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アウディRS e-トロンGTへ「パフォーマンス」追加? 改良版プロトタイプへ試乗 一層GTに

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アウディRS e-トロンGTへ「パフォーマンス」追加? 改良版プロトタイプへ試乗 一層GTに

RS e-トロンGTに「パフォーマンス」追加?

新モデルやマイナーチェンジの情報は、メーカー側から掲載日時が指定される場合がある。通常は1週間ほど先のことが多いものの、稀にもっと待たされることがある。

【画像】アウディRS e-トロンGTへ「パフォーマンス」追加? 競合の電動サルーン 最新タイカンも  全146枚

アウディRS e-トロンGTのアップデート版は、その縛りが長かった。筆者が試乗したのは、2023年12月だ。その時に、同社の技術者は改良を受けた技術詳細を明らかにしなかったが。

駆動用バッテリーやモーター、サスペンション、ソフトウエア、充電能力に変更があり、運転体験も変わったことを認めた。しかし、具体的な数字やコンポーネントに関しては、質問しても言葉を濁した。

筆者が運転したプロトタイプのe-トロンGTが、どのグレードかも伝えたくなかった様子。だが、高性能な「RS」で、新しく追加になるであろう「パフォーマンス」仕様なことは想像できた。

「弊社の開発は、エントリーグレードから初めるわけではありません」。研究開発部門を率いるステファン・ライル氏が、こう説明したからだ。彼は以前、アウディR8の開発責任者を努めていた。RS e-トロンGTにも、素晴らしい知見が落とし込まれたはず。

2024年に入り、フォルクスワーゲン・グループのポルシェは、タイカンのアップデート版を発表した。AUTOCARの読者ならご存知の通り、e-トロンGTとは、J1と呼ばれるプラットフォームを共有している。

両ブランドは独自にモデル開発を進めているが、技術的な結びつきは強い。e-トロンGTにも、同等の内容が与えられたことは想像に難くない。恐らく、先方の発表を待つ必要があったのだろう。

見た目に大きな変化なし 航続距離500km以上?

e-トロンGTは、アウディのバッテリーEVの中でも人気が高い。2021年の発売以来、3万台以上が売れている。その30%以上が、トップグレードのRSだった。

この支持率を受け、アウディはスタイリングに大きく手は加えなかった。写真のとおり、試乗車には偽装用のラッピングが施されていたものの、殆ど変化がないことまでは隠せていない。

そのかわり、従来以上にグランドツアラーとしての能力を高めたという。長距離を高速・快適に移動できるという特徴だ。

今でも技術的な情報は伝えられていないが、駆動用バッテリーは新しくなると考えて良い。改良後のタイカンは、ニッケル・マンガン・コバルトを正極に用いた、容量82kWhか97kWhの三元系ユニットを採用したが、恐らく同じものが載るだろう。

前後に搭載される駆動用モーターも、更新されるはず。航続距離は、500kmを超えると予想できる。急速充電能力も、最大270kWから320kWへ上昇すると思われる。

ライルはどの程度パワーアップするのか教えてくれなかったが、タイカンとの間に、一定のギャップが設けられることは間違いない。高性能なタイカン・ターボSの最高出力は775psある。 RS e-トロンGTは、700ps前後ではないだろうか。

プロトタイプを運転した限り、従来よりパワフルになったことは明確。強烈な加速が無限に続くように感じられ、試乗した中東オマーンの広大な一般道が許容するレベルを遥かに超えていた。高性能なバッテリーEVが迅速なことは、珍しくないとしても。

アクティブ・サスペンション採用 一層「GT」に

さらにアウディの技術者は、旋回性能を大幅に引き上げた。ポルシェのアクティブ・ライドに相当する、アクティブ・サスペンションが実装されるという。

油圧アクチュエータを利用し、アダプティブダンパーの減衰力を調整。各タイヤの上下動を個別に制御し、滑らかな乗り心地と引き締まった姿勢制御を両立させるものだ。

複数のセンサーからの情報を利用し、路面の凹凸を吸収。スポーティなモードでは、旋回時にボディロールを打ち消したり、加減速時のノーズリフトやノーズダイブを抑えてくれる。新しいタイカンの試乗レポートでも、お読みになったはず。

ライルは、RS e-トロンGTの動的特性を拡大することに重点が置かれたと語っていた。動きは限定的ながら、かなり効果的だという。

ドライブモードがデフォルト時は、グランドツアラーらしい落ち着いた走りを披露。滑らかな乗り心地を生むよう、ダンパーが調整される。一方でスポーティなモード時は、敏捷な操縦性をアシストする。

アスファルトが平滑ではない路面で、アクティブ・サスペンションの仕事ぶりは明確に体感できた。軽くない車重を実感させないことにも、役立っているようだ。ワイドな特性は、RS e-トロンGTの魅力を引き上げるに違いない。

限定的な情報と試乗ではあったが、効果的なアップデートになるだろう。既に試乗から4か月が経過するが、その印象は鮮明に覚えている。つまらない改良なら、これほど記憶に残ることはないはずだ。

アウディRS e-トロンGT(フェイスリフト版プロトタイプ)のスペック

英国価格:13万ポンド(約2496万円)
全長:−mm
全幅:−mm
全高:−mm
最高速度:249km/h(予想)
0-100km/h加速:3.0秒(予想)
航続距離:547km(予想)
電費:5.6km/kWh(予想)
CO2排出量:−
車両重量:2150kg(予想)
パワートレイン:ツイン永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:97kWh(実容量)
急速充電能力:320kW
最高出力:700ps(システム総合/予想)
最大トルク:103.5kg-m(システム総合/予想)
ギアボックス:1速リダクション(フロント)+2速オートマチック(リア)(四輪駆動)

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