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【未来のA8現る】アウディ グランド・スフィア・コンセプト公開 自動運転の高級サルーン

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【未来のA8現る】アウディ グランド・スフィア・コンセプト公開 自動運転の高級サルーン

自動運転×EVの未来像

執筆:Felix Page(フェリックス・ペイジ)

【画像】アウディ・グランド・スフィア【スカイ・スフィアやA8と写真で比較】 全97枚

翻訳:Takuya Hayashi(林 汰久也)

アウディは、新たなコンセプトモデル「グランド・スフィア」として発表した。現行のフラッグシップセダンであるA8の後継モデルを予告するものだ。

グランド・スフィアは「道路上のプライベートジェット」と表現されており、「スカイ・スフィア」や「アーバン・スフィア」と並ぶ未来のコンセプトカーとして、レベル4の自動運転技術を中心に設計されている。

アウディによれば、グランド・スフィアは3台のスフィアシリーズの中で最も量産モデルに近いものだという。2024年のデビューを経て2025年に発売され予定の、A8に代わるフラッグシップ「プロジェクト・アルテミス」を示唆するモデルである。

車内での「過ごし方」とは

自動運転を謳うだけあって、人間が運転する必要がないときには、ラウンジのような環境になるようにクルマの「内側から」デザインされている。

例えば、ステアリングホイールとペダルはバルクヘッドの中に収納されている。リアドアは後方に開き、Bピラーもないため、室内空間を最大限に活用できる。乗員は「個別に演出されたディスプレイとアンビエントライト」で迎えられ、着席すると同時にクライメート・コントロールとシートが乗員の好みに合わせて自動的に調整される。

インフォテインメント・システムは、各乗員がクルマに乗る前にポータブルデバイスで再生していたコンテンツを再生するようプログラムされている。例えば、運転席側のスクリーンには読んでいたニュース記事が、助手席側のスクリーンには視聴途中のビデオが再生されるというものだ。

「ファーストクラスは今やフロントシートにシフトした」とアウディは表現しているが、クルマの制御はもはや「ドライバー」だけのものではない。そのため、フロントシートは最大60度まで倒せるように設計されており、高い快適性を実現している。

一方で、広々とした室内には、中央にアームレストを備えたソファスタイルのベンチが設置されており、リアでも同じように豪華なセッティングが可能となっている。空気清浄や温度管理、そして必要に応じて香りも付けられる。

また、各乗員には「他の乗員には聞こえない」というスピーカーが用意されている。フロントシートの間には、2つのグラスと特別にデザインされたドリンクボトルを備えたクーラーが設置されている。

すっきりとしたインテリアデザイン

特筆すべきは、画面やダイヤルなど物理的な操作系が一切存在しないことである。グランド・スフィアのデザイナーは、「デジタル・デトックス」を目指したという。

メインのフロントディスプレイの下に設置されたセンサーバーにより、タブを瞬時に切り替えることができ、ロータリー式のMMIタッチボタンでメニュー操作することができる。また、完全自動運転時には、視線やジェスチャーで同様の操作を行うことができる。

さらに、乗員の好みを学習し、最終的には1人1人に「パーソナルな提案」を行うことができるという。

全長5350mm、全幅2000mm、ホイールベース3190mmと、ロングホイールベース版のA8よりもはるかに大きいサイズだが、アウディは、従来のセダンというよりも4ドアGTカーであり、「風洞実験から生まれた」流麗なシルエットを強調している。

そのため、EVでありながら長いボンネットを持ち、リアは空力性能を高めるために流線型になっている。量産モデルにどれだけ反映されるかは不明だが、奇抜なデザインの23インチホイールがなくなることはほぼ間違いないだろう。

自動運転を楽しむという考え

グランド・スフィアは、ポルシェと共同開発したPPEプラットフォームを採用している。PPEは、来年発売される新型Q6 eトロンとマカンEVにも採用される。最大270kWの急速充電が可能な120kWhバッテリーを搭載し、航続距離は750km以上、パワートレインはツインモーターの4輪駆動で、最高出力720ps、最大トルク97kg-mを発揮する。

理論的には、0-100km/h加速を4.0秒強でクリアできるが、エネルギーを維持するために最高速度は制限されている。

アウディは、「駆動システムとハンドリングはもはや設計における優先事項ではない」と認めているが、AUTOCARが「自動運転可能なクルマは走り好きのドライバーにとって魅力的か」と質問したところ、戦略部門の責任者であるフィリップ・グンデルトは次のように答えた。

「わたし達は、乗員やドライバーに選択の自由を与えることを非常に重視しています。このクルマは自動運転に重点を置いていますが、もちろん、フィーリングと密接なつながりは維持したいと思っています」

また、乗員は「運転されることを楽しむ」のか、「自分で運転する」のかを決めることができると述べた。

グランド・スフィアには、後輪操舵、アダプティブダンパー、カメラ制御アクティブ・エアサスペンションなどが採用されているが、これらはサイズが大きくてもダイナミックな機動力を保つためのものだ。

「所有」を越えたソリューション

グランド・スフィアはプレミアムな技術と贅沢な体験を提供することに重点を置いているが、その思想は次世代の製品ラインナップにも受け継がれ、配車サービスやカーシェアリングを視野に入れたモデルへと発展していくだろう。

グンデルトはAUTOCARに対し、次のようにコメントしている。

「それは間違いなくわたし達がやろうとしていることです。何が可能なのか、何が求められているのか、お客様がどのような将来像を描いているのかを把握し、それを小型車に反映させるのはもちろんのこと、クルマを所有することを超えた将来のソリューションにもつなげていきたいと考えています」

「また、ターゲットとなるお客様が考える先進的なラグジュアリーとは、必ずしもクルマを所有することではなくなってきていることも確かです」

スフィアシリーズ最後のアーバン・スフィアは、来年7月までに公開される予定だ。都市向けのコンパクトな電動クロスオーバーを予告した2019年のコンセプト「AI:ME」の要素を取り入れたものになると予想されている。

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みんなのコメント

3件
  • 街中で見かけるのを楽しみにしてます😊
  • 30年前、バブルの頃の日本車には、こんなデザインの内外装のコンセプトいっぱいあったよ笑
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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