■なぜ今「直線的デザイン」が増えている?
クルマのデザインのトレンドは、時代によって変わります。例えば、1990年代以前は直線の多いデザインが多かったところ、1990年代に入ると丸みを帯びたフォルムが中心になりました。
そして曲線を用いた丸くデザインは現在も多くのクルマが取り入れられていますが、一方で最近は「角張ったデザイン」を採用する新型車を目にする機会が増えています。
なぜ今、角張ったデザインのクルマが増えているのでしょうか。
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近年登場したクルマの中で、最も角張ったデザインといえば、テスラの電動ピックアップトラック「サイバートラック」を思い浮かべる人が多いでしょう。
2019年に同車が発表された際は、その個性的で未来を想像させるデザインが大きく話題となり、好評の声と同時に「行き過ぎたデザインだ」と酷評する意見も噴出しました。
そしてサイバートラックほどではありませんが、最近では角張ったデザインのクルマが増えています。
例えば2022年5月に登場したホンダの現行型「ステップワゴン」には、先代と比べて直線が多く使用され、まるで「四角い箱」のようなデザインとなっています。
同じくホンダの現行「ヴェゼル」も、モデルチェンジを機に水平・垂直の面が多い直線基調のデザインに変わりました。
また、軽自動車で主力となるハイトールワゴンでも、フロントのデザインが垂直できれいな「箱型」のモデルが多く見られます。
さらに、トヨタが2024年4月に発売したばかりの新型SUV「ランドクルーザー250」では、分かりやすいほどに角張ったクロカン感の溢れるデザインを採用しました。
対してマツダに代表されるように、生命感のある流線形のデザインを強みとするメーカーもありますが、2000年代と比べると再び角張ったデザインが散見される時代になったと言えるでしょう。
では、一体なぜ自動車メーカーは今あえて角張ったデザインを採用するのでしょうか。
自動車メーカーの関係者に聞いたところ、以下の回答がありました。
「角張ったデザインが増えている理由のひとつとしては、まずは室内空間の確保が挙げられるでしょう。曲線主体のデザインと比較してシンプルな構造にできるため、室内空間を広く取りやすくなります」
たしかに軽ハイトールワゴンの多くは、直線的なデザインを活かすことで広い室内空間を確保しています。
また、四角い箱のようなデザインになったホンダの現行ステップワゴンの室内空間サイズは、歴代モデルの中でも最大クラスになっているといいます。
そのほかにも「ホンダのように“原点回帰”をテーマに新型をデザインする例が増えているのも、角張ったデザインが増えてきた理由のひとつかもしれません」とのこと。
確かに、近年登場した角張ったデザインのクルマは、初代モデルの面影や、かつて人気だったモデルのテイストを感じさせます。
最近のクルマにはない、1970年代や1980年代のテイストを取り入れ、さらに「新しいデザイン性」を発揮すれば、大きな注目を集めることも可能です。
とはいえ、角張ったデザインにすれば必ずしも成功するとは限りません。
再び「垂直・水平基調の角張ったシンプルデザイン」のムーブメントを起こすには、他メーカーも模倣したくなるほど多くの人に支持されるクルマを生み出す必要があるでしょう。
これからもまだまだ流線形のデザインが主流の時代が続くのか、それとも懐かしさと近未来感を兼ね備えた「新時代の直線デザインのクルマ」が増えるのか、今後の展開に注目したいところです。
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みんなのコメント
コペンと言えば初代の丸いコペンからの丸目のコペンCeroが一番人気ですが、
ガンダム世代の私にとっては「カクカク」デザインのXPLAYを選びました。
電動でトランクが上がりオープンになる動きは可変モビルスーツみたいでテンション上がりまくりですよ。
先祖返りとか、求められてるとかとは違う。