世界に1台だけの特別な希少モデル
「GT-R」を得意とする全国のショップを訪問し、そこに集うR濃度の高いユーザーに、GT-Rへの愛情を思い存分に語ってもらいました。今回訪れたのは、昨今GT-Rマーケットで存在感を高めている三重県の「CREWCH(クルウチ)」。今回紹介するのは、R35 GT-Rの中でもレアな1台に乗る奥田慎司さん。R35ファンなら羨む、マニア垂涎の個体だったのです!
ケンメリやジャパンを乗り継いだオーナーが最後に日産R34「スカイラインGT-R」を購入し悲願達成! なぜフロントバンパーは純正のまま?
手を加えることなく大事に乗り続けていきたい
一見すると中期型(2011年~2016年モデル)のイメージカラーであるオーロラフレアブルーパールをまとった、単なる2013年モデルであるが、じつは奥田さんが所有するのはR35史でもかなりレアな個体だ。
ポイントはフロントリップ左右のエアダクトと太い6本スポークがガッチリとリムに締結するホイール。これを見て高性能モデルであるスペックVと予想した方……は残念ながらハズレ。今回紹介するGT-Rは、2012年&2013年モデルのピュアエディションのみにセットオプションとして用意された「ピュアエディションforトラックパック」である。
これはサーキットでのスポーツ走行も想定した特別なモデルであるスペックVの訴求版という立ち位置で、エンジン&ブレーキは標準と同じだが、専用開発の足まわりにホイール、カーボン製エアダクト付きフロントスポイラーやリアシートの撤去などこだわりが満載。シートも形状こそ標準車に準ずるが、滑りにくい表皮の採用と両サイドのブルーのラインがスペシャルなモデルであることを主張する。
わずか2年間のみ設定されていた希少グレードを奥田さんが手にしたのは2023年4月。それ以前も2008年モデルのR35を所有していたが、初期型特有のダッシュボードのクラックといった細かいトラブルが出始めた。
最初はメンテナンス相談でCREWCHを訪問したそうだが、ストックヤードで見たオーロラフレアブルーパールのR35にひと目惚れ。レアなトラックパックであることに加えて、ノルドリンク(NordRing)の鈴木利男さん(往年のレジェンドドライバーの1人でありでR35型GT-Rの開発ドライバー)が所有していた開発車両兼デモカーであると聞かされ、ほぼ迷うことなく乗り換えを決断。久留内社長から「大事に乗り続けてくれるなら」という約束で譲り受けたそうだ。
「もともと中期型が好きで少し個性も出したい、と久留内社長に相談したら、『これがあるよ』と見せてくれたのが今の愛車です。パッと見はノーマル然としていますが、大型ダクト付きリアバンパー、通称“赤足”と呼ばれるサーキットスペックダンパー、内装もカーボンパネルを含めてノルドリンク製パーツがてんこ盛り。さらにNISMOのチタンマフラー、プロジェクトμのブレーキローター&パッド、リアにはロールケージも組み込まれており、知れば知るほど、乗れば乗るほど特別なクルマであることを感じます」
コクピットに座り、センターマーク付きのDシェイプステアリングを握ると自然と気分が高まるという奥田さん。車両についての詳細は今も不明な点が多いというが、素人ながら、トータルバランスに優れていることはヒシヒシと感じるそうで、手を加える必要はまったくないと大満足だ。
R35 GT-Rの開発ドライバーが仕上げたトラックパック。希少かつ正統派な1台だけに、まさに宝物を手にしたと言っても過言ではない。
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みんなのコメント
求めているのはこれじゃないというのもあるし庶民に買えないというのもある。一部のマニアだけ盛り上がって社会全体ではスポーツカー離れが進むのも納得。