
みんなのコメント