フォーミュラE第7戦ミサノE-Prixの決勝は、ポルシェのパスカル・ウェーレインが今季2勝目をマークした。
ミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリをショートカットするレイアウトで初開催されているミサノE-Prix。第7戦はダブルヘッダーの2戦目として、日曜日に開催された。
■これじゃ予選の意味ないよ! フォーミュラEの節約合戦にドライバーから批判の声
予選はジェイク・ヒューズ(マクラーレン)がジャン-エリック・ベルニュ(DSペンスキー)を下してポールポジションを獲得。第6戦では予選4番手ながら車載消火器が作動していなかったとして、最後尾からのスタートとなってしまっただけに、リベンジを誓う形だ。
第6戦でトップチェッカーを受けながら車検で失格となったアントニオ・フェリックス・ダ・コスタ(ポルシェ)は最後尾22番手。繰り上がり優勝しポイントリーダーに浮上したオリバー・ローランド(日産)は10番手からのスタートとなった。
とはいえ、前日のレースではエネルギーをマネジメントするため超スローペースの展開に。目まぐるしく順位が入れ替わり、予選順位はあまり大きな意味を持たなかった。
一方で、第7戦は第6戦よりも周回数が2ラップ少ない26周に。これがレースにどういった変化をもたらすかが注目された。
レースがスタートすると、ヒューズがホールショットを奪う。ベルニュが2番手に続く中、8番グリッドからスタートしたニック・キャシディ(ジャガー)が3番手までポジションを上げた。
とはいえ、各車のペースは1周1分26秒台。予選よりも10秒近く遅いペースでのラップとなった。他車のスリップストリームを使うことで1周あたり0.8%ほどエネルギーを節約できるという試算もある中、ヒューズはしばらくレースをリード。ただ4周目に4番手までポジションを下げた。
序盤から各車が積極的にアタックモードを使用し、順位も目まぐるしく変化。キャシディやベルニュ、ウェーレインが入れ替わるようにトップに立った。
5周目になると、ラップタイムは1分22秒台まで速くなり、徐々に隊列が縦長になっていった。しかし7周目、集団の中で他車にフロントウイングを踏まれてしまったロビン・フラインス(エンヴィジョン・レーシング)がターン7でマシンを止めたため、セーフティカーが出動することとなった。
この時点でトップはニコ・ミューラー(アプト・クプラ)。ウェーレイン、キャシディ、ヒューズ、ローランドというトップ5となった。
9周目にレースは再開。ここでアタックモードに入るマシンが多く、すでに2度のアタックモード使用義務を消化していたキャシディがトップに立った。
ただキャシディも積極的にエネルギー消費の多い首位を走るつもりはないようで、ウェーレインに先頭を譲った。
ダ・コスタやノーマン・ナトー(アンドレッティ)が他車との接触でフロントウイングにダメージを抱えピットインを強いられるなど接近戦が続く中、首位に立ったローランドは1分20秒台までペースを上げた。
首位のローランドとウェーレインが隊列から少し抜け出す形となったが、ウェーレインの方がバッテリーを2%多く残す有利な状態。そのためローランドは、18周目にウェーレインに首位を譲ったものの、その後押し出されるように再び首位に戻った。
ウェーレインの方が2~3%バッテリーが多い状態のまま、ローランドはむしろハイペースで飛ばし、ウェーレインに1.3秒の差をつけてファイナルラップに突入したが、バッテリーを使い果たしてしまったようで、スローダウン。レーシングスピードで走る他車にごぼう抜きされた。
ウェーレインは危なげなくチェッカーにたどり着き開幕戦以来の優勝。2位には昨年王者のジェイク・デニス(アンドレッティ)が入った。
キャシディは巧みなバッテリーマネジメントで他車より3%ほど多くエネルギーを残し、それを終盤に放出。ミューラーより0.050秒速くチェッカーを受け、3位表彰台を獲得した。
なお、5番手でフィニッシュしたヒューズは他車との接触で5秒のタイム加算ペナルティを受け、8位に降着。日産のサッシャ・フェネストラズが5位に入っている。
第6戦でノーポイントに終わったウェーレイン、キャシディが好結果となった一方で、ローランドは電欠。どうやらデータ制御の面で何らかの読み違いがあったようだ。この結果、ウェーレインと2戦連続で2位を獲得したデニスとウェーレインが同ポイントで並び、勝利数の関係でウェーレインがポイントリーダーとなっている。
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まさかのガス欠レーサーなんて見たことも聞いたこともない!
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