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【自宅に充電設備ナシ】 メルセデス・ベンツEQE 350 4マティックSUVにて自宅からロングドライブ

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【自宅に充電設備ナシ】 メルセデス・ベンツEQE 350 4マティックSUVにて自宅からロングドライブ

長距離の条件は走行距離とADAS

鈴鹿サーキットを往復する取材を頼まれたので、スマホのナビで我が家からの走行距離を調べてみると411kmと出た。

【画像】メルセデス・ベンツEQE 350 4マティックSUVローンチエディション試乗の様子をみる 全45枚

だったらBEVで行ってみる手もありなのではと考えた。最近のBEVは一充電航続距離が500kmを超えるものも珍しくないし、自分自身も以前よりはるかにBEVのロングドライブに苦手意識がなくなってきているというのもある。

じゃあどの何を借りるか? 今どき長距離ドライブで重要なのはACCの完成度、それ以外にはないだろう。となればメルセデスかBMWかボルボか。この分野は日進月歩なので他にも選択肢はあるはずだが、それでもステアリングスポーク上にスイッチが集約されていないメーカーのそれは好きではない。

結果的に今回はスケジュールとの兼ね合いによってメルセデス・ベンツのEQE350 4マティックSUVに決まった。ひとり乗りとはいえ長距離ドライブなのでDセグくらいのサイズ感がありがたい。

そして床下にバッテリーを敷き詰めるBEVの走行距離は車体サイズとある程度は比例している。EQE SUVは大きすぎず、でも一充電走行距離はWLTCモードで528kmもある。まさに今回の条件に最適な1台だったのである。

BEV初心者の逡巡、走行距離、一喜一憂

都内でEQE SUVを借りた瞬間、バッテリーの状態はなんと100%だった。走行可能距離は474km、その横にはMAX544kmとある。走ること以外に一切電気を使わず、禁欲的に過ごせばWLTC数値を越えるらしい!

もちろん暖房も灯火類もナビも使わずなんて無理なので、信用すべきは474kmの方なのだが。でもこれまで経験したほぼ全てのBEVがカタログ数値の2割減くらいの走行距離だったことを考えれば今回の1割減は優秀? それだって演算の仕方次第なのかもしれないが。

ところが翌日朝、自宅で旅の荷物を積み込み「さあ出発!」という段のバッテリー残量は82%、走行距離は335kmになっていた。鈴鹿まで充電ナシという目論見はいとも簡単に消え去った。BEVは自宅に充電設備があってこそ、という常識を再確認させられたわけだ。

東名横浜インターでは70%/273km……なんてイチイチ電費のことばかり心配している自分が少し嫌になった。メーターパネルの端っこには「目的地まで238kmあるので、その手前143km地点で充電すべし」的な表示が出ている。つまり電気のことはクルマ任せにしていて問題ないのである。

途中充電、時間のロスをなくすには?

今回のEQE SUVで体感した最高の瞬間は新東名における120km/h巡航だった。

オプション装着のエアマティックサスペンションの巧みなロードホールディング、そしてBEVならではの静粛性や振動のなさのおかげで、ちょっとした“滑空体験”ができたのである。

もちろん高速巡航ではADASに頼りっぱなし。ADASによる自動運転はレベル1から5まであるが、現在はほぼほぼレベル2に留まっている。けれど最新のメルセデスのそれを体感してしまうと、レベル2の中にも2.1から2.9まで色々とあるのだという事実を思い知らされる。

前走車の発見も早いし、加速も減速も丁寧だし、カーブではインターチェンジレベルの曲率までちゃんと追従してくれるし、あと走行中の車線内の位置が左寄りからいくぶん中央寄りになった点もありがたい。

結局途中充電はメルセデスのナビが提案した場所ではなく刈谷SAで行うことにした。隣の湾岸長島SAの方が最大150kWの充電スタンドがあるのだけれど、最大90kWのスタンドしかない刈谷の方が昼飯の選択肢が豊富だったから。

BEVの途中充電は、30分の充電時間を無駄なく過ごせるかどうかで、ロスをなかったことにできるのだ。

ロングで感じた明らかなアドバンテージ

結局、今回の旅では3回ほど途中充電を行った。クルマが提案してくれた計画ではホテルに着いたときのバッテリー残量が8%しかなかったからだ。

自宅と目的地に充電器があることを前提としているのだろう。ちなみにサービスエリアの充電器は平日だったのでどこもガラ空き。むしろEVの充電スペースに関係のないクルマが停まっていたくらい。BEVが普及していないからこその快適充電? それは本末転倒というヤツだろう。

ロングドライブは快適性能と途中充電の煩わしさを計りにかける必要があるが、今回、総計1000キロほどを走ったEQE SUVに関しては静粛性と乗り心地の良さに大きなアドバンテージがあると実感した。また走行距離に対する出費をざっくり計算した場合でも、BEVはICE車の半分以下で済むというのも大きなメリットといえる。

これまでBEVの恩恵はピンとキリにあると思っていた。つまり超高級なロールスロイス・スペクターか、日産サクラを近場のアシとして乗るか、である。だがもし1台ですべてを賄うのだとしたら、ほど良いサイズ(オプションの後輪操舵は必須だ)で機能満載のEQE SUVこそ、その有力な候補になると思う。

試乗車のスペック

価格:1369万7000円(税込 オプションなし)
全長×全幅×全高:4880×2030×1670mm
駆動方式:AWD
車両重量:2630kg
電動機種類(フロント/リア):交流同期電動機
最高出力(システム):292ps
最大トルク(システム):78.01kg-m
蓄電池種類:リチウムイオン電池
交流電力量消費率:208(WLTC)
一充電走行距離:528(WLTC)
タイヤサイズ:265/40R21(フロント)265/40R21(リア)

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みんなのコメント

9件
  • hid********
    ほんの1300万だから丁度いい、訳ねーだろ!
    クソ高いな。
  • **********
    >>翌日朝、自宅で旅の荷物を積み込み「さあ出発!」という段のバッテリー残量は82%、走行距離は335kmになっていた。

    ここにEVの全てが詰まっていると思う。
    EVは使い物にならない嘘つき。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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