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【試乗】新型 ランボルギーニ カウンタック LPI 800-4|ランボルギーニが目指した“乗りやすさ”を実現したフラッグシップの完成形

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【試乗】新型 ランボルギーニ カウンタック LPI 800-4|ランボルギーニが目指した“乗りやすさ”を実現したフラッグシップの完成形

“伝説の名”を復活させてアピールしたかったこととは

1971年に衝撃のデビューを飾ったランボルギーニ カウンタック(クンタッチ)。昨年、その生誕50周年をサンタガータ自身が祝って発表したのが“新型”カウンタックだった。正式名称をカウンタックLPI 800-4(以下、カウンタック800)という。

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LPはカウンタック以来、ランボルギーニのフラッグシップモデルに継承されてきたパワートレーンレイアウトを象徴する頭文字であり、最新のアヴェンタドールまですべて“LP”だった。見慣れぬ I の一文字はハイブリッド(イタリア語でイブリッド)のイニシャル。残りは800cv(馬力)の4WDを意味する。 パワートレーンだけを取り出せば、それは限定車シアンと同様の大容量スーパーキャパシタ付きマイルドハイブリッドシステムを備えた6.5LのV12エンジンとISRミッションということになる。

シアンはアヴェンタドールの一つの理想形にして完成形。新型カウンタック800を知る前に筆者自身、そんな結論を下していた。否、新型のデビューを知ったあとでも、シアンと中身は同じだから試乗がかなったとしてもシアンがアヴェンタドールの最終進化形であるという結論が揺らぐことなどないと思っていた。

逆にいうと、“カウンタック”という伝説のネーミングを復活させてまでサンタガータはいったい何を、ランボルギーニファンやクンタッチマニアにアピールしたかったのか、それが気になって仕方なかった。まさか50周年を祝うだけの“思いつき”でもあるまい。単なる思いつきであれば、ミウラ40周年のときと同じように1台のみのコンセプトカーを製作し、本社のミュージアムに飾っておけばよかった。

中身はシアンの流用でガワだけ伝説に似せたシロモノだったなら、“カウンタック”というネーミングを使ったことに対する批判も免れなかったであろう。オリジナルカウンタックを今も愛し続けるファンやマニアへの裏切りでしかない。

カウンタック以降のフラッグシップモデル、ディアブロやムルシエラゴ、アヴェンタドールはLPレイアウトを踏襲するがゆえ、すべて“カウンタック”であったと断じてきた筆者は、もちろんアヴェンタドール派生であるシアンと中身が同じという事実をもってカウンタック800を“カウンタック”であると援護していた。けれども正直、形と名前をオリジナルに寄せただけで中身(=ドライビングテイスト)が同じ車を作られたんじゃたまらないとも思っていたのだ。

とはいえ、新型を試す機会などそうそうない。本社を訪ねて白いデモカーに乗るか、さもなければ日本で納車されたオーナー(12名!)にお願いするしかない。今回、取材に協力いただいた黒いカウンタック800は、昨年発足したサンタガータ本社公認の「ランボルギーニ・クラブ・ジャパン」会長に納車されたばかりの個体であった。 インスタなどで納車された個体を見ていると派手な色味が多く、ブラックは逆に珍しい。オリジナルカウンタックのフォルムをうまく再現できたことがよくわかる色合いだ。

上等なインテリアマテリアルに気を使いつつ、ゆっくり落ち着いて走り出す。“カウンタック”を駆るといつも身体が勝手に興奮してしまうから、あえてじっくりスタートするのだ。

と、走り出してすぐさま、シアンとはなんだか違うドライブフィールだと思った。すべてのあたりが柔らかいとでも言おうか。シアンはもっと硬派だった記憶が……。交差点で曲がっていくと確信に変わる。シアンではフロントがもっと踏ん張った印象、つまりより大きな弧を描いて曲がっていく感覚があったのだ。対してカウンタックはというと、トレッドの広さもシアンほどには感じさせず、ノーズが向きを変える瞬間もステアリング操作により忠実だった。端的に言って、ずっと乗りやすい。シアンの方が大きな車に乗っているようで、一体感もカウンタック800の方が上だ。

断然に乗りやすい。シアンはもちろん、アヴェンタドールのSやウルティメに比べてもそうだ。シアンとカウンタック800のマイルドハイブリッドはバッテリーではなく電気の出し入れを瞬時に行うことのできるスーパーキャパシタを積んでいる。その特性を活用し、ISRミッションに特有のクセ=シフトアップ時のトルク落ちを電気モーターのトルクで補いならすよう設計されているのだ。その制御自体もシアンに比べて上等な気がした。よりスムーズに加速するからだ。そして、乗り心地もベター。乗れば乗るほどに扱いやすさが身にしみる。

そういう意味ではこのカウンタック800はいっそう成熟し洗練されたアヴェンタドールかもしれない。これなら毎日乗ることができると思う。この扱いやすさはカウンタックという名前から皆さんが想像されるイメージとかなり違うかもしれないが、昔のカウンタックLP400も扱いにくかったミウラの反省から生まれた車で、実際、とても乗りやすかった。 サーキットでも試乗した。V12を高回転域までぶん回すと、アヴェンタドール以外の何者でもない。やっぱり、シアンよりもアヴェンタドールのテイストを強く感じる。攻め込んだ領域でのパフォーマンスではひょっとするとシアンの方が優れているかもしれない。その代償がオンロードでの違和感だったとすれば納得できる。

やはりカウンタック800こそアヴェンタドールの完成形だった。その乗りやすさは、そのイメージとは裏腹にランボルギーニが昔から目指してきたことの一つである。創始者フェルッチオが目指したのは、爆音を撒き散らす過激なだけのスーパーカーではなかった。理想はスーパーカー界のロールスロイスだったのだ。 文/西川淳 写真/タナカヒデヒロ 協力/ランボルギーニ・クラブ・ジャパン

ランボルギーニ カウンタックの中古車市場は?

1971年のジュネーブショーでデビューを飾ったスーパーカーを代表する1台。後のフラッグシップモデルも取り入れ続けた、V12エンジンをリアミッドシップに縦置きレイアウトする、パオロ・スタンツァーニによるLPレイアウトを採用。1974年から1990年まで進化を続けながら生産されてきた。

2022年12月現在、中古車市場には9台が流通しており、そのうちクワトロバルボーレ(QV)が5台という流通状態となっている。絶大な人気を保ち続けるモデルゆえに、30~40年も前の車としては現存個体は多いと思われる。ただ、希少価値は年々高まり続けているモデルとなる。 ランボルギーニ カウンタックの中古車を探す▼検索条件ランボルギーニ カウンタック× 全国文/編集部、写真/アウトモビリ・ランボルギーニ

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みんなのコメント

6件
  • 年末ジャンボ~・・・
  • 子供の頃に流行ったスーパーカー、大人と成り一時期は購入出来る価格に下がったけど、維持費や故障の言い訳をして購入しなかった。現代のカウンタックは大人でも全く手が届かない高嶺の花ですが、スーパーカーはそれで良いと思う。自分に購入する財力と勇気が無かっただけ。
    メーカーが今の技術で製作するとこう成ると見せてくれた事に感謝です。子供から大人に成っても憧れる車を作るのは凄い事ですよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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