現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 英イネオス 新型EV製造でマグナと提携 オフロード向け四輪駆動車、2026年発売予定

ここから本文です

英イネオス 新型EV製造でマグナと提携 オフロード向け四輪駆動車、2026年発売予定

掲載
英イネオス 新型EV製造でマグナと提携 オフロード向け四輪駆動車、2026年発売予定

マグナに製造委託 2026年発売へ

英国のイネオス・オートモーティブは、2026年に小型の電動オフロード車を発売することを皮切りに、10年以内にラインナップを4車種に拡大する予定だ。

【画像】化学会社から無骨なオフローダー現る【イネオス・グレナディアを写真で見る】 全20枚

内燃エンジン搭載のグレナディアに続く同社2台目の市販モデルで、BMW Z4やジャガーIペイス、そして最近ではフィスカー・オーシャンを製造している製造大手マグナ・シュタイヤーによって、オーストリアのグラーツで作られる予定だ。

マグナはグレナディアの構想に深く関わっており、小型の電動オフローダーのエンジニアリング開発作業もすべて担当することが確認されている。イネオス・オートモーティブの最高執行責任者はハンス・ペスラー氏であり、以前、マグナでプロジェクト・マネージャーを務めていた人物だ。

EV以外のイネオスの車両は、フランスのハンバッハ工場で製造される見込みだが、同社は世界中に製造施設を新設する可能性も排除していない。

イネオス・オートモーティブのCEOであるリン・カルダー氏は、マグナとのパートナーシップについて次のように述べている。

「わたし達は、重要な最初の製品(グレナディア)のエンジニアリングで協力したことで、マグナの敏捷性、専門知識、経験を車両開発プログラムに適用することの価値を目の当たりにしました」

「グレナディアを足がかりに、グローバルな自動車ブランドとして2つ目のモデルラインを成長させるために、わたし達のコラボレーションを深めることは自然なステップです。再び最高のパートナーと協力し、2026年にまた世界クラスの製品をお客様にお届けします」

英イネオス、自動車部門を拡大

イネオス・グループは英ロンドンに本社を置く化学会社であり、その自動車部門として同社のオーナーであるジム・ラトクリフ氏が立ち上げたのがイネオス・オートモーティブだ。ニッチなオフロード車メーカーではなく、1つのブランドとして確立し、EVや高級車の市場でも信用を築くべく野心的な拡張計画を進めている。

AUTOCARの取材に応じたラトクリフ氏は、これまでにイネオス・オートモーティブ部門の立ち上げに約13億ポンド(約2170億円)を費やしたと明かし、流通やマーケティングチャネルが確立されていても、4車種のラインナップを成立させるには40億ポンド(約6680億円)を超える費用がかかると示唆している。

当初は遅れこそあったものの、グレナディアの製造台数は2023年中に年間約25000台まで増強され、米国を含む世界市場で販売が開始される予定である。

一方、新しい小型の電動オフロード車の開発は順調に進んでいるとみられ、スタイリングはほぼ決定し、プラットフォームの開発完了も間近に迫っている。サイズとしては全長4.7mのグレナディアよりかなり短く、全長4.3mのランドローバー・ディフェンダー90に近いと考えられる。

EV用に開発された新しいプラットフォームを使用するが、グレナディアのデザイン要素を引き継ぎ、オフロード性能も向上させる予定だ。ラトクリフ氏は、400kmの航続距離を目標に掲げている。

「グレナディアより小さく、独自のキャラクターを持ちますが、弟のように見えるでしょう。先月、最新のクレイモデルを見ました」

「EVなので、必然的に重量は多少重くなりますが、グレナディアの航続距離と性能を維持できるものと期待しています。妥協するつもりはありません」

「現場志向」のオフロード車

最高執行責任者のペスラー氏は以前、「他のメーカーと提携し、技術共有も考えましたが、オフロードというニッチな分野に進出し、すべての車両が本物であると信じられるレベルの能力を確保するのであれば、独自の道を歩むしかありません」と語っていた。

ペスラー氏はまた、このプラットフォームのサイズを拡張・縮小可能であることを認めたが、その有用性について検討している段階だとした。さらに、高度なトルクベクタリング・システムやモーター技術の搭載を否定し、イネオスが開発する車両は、現場でのメンテナンスが容易であることが必要だと語った。

車全体の技術コンセプトは年内に決定し、細かい修正とテスト作業は来年初めから行われる予定だ。オーストリアの有名なシェークル山(Gクラスの開発も行われた)での信頼性テストも予定されている。

ペスラー氏は、新型車の開発のためにエンジニアリング・チームの規模を拡大することの難しさを強調し、「専門知識を導入するのは簡単ですが、最も注力しなければならないのは文化です。やるべきことは山ほどありますが、急成長しすぎないことが重要です」と述べている。

イネオスはエンジン車やEVだけでなく、水素自動車の開発も検討しているが、乗用車への導入はまだ先になりそうだ。ラトクリフ氏は、現行モデルの水素燃料電池(FCEV)バージョンの開発を否定することはしなかったが、発売までの期間を考えると、その可能性は低いと認めている。

現在ネッソFCEVを販売し、今後数年間で水素商用車を拡大する計画を持つヒョンデ(現代自動車)との提携により、イネオスは水素で走るグレナディアのプロトタイプを開発していた。

しかし、ラトクリフ氏は、大型商用車以上の用途で水素が採用される可能性は短期的には低いと述べ、水素補給ステーションが散発的に展開されることが大きな欠点であり、当初はバッテリーEV開発に注力すべきとした。

自動車部門トップへ独占インタビュー

AUTOCARはイネオス・オートモーティブのリン・カルダーCEOに独占インタビューを行った。

――あなたの経歴を教えてください。

「石油、ガス、化学製品です。イネオスで2度CEOを務めたことがありますが、自分のやり方を知ってもらい、信頼してもらえれば、チャンスは巡ってくるものだと思います。イネオス・オートモーティブには、自動車を理解する人がたくさんいます。今必要なのは、10年後、15年後も存続できるような、持続可能な計画です」

――自動車はお好きですか?

「はい。多くの人がそうであるように、わたしもフォード・フィエスタ(かなりボロボロの中古車)で運転を覚えました。そして今、わたしは幸運にもポルシェ・マカン・ターボを所有しています。購入体験は魅力的なものでした。この仕事に関われるだけの経験はあります」

――自動車のディテールについて、どの程度手を入れていきますか?

「簡単に言えば、わたしはスプレッドシートを見るためだけにここにいるわけではありません。好奇心旺盛でチャレンジすることが好きなので、いろいろと質問しています。ルールブックを破るのではなく、なぜそのようなやり方があるのかを知り、果たしてそれがベストな方法なのかを考えるためです」

――新しい自動車会社の立ち上げは、大きな一歩だと感じますか?

「わたしは幸運にも、これまでのキャリアの中で、大きな財務的責任とチームとしての責任を伴う、素晴らしい職務に就くことができました。わたしはこれまで、キャリアプランを立てたり、ずっと同じ仕事をすることに憧れたりしたことはありません。変化が好きなのです。チームを理解し、構築し、モチベーションを高める必要があります。楽しみです、怖くはありません」

――ジム・ラトクリフ氏はどのような上司ですか?

「素晴らしい人ですが、要求が高い。彼は、内気で引っ込み思案だから今の地位にいるわけではありません。好奇心旺盛で、イネオスの他のオーナーと同様、遠回しな関与はしません。かなり直接的な関係ですが、わたしはそれが気に入っています。何が期待されているのか、よくわかるんです」

こんな記事も読まれています

母国でドゥカティワークスが1-2フィニッシュ。マルティンは最終ラップで敗れ3位/第7戦イタリアGP
母国でドゥカティワークスが1-2フィニッシュ。マルティンは最終ラップで敗れ3位/第7戦イタリアGP
AUTOSPORT web
フィアット「ドブロ」 おトクな限定車登場 純正ドラレコなど嬉しい装備がプラス
フィアット「ドブロ」 おトクな限定車登場 純正ドラレコなど嬉しい装備がプラス
グーネット
HKS、BMW専門店「スタディ」とタッグ!BMWアフターパーツ新ブランド設立
HKS、BMW専門店「スタディ」とタッグ!BMWアフターパーツ新ブランド設立
グーネット
【ポイントランキング】2024スーパーGT第3戦鈴鹿終了時点
【ポイントランキング】2024スーパーGT第3戦鈴鹿終了時点
AUTOSPORT web
3番手走行で今季初表彰台を狙ったスバルBRZがヘアピン立ち上がりでストップ。山内英輝「駆動が伝わらなくなった」
3番手走行で今季初表彰台を狙ったスバルBRZがヘアピン立ち上がりでストップ。山内英輝「駆動が伝わらなくなった」
AUTOSPORT web
ポルシェのフィーリングを20万円で体感!? ラフェスタの走りがマジでいい! 新社会人にオススメしたいクルマ7選
ポルシェのフィーリングを20万円で体感!? ラフェスタの走りがマジでいい! 新社会人にオススメしたいクルマ7選
ベストカーWeb
VW「ゴルフGTI」で「ゴルフ」通いはできる? スポーツモードは「1番ウッド」並みに気持ちよくかっ飛びます【AMWリレーインプレ】
VW「ゴルフGTI」で「ゴルフ」通いはできる? スポーツモードは「1番ウッド」並みに気持ちよくかっ飛びます【AMWリレーインプレ】
Auto Messe Web
藤井誠暢「この場に戻って来られて嬉しい」 ファグ「良い気分で帰れそう」【第3戦GT300決勝会見】
藤井誠暢「この場に戻って来られて嬉しい」 ファグ「良い気分で帰れそう」【第3戦GT300決勝会見】
AUTOSPORT web
笹原「結構厳しかった」 アレジ「ミスなく走れたのは右京だからこそ」【第3戦GT500決勝会見】
笹原「結構厳しかった」 アレジ「ミスなく走れたのは右京だからこそ」【第3戦GT500決勝会見】
AUTOSPORT web
【最終結果】2024年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニア パワーステージ後
【最終結果】2024年WRC第6戦ラリー・イタリア・サルディニア パワーステージ後
AUTOSPORT web
フォルクスワーゲン・ティグアン 詳細データテスト おすすめは実用グレード デジタル化はほどほどに
フォルクスワーゲン・ティグアン 詳細データテスト おすすめは実用グレード デジタル化はほどほどに
AUTOCAR JAPAN
D’stationが初優勝の独走ポール・トゥ・ウイン。最重量mutaはレースでも強い/第3戦GT300決勝レポート
D’stationが初優勝の独走ポール・トゥ・ウイン。最重量mutaはレースでも強い/第3戦GT300決勝レポート
AUTOSPORT web
タナクが0.2秒差で逆転。ヒョンデ復帰後初勝利、日曜最速はヌービルに/WRCイタリア最終日
タナクが0.2秒差で逆転。ヒョンデ復帰後初勝利、日曜最速はヌービルに/WRCイタリア最終日
AUTOSPORT web
中古車狙ってる人必見!! 無給油・充電だけで「1000km」走ってわかった初代アウトランダーPHEVの実力
中古車狙ってる人必見!! 無給油・充電だけで「1000km」走ってわかった初代アウトランダーPHEVの実力
ベストカーWeb
ニュルブルクリンク24時間耐久レースの裏側に潜入取材! 極寒のパドックをレポートします【みどり独乙通信】
ニュルブルクリンク24時間耐久レースの裏側に潜入取材! 極寒のパドックをレポートします【みどり独乙通信】
Auto Messe Web
トップENEOSが痛恨のピットミス。Deloitte笹原&アレジが待望の初優勝でGRスープラ1-2/第3戦GT500決勝レポート
トップENEOSが痛恨のピットミス。Deloitte笹原&アレジが待望の初優勝でGRスープラ1-2/第3戦GT500決勝レポート
AUTOSPORT web
シビック タイプRで24時間レースに挑戦!【石井昌道】
シビック タイプRで24時間レースに挑戦!【石井昌道】
グーネット
巨大グループ期待の星! 新型プジョーE-3008へ試乗 ダッシュ力競争から1歩引いた214ps
巨大グループ期待の星! 新型プジョーE-3008へ試乗 ダッシュ力競争から1歩引いた214ps
AUTOCAR JAPAN

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

776.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索
ネッソの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

776.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

-万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村