RB3.3LにTO4Zタービン+Vカム+NOSまで投入!
輸出用のRB30ブロックをさらに排気量アップ!?
このBNR34のオーナーは、かつて名門“オーテックツカダ”に通いながら2.8L仕様のBNR32でサーキットアタックを楽しんでいたという人物。仕事の都合で引退し、それを機にBNR34へと乗り替えたものの、どうにも楽しくない。そこで再びオーテックツカダへとチューニングを依頼するわけだが、その時に出したオーダーは3つ。
「2.8L仕様のBNR32と同じようなアクセルレスポンスとパワー感を得られること」「軽量化はしない」「燃料ポンプの作動音やマフラー等は静かに」である。
これら全ての条件を満たせる仕様として、トップチューナーが導き出した解答、それが全域トルク型のRB30改3.3L仕様だった。
心臓部は、輸出用のRB30ブロックにHKS鍛造ピストン改とクロワー製コンロッド&クランクシャフトを組み、ボア×ストロークをφ88×90mmまで拡大。排気量は驚異の3280ccだ。一方のヘッドには、RB26用を加工装着した上で可変バルタイ機構のVカムをインストール。組み合わせるタービンは、ウエストゲート式のTO4Zシングルである。
排気量アップやVカム化によって低中速トルクを大幅に高めた上で、さらにターボラグを完全に打ち消すべくNXシステムを導入。エンジン回転数3000~4000rpmで、アクセル開度80%以上という2つの条件が揃った時だけ噴射されるようにF-CON Vプロで制御される。
こうしたチューニングにより、6速3000romからでもアクセルを踏めば即加速に入れる超弩級のトルクフィールを実現。ちなみに発生トルクは最大80kgmと強烈だ。
足回りは、ATTKDサスペンションキット“仙脚”でセットアップ。高速コーナーでの路面追従性を重視したセッティングとされている。また、メンバーやアームにはオリジナルカラーが使われ、オーテックツカダの基本的なサーキット仕様とも言える仕上がりだ。
ボディのカラーリングと合わせるように、内装パネルはシートまで含めてロブソンレザーでの総張り替えを実施。室内の静音性も徹底追求し、フルチューンスペックでありながら、快適なクルージングを楽しめる環境を構築している。
エクステリアはデザイナーを本業とするオーナーが最も拘った部分。エアロパーツの選定から内部の処理、インタークーラーのコアサイズ、車高のバランス、各部の塗り分け…等々、妥協せずにオンリーワンの個性とカッコ良さを追求したそうだ。
「かなり大掛かりなメニューになっちゃった(笑) でも、オーナーは満足してくれているし、腕があってちゃんと乗りこなしてくれているから嬉しいよ」と塚田代表。
オーナーの想いを汲み取りながら、オーテックツカダが腕を振るった会心の作。まさに究極と呼ぶに相応しいストリートスペックと言えるだろう。
SPECIFICATIONS
■エンジン:RB26DETT改3.3L(650ps)/RB30ブロック改/HKS TO4Zタービン/レーシングウエストゲート/88φピストン改/コンロッド/90mmストローククランク/強化ヘッドボルト改/F-CON Vプロ/NISMO燃料ポンプ×2/ATTKDエアクリーナー(エアフロレス仕様)/フロントパイプ/美響マフラー ■駆動系:ATSカーボントリプルクラッチ ■サスペンション:ATTKD仙脚スペシャル車高調(F14kg/mm R12kg/mm) ■ブレーキ:エンドレス6ポッドキャリパーキット ■ホイール:ボルクレーシングGT-A限定 ■タイヤ:ポテンザS-03(275/30-19) ■エクステリア:GPスポーツフロントバンパー/NISMOサイドステップ、リヤバンパー、ドライカーボンボンネット/トップシークレット リップスポイラー/ノーマル+スーペリア リヤウイング 他
●取材協力:オーテックツカダ 長野県長野市大豆島5862-1 TEL:026-221-3086
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