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快適な長距離クルーザー:ジープ・アベンジャー 成長過程の特有な個性:BYDドルフィン 魅力的な特徴は多いケド:ボルボEX30 お手頃EV 12台比較(2)

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快適な長距離クルーザー:ジープ・アベンジャー 成長過程の特有な個性:BYDドルフィン 魅力的な特徴は多いケド:ボルボEX30 お手頃EV 12台比較(2)

10位:ジープ・アベンジャー 快適な長距離クルーザー

以前から、ジープ・アベンジャーの評価は高かった。今日は、ロンドンの自宅から審査会場まで運転したが、その印象も良かった。高速道路を快適に走れる、長距離クルーザーだと理解できた。入力へ正確に反応し、一般道でも扱いやすかった。

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シートには横方向のサポート性がもう少し欲しいが、運転姿勢も好ましい。コンパクトSUVというより、ハッチバックのようだ。

駐車場では、アウトドア感を漂わせるスクエアなスタイリングが際立つ。試乗車の鮮やかな塗装も、若々しい雰囲気へ貢献していた。

しかしライバルと乗り比べると、意外にも明確な強みが薄いことへ気付く。単独では素晴らしいのだが、審査員6名の評価は伸びなかった。

特に足を引っ張ったのが、乗り心地。高速道路ではフラットで快適なものの、速度域が低い一般道では印象が曇る。アスファルトの剥がれた穴を通過すると、明確な衝撃を鋭く車内へ届けてしまう。

落ち着きでは、ルノー・メガーヌ E-テック・エレクトリックの方が上。重み付けの良いステアリングホイールは感触が乏しく、連続するカーブを楽しめるわけではない。

内装の知覚品質も、強みとはいえないだろう。硬質なプラスティック部分が多く、一部は組み立てが甘いように見えた。より高級感があり、空間の広いモデルが、今回の12台には多かった。

アベンジャーは良いクルマだと思う。イメージへ共感したら、素直に選んで後悔はしないだろう。だが実力派が揃った比較では、つぶさに優劣が見えてしまった。人間工学と電費効率も、改める余地はありそうだ。

9位:BYDドルフィン 成長過程にある特有な個性

BYDドルフィンの車内には、特有の匂いがある。見た目や乗り心地も、特有といっていい。一般的な欧州メーカーのモデルへ乗り慣れていると、不自然に感じる部分はある。好きになりにくい、と感じる読者もいらっしゃるだろう。

ボディカラーの設定は面白い。アイボリーの他に、ピンクやパープルも選べる。インテリアは雑貨のようだし、センターモニターは縦向きから横向きへ回せる。歩行者への接近警告音は、筆者が聞いた中で1番大きい。その音は、クジラの鳴き声のようだった。

車内空間は、ボディサイズを考えればかなり広い。シートの座り心地も褒められる。サスペンションはソフトで、乗り心地重視。コンフォート・グレードの場合、今回の12台では英国価格が最も安く、装備も充実している。

しかし、インフォテインメント・システムのソフトウエアは詰めが甘い。充分に機能しない運転支援システムをオフにするだけでも、操作は複雑。スピード違反していないのに、誤って警告されたことはしばしば。

実際の電費は、さほど良くない。急速充電能力も平均以下で、長距離旅行が得意とはいえないだろう。小さなドルフィンが成長過程にあることは否めない。

実際のところ、MG 4 EVロングレンジのSEグレードの方が更に安く、洗練されている。交差点での加速時にトルクステアが表れたり、トラクション・コントロールのお世話になることもない。乗り心地は硬めでも、一体感ある運転を楽しめる。

8位:ボルボEX30 期待へ応える特徴は多いが・・

ボルボ最小のバッテリーEV、EX30。ブランドの牽引役として、自ずと多くの期待と注目を集めた。3万ポンド(約567万円)台前半の価格に、充実した装備、特別感のあるデザインなどは、大きな魅力として機能している。

今回やってきたのは、英国価格3万8545ポンド(約729万円)で、シングルモーターのエクステンデッドレンジ。審査員6名からの関心は高かった。タッチモニターでしか操作できない、多くの車載機能の実際に好奇心を抱いた人も多かった。

テスラも、同じようなインターフェイスを備える。しかしシステムは洗練され、メニューやグラフィックのデザインは理解しやすく、遥かに使いやすい。

EX30のタッチモニターも大きいが、ドアミラーの角度調整やグローブボックスの開閉、スピードメーターまで、その1面に集約されている。実際に運転すれば、好ましいデザインだといえないことが見えてくる。

スタイリングは魅力的。運転した印象も良い。車内は開放的で、ルノー・メガーヌ E-テック・エレクトリックとは異なるテイストで、居心地が良い。全体的なパッケージングは素晴らしいだけに、とても惜しい。

リアシートは狭め。プラットフォームを共有する#1より明らかに。荷室容量も318Lと限定的だ。ドライバー監視機能は、交差点への侵入時に左右を確認しただけで、警告を鳴らす。乗り心地は、ブランドのイメージより硬めでもある。

確かに、EX30は期待へ応える特徴も多い。反面、評価の足を引っ張る部分も少なくなかった。それでも、選ばれし12台のノミネートで8位。悪いクルマではない。

ジープ・アベンジャーとBYDドルフィン、ボルボEX30のスペック

ジープ・アベンジャー・サミット(英国仕様)

英国価格:3万8645ポンド(約730万円)
全長:4080mm
全幅:1780mm
全高:1530mm
最高速度:149km/h
0-100km/h加速:9.0秒
電費:6.2km/kWh
航続距離:394km
CO2排出量:−
車両重量:1520kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:50.8kWh
急速充電能力:100kW
最高出力:156ps
最大トルク:26.4kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

BYDドルフィン・コンフォート(英国仕様)

英国価格:3万140ポンド(約570万円)
全長:4290mm
全幅:1770mm
全高:1570mm
最高速度:160km/h
0-100km/h加速:7.0秒
航続距離:426km
電費:7.0km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1658kg
パワートレイン:AC非同期モーター
駆動用バッテリー:60.4kWh(実容量)
急速充電能力:88kW
最高出力:203ps
最大トルク:29.5kg-m
ギアボックス:1速リダクション(前輪駆動)

ボルボEX30 シングルモーター・エクステンデッドレンジ・プラス(英国仕様)

英国価格:3万8545ポンド(約729万円)
全長:4233mm
全幅:1836mm
全高:1549mm
最高速度:180km/h
0-100km/h加速:5.3秒
航続距離:476km
電費:5.9km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1885kg
パワートレイン:永久磁石同期モーター
バッテリー:64.0kWh(実容量)
急速充電能力:−kW
最高出力:271ps
最大トルク:34.9kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

この続きは、お手頃EV 12台比較(3)にて。

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