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【詳細データテスト】BMW2シリーズ FRの魅力は健在 220iは日常使いに おすすめは230i

掲載 28
【詳細データテスト】BMW2シリーズ FRの魅力は健在 220iは日常使いに おすすめは230i

はじめに

最近の注目を集めるモデルたち、iXや1シリーズ、4シリーズ、そして発表まもない7シリーズを考えると、今日のBMWは、ノスタルジックで、自社のヘリテージを重視しているメーカー、という印象は受けないだろう。

【画像】BMW 2シリーズとライバル 全15枚

典型的なBMWの特徴といえば、長いボンネットと後輪駆動、控えめなキドニーグリル、そしてホフマイスターキンクといったところ。そのどれもが、排除されたり、大幅な再解釈をされたりしている。

そこで、今回取り上げる2シリーズクーペである。いま、これ以上トラディショナルなBMWはない。先に挙げた特徴は、どれも正しく備わっている。ハイブリッドは設定されず、ストレート6はラインナップされている。

ではデザインは、保守的なファンを惹きつけて、新しいユーザー層には見向きもされないようなものか、というと、そんなことはまったくない。より伝統主義的なユーザーの心を掴みつつ、若いユーザーにも訴求するというのは意図的な戦略だと、BMWのデザイン部門を率いるドマゴイ・デュケックがわれわれに語ったのは昨年のことだ。それこそ、マイナーチェンジした5シリーズに、やたらデカいグリルを付けなかった理由だ。

デュケックはまた、こんなことも口にした。「ノイエクラッセが、きわめて典型的な3ボックスのシルエットをしているのには、理由があるんです。同じことは、現代のBMWすべてに当てはまります。2シリーズクーペは、最高のサンプルです。いかにも後輪駆動らしいプロポーションを、3ボックスに落とし込んでいます。このセグメントに、こういうクルマはほかにありません」。

彼らのクルマがパイオニアで、この上なくユニークだというメーカーの主張は、えてしてかなりの誇張なのだが、このクルマに関してはおそらく真実だ。比較的コンパクトな2+2クーペはいまやレアで、それが後輪駆動となればなおさらだ。

アウディTTはちょっとばかり古くなってしまったし、ルックスはここまでスポーティではない。フォード・マスタングでは大きすぎて高すぎるし、トヨタGR86は英国への割り当て分が完売してしまった。

新型BMW2シリーズはこのクラスのリーダーとなることが決まったようなものだが、代わりに4ドアクーペやハッチバックを選んでも不足はない。6気筒のM240iはすでに試乗し、グランドツアラー的なキャラクターでわれわれを魅了した。今回の220iはそうした魅力を一部なりとも、より低い価格で実現できているのだろうか。

意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆

ここ最近で、奇数シリーズのクーペ的なモデルは、偶数ではじまる車名を与えられるようになった。3シリーズクーペは4シリーズ、X5のスロープルーフ版はX6、といった具合に。それは2シリーズも同様で、このモデルのルーツは1シリーズクーペだ。

というのは、ラインナップ全体における相対的なポジションの話。このG42型2シリーズクーペは、メカニズム的にみて前輪駆動となった1シリーズとの関連性は皆無だ。さらにいえば、同じ2シリーズを名乗っても、グランクーペやアクティブツアラーとはまったくの別物である。

プラットフォームは、3シリーズ以上のエンジン縦置きモデルが用いているCLARのショートバージョンだ。であれば、ハイブリッドやEVの設定も不可能ではないはずだ。ところが、いまのところそういうプランがあるという情報は聞こえてこない。

その代わり、エンジンのラインナップは3/4シリーズの昔ながらの部分からいいとこ取りしている。先代2シリーズクーペと同じく、レイアウトはエンジンをフロントに縦置きした後輪駆動。サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンクだ。

4シリーズと同じDNAを持ったがゆえに、2シリーズはかなり大きくなった。全長は+105mmの4537mm、全幅は+64mmの1838mm。E46系3シリーズクーペと比較しても47mm長く、1990年代末のE38系7シリーズに限りなく近い幅になっている。結果として、4気筒の220iでも、車両重量は1546kgに達している。

PHEVやEVが幅を利かせている世の中にあっては、さほど重く思えないかもしれないが、四輪駆動のアウディS3スポーツバックと比べると46kg重い。最近のBMWが、重量の問題を抱えていることは明らかだ。

内装 ★★★★★★★★★☆

先代2シリーズクーペや、それ以前のハッチバックと基礎を共有していた1シリーズクーペは、インテリアにコストダウン重視の形跡が見て取れた。しかし、新型2シリーズクーペは、言ってしまえば4シリーズのショート版なので、上位機種と同じダッシュボードやセンターコンソール、そしてシートが用いられている。

ということはつまり、内装のマテリアルや組み付け、仕上げをメルセデスCLAやアウディA3と比較すると、ひとクラス上のクルマに乗っている気分が味わえる、ということになる。たしかに硬いプラスティックが目につく部分もあるが、それもドアの下のほうなど、普段は視界に入らない箇所だ。

標準装備はアナログメーターで、テスト車に装着されていた六角形のモチーフが折り重なったグラフィックのデジタルメーターはオプション。しかしこの夏には、全車とも12.3インチのメーターパネルと、14.9インチのタッチ式センター画面を一体化した、大画面の曲面ディスプレイが装備される予定だ。

さらにオプションで用意されるヘッドアップディスプレイは、小さなフリップアップ式ではなく、フロントウインドウ投影式だ。かなりシンプルだが、非常によくできている。バンプを乗り越え続けるようなときにも、視界の隅で映像がゆらめくような感覚がない。

このサイズのクーペなら予想できることだが、キャビンはフル4座ではなく、せいぜい2+2といったスペースだ。後席のレッグルームはシティカー並みで、ヘッドルームはかなり制限される。子ども用としては十分すぎる、といったところだ。USB-Cポートは2口設置されている。使い勝手は、フロントシートをどれくらいスライドするかでかなり左右される。

トランクスペースの容量は390Lで、アウディTTをはじめGR86やアウディS3セダン、メルセデスAMG CLA35などより大きい。ただし、A3やCLAの前輪駆動モデルは、これよりわずかに広い。

走り ★★★★★★★☆☆☆

184psで1.5tの220iは、取り立てて速いクルマではない。0-97km/h加速は7.3秒で、いまやBセグメントのハッチバックでもこれより1秒は速い。

この発進加速タイムは、トヨタの先代86と同程度だ。とはいえ、トヨタと違ってBMWは、ターボエンジンを採用している。30.6kg-mのトルクは、86の2.0Lフラット4より9kg-mも太く、中間加速にはその差がはっきり表れている。

たとえば、4速・48−113km/hは、ギア比がややロングであるにもかかわらず、先代86より3.4秒速い。それはすなわち、路上での220iは、ゼロスタートの数字から想像するよりわずかながらも速く感じられるということだ。

にもかかわらず、われわれは230iこそが2シリーズクーペのスイートスポットだと考える。価格は3655ポンド(約60万円)高いが、61ps/10.2kg-mアップする。とくに、パワーもトルクも上がったGR86と比較するなら、なおさらこちらだ。

2シリーズクーペは全車、ZF製の秀逸な8速ATを搭載し、DCTだと勘違いしてもおかしくないくらい素早く変速する。パドル操作へのレスポンスや、スムースではないシフトの際にときどき発生するショックもそうだ。さらにいえば、エンジンのレスポンスにも、トルクコンバーターがすべっているような兆候はまったくない。

最新のBMWが軒並みそうであるように、この2シリーズも走らせ方をさまざまに変更できる。エコプロモードではレスポンスが鈍くなり、ノーマルはその名のとおりノーマルな印象だが、ギアボックスの設定はややモード燃費を最適化する目的が感じられる。結果、エンジンが無理をすることになり、洗練性が損なわれている。

スポーツモードではレスポンスが向上するが、セレクターレバーをスポーツモードに入れたときとは異なり、1段あたりのギアを長く引っ張りすぎることはない。スロットルレスポンスも鋭くなり、合成エンジン音が大きくなり、ステアリングの手応えが重くなり、ブレーキも過敏になる。

ただし、ブレーキの設定変更はまったくの無駄だ。ノーマルモードでさえ、このクルマを文句なくスムースにストップさせるのは難しい。

スポーツ・インディヴィデュアルを選ぶと、それぞれの要素を個別に調整することはできるが、効きのきついブレーキだけは別だ。これはフラストレーションがたまる。というのも、ギアボックスがベストなのはスポーツモードで、合成エンジン音も本当に気分を盛り上げてくれるからだ。直4でも直6でもなく、まるで昔のフォードにあったV4のような、おもしろみのある音色だ。

増幅されていないB48ユニットのサウンドは個性に欠ける。ただし窓を開ければ、ターボやエキゾーストの音がキャビンへ入り込んでくる。

使い勝手 ★★★★★★★★★★

インフォテインメント

われわれはしばしば、BMWのインフォテインメントシステムを絶賛してきた。理由は単純。市販されているものの中でベストだからだ。

この2シリーズクーペには、レスポンスが非常にいいタッチ式ディスプレイと、ロジカルな構成のメニュー、おなじみのダイヤル式コントローラーと、その周りを囲むショートカットボタンのパネルが備わる。

Apple CarPlayとAndroid Autoは標準装備で、いずれもワイヤレス接続に対応。それでも、純正ナビは使う価値あり。渋滞による遅れの予測はGoogleに劣らず、進行方向の指示はメーターパネルとヘッドアップディスプレイに表示することもできる。

それにも増して便利なのが、1~8の数字が振られた1列のボタンだ。ここにほぼすべての機能を割り当てることができる。

それなのに、この便利な機能がいくつもなくなってしまうのはどうにも納得できない。夏のマイナーチェンジで大型曲面ディスプレイが採用されると、この番号付きボタンや、独立したエアコンパネルが姿を消す。新型2シリーズ・アクティブツアラーからは、ダイヤルコントローラーさえ姿を消してしまったのだ。

燈火類

アダプティブLEDヘッドライトはパワフルで、ナビゲーションのデータを使ってハイ/ローを制御するほか、対向車や歩行者を検知すると減光して眩惑を防止する。

ステアリングとペダル

右ハンドルのBMWは、幅広いトランスミッショントンネルを避けるためにペダルが右方向へオフセットする傾向にあるが、テスト車はAT車なのでさほど問題はない。とはいえ、スロットルペダルが右寄りなのはわかるだろう。

操舵/安定性 ★★★★★★★★☆☆

220iは、電光石火といった形容が似合うクルマでもない。このシャシー全般において、重要な点は後輪駆動ベースゆえのシャシーバランスだ。

M135i xドライブは同じような価格で、どちらを選ぶか迷うところかもしれない。しかし、コーナリングをより楽しめるのは220iクーペのほうだろう。少なくともそこに関してはそれでいいと思う。つまり、2シリーズクーペが提供すべき価値は、ハンドリングにこそあるのだ。

全体的には、それは叶えられている。ただし、ハードコアなスポーツカーのレベルを期待しなければ。4WDのM135iなら、ウェットコンディションでのトラクションはもっと上をいくし、マツダ・ロードスターならもっと楽しめる。220iの強みはバランスだ。

えてして控えめなエンジンのBMWは、後輪駆動を堪能するにはパワー不足だといわれがちだ。ところが、それがこの220iにはあてはまらない。それは公道上でオーバーステアに持ち込みたがるからではなく、ちょっとハードに走らせたとき、コーナーでアウトへ膨らまず後ろから押し出されることで、それを感じられるからだ。

もちろん、ウェット路面なら状況は劇的に変わる。220iのパワーでも、リアのピレリはすぐにホイールスピンするようになる。

低い重心とオプションのウルトラローポジションシートも、曲がりくねった道を自然に流れるような2シリーズの走りに寄与する。そう、動かさなければいけない重量はかなりあるが、背の高いクルマよりは積極的に動く。

ステアリングのロックトウロックは2.2回転で、シャシーの安定性を損なうナーバスさが出てしまいそうだが、BMWは可変レシオのラックを効果的に使っている。ペースは自然に感じられ、クイックレシオだと思わされるのは駐車の時くらいだ。開けた路上であれば、どれくらい切ればよかったか、切ってから後悔するようなことにはならない。

そうは言っても、フィードバックは感じられない。最新のステアリングラックの水準からすれば、安心感のある手応えがあり、フロントタイヤの荷重をそれなりに感じ取れるほうだが、ほかを探せばもっとインフォメーションを伝えてくれる操舵系はある。スポーツモードでは手応えが不自然に重くなるが、フィードバックが増えるわけではない。

真正MモデルではないBMWにありがちなのだが、この2シリーズにも制約はある。そこそこ速めのコーナーでは、フロントアクスルがゴムブッシュによって上下動の収束に間を必要としているように感じられる。グリップはしてくれるのだが、コンフィデンスが5%ほど目減りする感じだ。

快適性/静粛性 ★★★★★☆☆☆☆☆

220iの洗練度が足りない部分をほかにも挙げるとすれば、それは乗り心地だ。英国においてはクーペモデルはMスポーツのみで、4気筒モデルにはアダプティブダンパーが装備されないというのが相場だ。これは見直すべきだろう。Mスポーツ仕様のパッシブダンパーは、不整路面をうまくいなしきれない傾向にあるのだから。

大きめのバンプを乗り越えるときには、サスペンションが車体の重量をコントロールできない。ジャガーや、アダプティブダンパーを備えたBMWのなかには、このクルマと違って、そういう場面でも煩わされないものがある。つまり、このクルマでは大きな上下動をはっきり感じてしまうのだ。

また、19インチホイールは、舗装の穴を乗り越えるときにショックを伝えてくることがあり、路面が荒れていると乗り心地は常に過敏で落ち着かない。サスペンションは、スポーティなクーペとしては適度で、硬すぎるというわけではないのだが、もう少し抑えが効いてもいいと思わされる。

もっとも、日常使いで耐えられないほどではない。ホットハッチの多くはもっと乗り心地が悪いし、すばらしく快適なシートがかなり埋め合わせてくれている。クッションはしっかり硬めだが、サポート性は秀逸。そして、これよりドライビングポジションのアジャストが効くシートにはそうそうお目にかかれない。

遮音性に関しては、残念な結果となった。113km/h巡航で69dBAというのは、このクラスではかなりうるさいほうだ。ただし、主観的にはそこまでひどいとは感じないし、ハーマンカードンのオーディオは後輪から発生するロードノイズをかなり打ち消してくれる。

結果的に、220iはそこまで不快なクルマではない。とはいっても、BMWである以上、もっと高いレベルを期待してしまう。

購入と維持 ★★★★★★★★☆☆

2シリーズクーペのエントリーモデルである220iの価格は、3万6010ポンド(約594万円)から。現在、新車の後輪駆動クーペを探すと、これより安い選択肢はない。もっとピュアなドライバーズカーかもしれないGR86は3万ポンド(約495万円)以下の設定もあるが、英国仕様は完売してしまった。

後輪駆動クーペという条件をあきらめれば、同じような価格帯で競合しうるクルマは少なくない。一番近いライバルはアウディTTだろうが、ジャガーXE P250やメルセデスCLA 200、また身内のBMW M135i xドライブも、さまざまな理由で魅力的な選択肢となりうる。

われわれとしてはより上位の230iがおすすめグレードで、価格は3万9655ポンド(約654万円)。4万ポンド(約660万円)を切るくらいの価格帯となると、フォルクスワーゲン・ゴルフRやアウディS3、メルセデスAMG A35が競合モデル。下位グレードであれば、BMW4シリーズやアウディA5も視野に入る。

2シリーズは安いクルマではないが、後席や荷室の広さを求めなければ、日々付き合いやすい。BMWの保証は3年だが、最新の3シリーズのガソリン車が見せる信頼性は非常に高い。

1週間のテストで計測した燃費は、動力性能テストも含めて、平均12.0km/L。高速道路の長距離巡航では、14km/L以上に達した。

アクティブセーフティシステムについても、ほかのクルマよりずっと不満は少ない。その働きぶりは上々で、実体スイッチで楽に切ることができる。アダプティブクルーズコントロールはオプションで、テスト車には未装備だったが、ほかのBMWで使ってみた経験からすれば、大きな問題は一切なかった。

スペック

レイアウト

BMW伝統のレイアウトを踏襲する2シリーズクーペ。4WDも設定されるが、ベースはエンジンフロント縦置きの後輪駆動だ。

サスペンションはフロントがマクファーソンストラット、リアがマルチリンク。実測したテスト車の重量は1546kgで、前後重量配分は51:49だ。

エンジン

駆動方式:フロント縦置き後輪駆動
形式:直列4気筒1998ccターボ、ガソリン
ブロック・ヘッド:アルミニウム
ボア×ストローク:φ94.6×82.0mm
圧縮比:11.0:1
バルブ配置:4バルブDOHC
最高出力:184ps/5000~6500rpm
最大トルク:30.6kg-m/1350~4000rpm
エンジン許容回転数:6600rpm
馬力荷重比:123ps/t
トルク荷重比:20.5kg-m/t
エンジン比出力:92ps/L

ボディ/シャシー

全長:4537mm
ホイールベース:2741mm
オーバーハング(前):831mm
オーバーハング(後):965mm

全幅(ミラー含む):2026mm
全幅(両ドア開き):3920mm

全高:1404mm
全高(トランクリッド開き):1640mm

足元長さ(前席):最大1180mm
足元長さ(後席):最大740mm
座面~天井(前席):最大1025mm
座面~天井(後席):855mm

積載容量:390L

構造:スティールモノコック
車両重量:1490kg(公称値)/1546kg(実測値)
抗力係数:0.26
ホイール前/後:8.0Jx19/8.5Jx19
タイヤ前/後:225/40 R19 96Y/255/35 R19 93Y
ピレリPゼロ
スペアタイヤ:なし(パンク修理キット)

変速機

形式:8速AT
ギア比/1000rpm時車速〈km/h〉
1速:5.25/8.4
2速:3.36/13.2
3速:2.17/20.4
4速:1.72/25.7
5速:1.32/33.6   
6速:1.00/44.3
7速:0.82/53.9
8速:0.64/69.2
最終減速比:2.81:1

燃料消費率

AUTOCAR実測値:消費率
総平均:12.0km/L
ツーリング:16.6km/L
動力性能計測時:7.9km/L

メーカー公表値:消費率
低速(市街地):11.1km/L
中速(郊外):15.4km/L
高速(高速道路):18.2km/L
超高速:-km/L
混合:15.4km/L

燃料タンク容量:52L
現実的な航続距離:626km
CO2排出量:148g/km

サスペンション

前:マクファーソンストラット/コイルスプリング、スタビライザー
後:マルチリンク/コイルスプリング、スタビライザー

ステアリング

形式:電動、ラック&ピニオン
ロック・トゥ・ロック:2.2回転
最小回転直径:11.1m

ブレーキ

前:348mm通気冷却式ディスク、4ポット
後:345mm通気冷却式ディスク、1ポット
制御装置:ABS
ハンドブレーキ:自動、センターコンソールにスイッチ設置

静粛性

アイドリング:35dBA
全開時(4速):73dBA
48km/h走行時:54dBA
80km/h走行時:62dBA
113km/h走行時:69dBA

安全装備

ABS/ESC/AEB/EBD/ブレーキフェード軽減制御/6エアバッグ
Euro N CAP:5つ星
乗員保護性能:成人82%/子供81%
交通弱者保護性能:67%
安全補助装置性能:64%

発進加速

テスト条件:乾燥路面/気温13℃
0-30マイル/時(48km/h):2.5秒
0-40(64):3.9秒
0-50(80):5.5秒
0-60(97):7.3秒
0-70(113):9.9秒
0-80(129):12.8秒
0-90(145):16.5秒
0-100(161):21.3秒
0-110(177):27.5秒
0-402m発進加速:15.9秒(到達速度:142.3km/h)
0-1000m発進加速:29.0秒(到達速度:186.5km/h)

ライバルの発進加速ライバルの発進加速
トヨタGT86(2012年)
テスト条件:乾燥路面/気温18℃
0-30マイル/時(48km/h):2.8秒
0-40(64):4.1秒
0-50(80):5.6秒
0-60(97):7.4秒
0-70(113):9.5秒
0-80(129):12.0秒
0-90(145):15.2秒
0-100(161):18.8秒
0-110(177):24.5秒
0-402m発進加速:15.7秒(到達速度:147.3km/h)
0-1000m発進加速:28.4秒(到達速度:187.8km/h)

中間加速

20-40mph(32-64km/h):2.9秒(2速)/3.3秒(3速)/4.3秒(4速)

30-50(48-80):2.9秒(2速)/3.3秒(3速)/4.0秒(4速)/5.5秒(5速)/8.0秒(6速)

40-60(64-97):3.5秒(3速)/4.2秒(4速)/5.5秒(5速)/7.7秒(6速)/10.5秒(7速)

50-70(80-113):4.2秒(3速)/4.5秒(4速)/5.8秒(5速)/8.0秒(6速)/11.1秒(7速)/16.8秒(8速)

60-80(97-129):5.4秒(3速)/5.1秒(4速)/6.2秒(5速)/8.8秒(6速)/12.1秒(7速)/19.3秒(8速)

70-90(113-145):6.3秒(4速)/6.7秒(5速)/9.7秒(6速)/13.7秒(7速)

80-100(129-161):8.1秒(4速)/7.9秒(5速)/11.0秒(6速)

90-110(145-177):11.3秒(5速)

制動距離

テスト条件:乾燥路面/気温13℃
30-0マイル/時(48km/h):8.2m
50-0マイル/時(64km/h):22.8m
70-0マイル/時(80km/h):44.8m
60-0マイル/時(97km/h)制動時間:2.53秒

ライバルの制動距離トヨタGT86(2012年)
テスト条件:乾燥路面/気温18℃
30-0マイル/時(48km/h):8.8m
50-0マイル/時(64km/h):24.4m
70-0マイル/時(80km/h):47.3m

各ギアの最高速

1速:56.3km/h(6600rpm)
2速:86.9km/h(6600rpm)
3速:135.2km/h(6600rpm)
4速:170.6km/h(6600rpm)
5速:222.1km/h(6600rpm)
6速:236.6km/h(5330rpm)
7速:236.6km/h(4381rpm)
8速(公称値):236.6km/h(3411rpm)

8速・70/80マイル/時(113km/h/129km/h):1628rpm/1861rpm

結論 ★★★★★★★★☆☆

BMW 2シリーズクーペが、あなたの目にはどう映るだろうか。もしもスポーツカー、もしくはトヨタGR86と肩を並べるピュアなドライバーズカーを期待したなら、ガッカリするはずだ。

その役目を文句なく果たすには、このクルマは重すぎ、シャープさやドライバーに伝わるインフォメーションが十分ではない。そして、テストした220iでは、はっきり言って遅い。

反対に、一般的なセダンやハッチバックよりスタイリッシュで、日常使いできるクーペ、それも前輪駆動よりおもしろみのある走りを求めているなら、非常に魅力的な選択肢といえる。低く寝かせたドライビングポジションと、昔ながらの後輪駆動らしいフィールを楽しんでもらえるだろう。

パーフェクトなクルマではない。快適性も運動性も、標準装備のMスポーツサスペンションとワイドタイヤに損ねられていると思う。しかし、些細な減点要素は、BMWらしい円熟のパワートレインや傑出したエルゴノミクスのインテリア、秀逸なマルチメディアといった美点を曇らせるものではない。

予算さえ許せば、おすすめは上位機種の230iやM240iだ。とはいえ、どの仕様を選んでも、クラシックなBMWクーペの魅力を教えてくれるだろう。

担当テスターのアドバイス

マット・ソーンダーススペックシートを見てはじめて、アルカンターラと組み合わされた素材が本皮ではなく、合皮のセンサテックだと気づいた。それくらい、この素材のクオリティは本革のようだった。

イリヤ・バプラート220iを借りている間、日常使いしていてなんの不自由も感じなかった。寝かせ気味のドライビングポジションはひょろ長い僕の身体にぴったりで、iドライブの操作にイライラするところはゼロ。なにより、前から引っ張られるのではなく、後ろから押される感じが楽しかった。

オプション追加のアドバイス

よりパワフルな230iにアップグレードして、オプションパッケージを賢く選びたい。1250ポンド(約20.6万円)のコンフォートパックにランバーサポートとキーレスエントリーを追加したい。アダプティブクルーズコントロールは、1000ポンド(約16.5万円)のドライビングアシスタンスパックに含まれる。

改善してほしいポイント

・ごちゃついたリアエンドのスタイリングは、もっとクリーンにならないものか。
・パッシブダンパーの改良か、アダプティブサスペンションのオプション設定を求む。
・ロードノイズはもっと抑えてもらいたい。

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みんなのコメント

28件
  • これと新型Z
    どっち買っても幸せになれそうだなあ
  • よくレクサスなどがデザインで批判され、
    欧州車は褒められるケースが多かったと思います。

    自分もBMW含め、欧州車しか乗り続けておりませんが、
    この2シリーズクーペのデザインは、
    正直言って、レクサスのどのモデルよりも酷いですよ。

    どうしちゃったのかな?
    このデザインのガンダム化・・・。

    アウディも最近デティールがやばい気がするので、
    ドイツ勢でいうと、メルセデス・ポルシェ・VW、(MINI)くらいしか、
    見ていられない状況です。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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