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嘘のように速いホットハッチ:MG 4 EV Xパワー 「まさにコレ!」な正当性:クプラ・ボーン お手頃EV 12台比較(6)

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嘘のように速いホットハッチ:MG 4 EV Xパワー 「まさにコレ!」な正当性:クプラ・ボーン お手頃EV 12台比較(6)

3位:MG 4 EV Xパワー 嘘のように速いホットハッチ

残るは1位と3位。4万ポンド(約756万円)の予算でバッテリーEVを選ぶなら、優れた動力性能や操縦性、ドライバーとの一体感も犠牲にしたくないと考えて当然だろう。ある程度の実用性と、充分な航続距離を担保しながら。

【画像】2024年のベスト・コストパフォーマンス・バッテリーEV トップ4に輝いたモデルはコレ! 全115枚

厳しさを増す市場は、徐々に成熟している。運転を楽しみたいと考えるドライバーに対して、説得力ある選択肢も登場している。

ツインモーターで400馬力以上のMG 4 EV Xパワーが、その1台。0-100km/h加速3.8秒という俊足を備えつつ、384kmの航続距離が主張されている。充分なグリップ力を発揮できる路面なら、嘘のように速い。

全長は、7位のフォルクスワーゲンID.3とほぼ同じ4287mm。実用性の高い、四輪駆動の電動ホットハッチを、3万6440ポンド(約688万円)で手に入れることができる。

パッケージングを見る限り、モーターショーのステージに飾られる、理想的なバッテリーEVだと思えてくる。それでは、実際に見て運転した印象は?

スタイリングは、他ブランドのモデルと比較すると、ちょっと磨き込みが足りないだろう。とはいえBYDドルフィンのように、馴染みのなさは回避できていると思う。駐車場に並んでいても、魅力がないわけではない。

車内空間は充分広く、シートの座り心地も良好。小物入れは多く、荷室容量にも不満はない。だが、インフォテインメント・システムの使い勝手や、トリップコンピュータのスイッチ・レイアウトには改善が必要そうだ。

良くも悪くも、ドライバーの気持ちを刺激する

それでも、全体的には細部まで考え抜かれ、しっかり製造されたバッテリーEVだといえる。MGモーターは中国資本にあるが、何かのマネをしたようには見えないし、違和感を覚えるわけでもない。

中国製モデルの中では、成功と呼べる仕上がりにある。その国で作られる家電や家具のように、普通に日常へ馴染めるはず。そして一般道へ出てみると、普通ではない速さが見えてくる。

筆者の意見では、ツインモーターのXパワーではなく、シングルモーターで64kWhの駆動用バッテリーを積んだ、ベーシックなMG 4の方が理想的だったと思う。英国価格は2万9995ポンド(約567万円)と、他を圧倒するほど安い。

しかし、MGモーターが現在貸し出せる4は、Xパワーしかなかった。同社は、価格価値や航続距離、動力性能など、4万ポンド(約756万円)以下の電動ハッチバックへ求められる能力をカバーできると主張した。

ツインモーターのXパワーは、車重が1800kgと、ボディサイズの割に重い。それでも、操縦性は悪くない。姿勢制御は引き締まり、乗り心地は充分に落ち着いている。操舵に対する反応も良い。フォルクスワーゲンの「GTI」ほどではないとしても。

カーブが連続する道で、運転にのめり込める爽快さがある。ただし、435psもある最高出力を、すべて発揮させなければ。良くも悪くも、ドライバーの気持ちを刺激してくれるバッテリーEVだ。

1位:クプラ・ボーン まさにコレ!と感じる正当性

対してクプラ・ボーンは、4 EV Xパワーにはない、際立った洗練性を獲得している。車重1765kgに対して最高出力は230psだから、そこまで速いわけではない。しかし不満なくパワフルで、直線番長的な、一元的ではない面白さを味わえる。

4 EV Xパワーより足取りは軽快。ステアリングホイールを切れば、バランス良く回頭していく。航続距離へ気を配ることなく、確実なトラクションでスピードを展開できる。タイヤをスピンさせ、電気を無駄に使っているのでは、という疑問を抱かずに済む。

リアに積まれた駆動用モーターは、リアアクスルを動かす。後輪駆動らしく、機敏で自然。安定した挙動で、カーブを駆け抜けられる。運転を楽しめるバッテリーEVとして、期待される条件を確実に満たしている。

ボーンには、「まさにコレ!」と感じるような正当性がある。今回のように12台を並べて比較すると、改めて強みが炙り出されてくるようだ。そこには、巧妙なパッケージングも含まれている。

ルノー・メガーヌ Eテック・エレクトリックやボルボEX30、ジープ・アベンジャーと異なり、2名の大人がリアシートでくつろげる。ボディの四隅にタイヤが配置され、ホイールベースは長いものの、小回りが良く利くのも強みだ。

総合的な訴求力 3年目でも凌駕するライバル不在

兄弟モデルとなるフォルクスワーゲンID.3が7位で、ボーンが1位に輝いた理由とは。それは、より大胆に仕立てられたスタイリングと、上質な内装素材、スポーティなサスペンションとパワートレインなどによって引き出された、総合的な訴求力にある。

スタビリティ・コントロールの制御も異なり、ドライビング体験は明らかに違う。意欲的に扱えば、走りへ惹き込まれる。旋回時のバランスは素晴らしく、アクセルペダルの加減でライン調整も可能。バッテリーEVはつまらない、という主張を覆すように。

12台のノミネート車両の中で、実用性はトップではない。電費も、6.4km/kWhと平均的なものではある。それでも、バッテリーEVとしての完成度は間違いなく高い。

駐車場に並んでいても、存在感は充分。ドライバーの気分次第で、ダイナミックな喜びも与えてくれる。4万ポンド(約756万円)以下の選択肢で、最も特別な仕上がりにあることは間違いないだろう。

ボーンの発売は、3年前に遡る。だが、まだ凌駕するライバルは姿を表さないようだ。

MG 4 EV Xパワーとクプラ・ボーンのスペック

MG 4 EV Xパワー(英国仕様)

英国価格:3万6440ポンド(約689万円)
全長:4287mm
全幅:1836mm
全高:1504mm
最高速度:199km/h
0-100km/h加速:3.8秒
航続距離:384km
電費:5.3km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:1800kg
パワートレイン:ツインAC永久磁石同期モーター
バッテリー:61.8kWh(実容量)
急速充電能力:−kW
最高出力:435ps(システム総合)
最大トルク:61.1kg-m(システム総合)
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)

クプラ・ボーン 58kWh e-ブーストV2(英国仕様)

英国価格:3万9150ポンド(約740万円)
全長:4322mm
全幅:1809mm
全高:1540mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:6.6秒
航続距離:421km
電費:6.4km/kWh
CO2排出量:−g/km
車両重量:1765kg
パワートレイン:AC永久磁石同期モーター
駆動用バッテリー:58.0kWh
急速充電能力:125kW(DC)
最高出力:230ps
最大トルク:31.6kg-m
ギアボックス:1速リダクション(後輪駆動)

2024年のベスト・コスパEV 順位と得点

2024年の欧州における、コストパフォーマンスに長けたバッテリーEVを選出した今回の比較試乗。最後に、ノミネートした12台の順位と獲得点数をご紹介したい。

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みんなのコメント

3件
  • *******
    日本のEVは嘘のように遅いんだぜ
    テスラでは当たり前のことがことごとく日本のEVでは出来ないんだぜ
    だから売れないんだぜ
  • ote********
    俺達は化石燃料で走るエンジン車にしか興味がないんだ。
    それもターボでガンガン加給してさ。環境に悪い事をイッパイするんだ。
    それもイジってなんぼってヤツをね。
    EVってイジれないだろ? ノーマルそのままで乗るなんて絶望しかないぜ。
    ジジィになってさ、オツムがアヤしくなって来たらEVを考えてもいいよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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