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新型レクサスRXの電動化モデル、RX450h+とRX500h Fスポーツパフォーマンスは駆動系統に大きな違い【北米仕様プロトタイプ/試乗】

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新型レクサスRXの電動化モデル、RX450h+とRX500h Fスポーツパフォーマンスは駆動系統に大きな違い【北米仕様プロトタイプ/試乗】

レクサスの世界販売台数のうち約4分の1を占めるラグジュアリーSUVがRXである。その5代目となる新型RXは、スピンドルボディや新エンブレムを取り入れた新世代レクサスのデザインを採用。パワートレーンは、ここで詳解する「RX450h+」と「RX500h Fスポーツパフォーマンス」を含む4つを用意している。(Motor Magazine 2022年11月号より)

RXらしい上質感を磨き上げ、走りの素性も高められた
2022年8月の最終週に、カリフォルニアのサンタバーバラを舞台に行われたレクサス新型RX(北米仕様プロトタイプ)の国際試乗会に参加した。この日はカナダのメディアも一緒。RXは彼らの国でも人気というだけでなく、生産もされているだけに、我々日本からのジャーナリストともども、試乗や取材、そして、撮影はとても熱のこもったものとなったのである。

新型RX開発者が語った「素性の良さを鍛える」の言葉の意味、そしてチームワークで引き上げたレクサスの魅力とは

通算5代目となる新型RXのデザインの第一印象は、これまでになく走りそうというものだった。実は全長は4890mmと先代とまったく変わっていないのだが、まず横から見るとホイールベースが60mm 伸ばされて、その分リアオーバーハングが削り取られている。加えてフード前端が立てられ、Aピラーが手前に引かれたことで、ノーズの長さが強調された結果、サイドビューはより疾走感のあるものになった。

それだけじゃない。全幅は25mm増の1920mmとなっているが、とくにトレッドはリアで45mmも拡大されていて、スタンスは明らかに安定感を増している。

ボディとシームレスに続く造形とされたグリルを用いた、スピンドルボディと称されるスタイリングは、とくにこのリアセクションが艶かしい雰囲気。豊かな曲面を描くフェンダーとRXのアイデンティティである角度の寝かされたリアウインドウ、そしてフローティングタイプのCピラーによるスリークなキャビンのコントラストは、いかにもRXらしく、それでいて新鮮さをも醸し出しているように感じられた。

NXに続いて採用されたeラッチにより、手で触れるだけでスマートに開閉できるようになったドアを開けて、室内へ。インテリアは、ステアリングスイッチと大型ヘッドアップディスプレイとの連携により、運転の邪魔をすることなく各種操作が行えるTAZUNA(=手綱)コンセプトをNXに続いて採用。センターコンソールには大画面タッチスクリーンが据え付けられている。ドアからダッシュボード奥までラウンドしたような形状のトリムはクルーザーの船内かのような寛ぎ感で、プレミアムSUVに相応しい雰囲気に仕上がっている。

リアシートの空間も、前席シートバックの薄肉化やホイールベースの延長などによってスペースが拡大。より余裕を感じながら過ごせるようになった。

こうしてRXらしい上質感がさらに磨き上げられている一方で、新型は走りの素性を高めることにも力が割かれた。NXと同様のGA-Kプラットフォームは改良版とされ、とくにボディ後半部分の剛性を向上。それに新開発のリアマルチリンクサスペンションを組み合わせる。土台をしっかりさせた上でジオメトリー適正化、ダンパーレイアウト見直しにより、スムーズなストロークを可能にした。

シャシ性能が向上したことで穏やかな乗り味がさらに進化
パワートレーンは4種類を用意する。今回は、その中でもとりわけ注目のふたつのモデルを紹介したい。RX450h+は2.5L直列4気筒エンジンと電気モーターに18.1kWhの大容量バッテリーを組み合わせたプラグインハイブリッド。そしてRX500h Fスポーツパフォーマンスは、前輪を2.4Lターボエンジン+6速AT+1モーターで、リアを高出力電気モーターを使ったeアクスルで駆動するモデルだ。

いずれにも共通して、まず好印象だったのがシャシ性能の格段の向上ぶりである。サスペンションはソフトな味付けで、段差を乗り越える時などもショックとは無縁。乗り味は穏やかで実にRXらしいのだが、新型はそれでいて速度を上げていった時にも姿勢がフラットに保たれ、ステアリングは中立付近の据わりが良く、軽く添えているだけでピタッと直進してくれるという具合で、ダイナミクス面も非常に質が高いのだ。

静粛性にも唸らせられた。吸音や遮音、風切り音などあらゆるノイズへの徹底した対策が功を奏している。総じて快適性は現行モデル以上であり、満足度は高い。

その点でとくに秀でているのがRX450h+。大容量バッテリーを搭載するおかげで、通常走行時でもハイブリッドモデル以上に積極的に電気モーターを介入させることによる力強さと静粛性の両立を実現している。そう、最大約80kmほどというEV走行だけがその利点ではないのだ。

一方、電動化の旨味を走りの歓びに大きく振っているのが、RX500hである。目指したのはTHS IIが得意とは言えないレスポンスの良さ、伸びやかな加速感。電気モーターのアシストによりアクセルオンの際、そして変速時の過給ラグが打ち消され、反応は俊敏。

そして高回転域ではターボエンジンらしいパワフルさに後輪を駆動するeアクスルのトルクが加わった爽快な伸びを味わえる。さらに、アクティブノイズコントロールでノイズを打ち消し、アクティブサウンドコントロールで快音を付け加えることで、爽快感を倍加させている。

前後の駆動力配分を自在に変化させると謳うダイレクト4は不自然にグイグイ曲げるような性格ではないが、前後制動力を自在に変更できるブレーキシステム、そして最大4度まで切る後輪操舵も相まってコーナリングは軽快。とりわけ立ち上がり加速での、まるで後輪駆動のようにリアから押し出すような感覚は痛快だ。

実は新型RX、発表の際には走りの性能を高めたという部分にかなりフォーカスが当てられていたことから、あるいは今までの快適性重視の走りのキャラクターが、変わってしまっていたりしないかと心配する気持ちもあった。しかしながら実際に走らせてみると、格段に質を高めたフットワークが、持ち前の快適性の進化にも繋がっている見事な躾とされていて、大いに感心させられることになった。

従来のファンを納得させ、新しいファンにも響く。新型レクサスRXは、そんな仕上がりだったと言って間違いなさそうだ。(文:島下泰久/写真:レクサスインターナショナル)

[ アルバム : レクサス RX(北米仕様プロトタイプ)海外試乗 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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みんなのコメント

30件
  • レクサスのSUVラインナップLX、RX、NX
    前モデルはそれぞれV8、V6、直4が搭載されていて
    サイズや中身にもヒエラルキーが有り価格差も理解できた。

    LXがV6になりRXが直4になった、NXはどうするのか?
    まさかダイハツ製3気筒ターボ+モーターは無いだろうが
    RXと同じエンジンなら将来的には淘汰されるだろう。
    セダンのGSと同じ運命、歴史は繰り返す。
  • 値段書いてないが何ドルで販売ですか。値段だけ気になる。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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