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ディフェンダーそっくり? 30分水に浮かべる その場で回転できる 1196馬力のヤンワンU8へ試乗

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ディフェンダーそっくり? 30分水に浮かべる その場で回転できる 1196馬力のヤンワンU8へ試乗

30分水に浮かべ、その場で回転できるU8

クルマでの出勤途中に、海へ突っ込んでしまったら? 普通なら全身ズブ濡れになり、愛車はオシャカになり、朝のミーティングへ遅れることだろう。

【画像】30分水に浮かべる その場で回転できる ヤンワンU8 サイズの近いモデルと比較 全113枚

でも、ヤンワンU8なら大丈夫。30分間なら、水に浮かんでいられるらしい。タイヤを回転させて、ある程度進めるとか。ただし道路に戻った後は、ディーラーで点検を受ける必要がある。

ヤンワンは、中国のBYDによって約1年前に立ち上げられた、新興ブランド。今のところ欧州市場への進出は具体化していないものの、前向きな検討を進めているという。今回巡ってきたメディア向けの試乗会も、その判断材料になるのだろう。

写真を見て、ランドローバー・ディフェンダーに似ている、と感じた読者は少なくないだろう。確かに、筆者もそう思う。とはいえ、それだけとはいわせない、沢山の技術や機能も盛り込まれている。

U8は水に浮かぶだけでなく、前後の駆動用モーターを逆転させ、戦車のようにその場で回転できる。ユーチューブで、他のモデルの動きをご覧になったことがあるかもしれない。豪華なアームレストの小物入れは、-5度から60度まで好きな温度を保てる。

駆動用モーターは、前後左右のタイヤ毎に、合計4基搭載されている。シャシーはボディと別体のラダーフレームで、路面と接する角度は、本格オフローダーのイネオス・グレナディアに迫るという。

4モーターのHV ダッシュボードはベントレー似

U8はバッテリーEVではなく、内燃エンジンのレンジエクステンダーを積んだハイブリッド。車重3500kgあるSUVを、電気だけで不満なく走らせるには、巨大な駆動用バッテリーが必要になってしまう。

2.0Lターボエンジンが発電し、49kWhの駆動用バッテリーと、4基の駆動用モーターへ電気を供給する。甘めの中国規格ながら、電気だけでの航続距離は180km。燃費は、7.1-10.6km/Lになるらしい。

BYDが提供できる、最高のラグジュアリーが目指された車内は豪奢。内装にはナッパレザーとウッドトリムが、惜しみなく投じられている。

翼を広げたようなダッシュボードのデザインは、ベントレーへ強く影響を受けたものだろう。しかし、品質や質感は届いていない。プラスティック製の部品が多く、ウッドパネルも前時代的な水準だ。

乗員空間にはゆとりがある。シートはサイズが大きく、ゆったり座れ、調整域も広い。

モニターも事欠かない。運転席の正面にはメーター用、ダッシュボードの中央にはカーブを描くインフォテインメント用、助手席の正面にもエンターテイメント用が備わる。

試乗車は中国仕様ということで、インターネットを介したストリーミング・サービスに対応していなかった。システムのメニューは、急遽英語へ翻訳されたそうだが、BYDのソフトウエアがベースとのこと。

タッチモニターの下部には、エアコン用のメニューが常時表示され、操作性は良い。ベーシックなBYDにも、反映されるかもしれない。

最高出力は1196ps 期待ほどではない複雑なサス

ヤンワンは、グレートブリテン島にU8を運んできてくれたが、英国の公道に出られる認可は得ていない。あいにく、今回の試乗はグッドウッド・モーター・サーキットを数周走るだけに制限された。

サスペンションは、油圧アクチュエータで車高とスプリングレートを変化させるという、凝った仕掛け。ポルシェがパナメーラ・ターボに与えたシステムと異なり、エアスプリングではなく、コイルスプリングとアンチロールバーで支えられている。

ただし実際は、期待ほど有能なシステムではない様子。積極的にコーナーを攻めても、不安定になることはなかったものの、車重を忘れさせるような身のこなしを生んでいるとは感じなかった。平坦なアスファルトでは、不自然な硬さを感じることも。

4モーターでの最高出力は、総合で1196psもある。その数字から想像するほど、驚異的な加速力ではないが、相当に速いことは事実。内燃エンジンは、静かに回転していた。

試乗中は、不意にパワーが制限される場面があった。トラクション・コントロールが介入していたのか、駆動用バッテリーが電力をセーブしていたのか、理由はわからない。

残念ながらグッドウッドには、U8を浮かべられる大きな池はない。だが、ヤンワンのスタッフは、巨大なボディをその場で旋回させ、笑顔を浮かべていた。全長5320mmのSUVがクルクルと回る様子は、サーカスで玉乗りをする象のように見えた。

足回りへの負担は、小さくないだろう。だが、何度も続けられる耐久性はあるらしい。

見過ごせない技術力 次の展開は?

U8の価格は、中国で110万元(約2268万円)。英国仕様として右ハンドルへ変換され、登録を終えるまでに、さらに上昇することは間違いない。実際の走りや上質さより、目新しい機能などを売りにする新興ブランドとしては、かなり高額といえる。

それでも、ヤンワンの低くない技術力は見過ごせないとも感じた。U8が、数年後に英国の売れ筋モデルになっている様子は想像できない。だが、次の展開が興味深いブランドではあるだろう。

ヤンワンU8(中国仕様)のスペック

中国価格:110万元(約12万ポンド/2310万円)
全長:5320mm
全幅:2050mm
全高:1930mm
最高速度:159km/h
0-100km/h加速:3.6秒
燃費:7.1-10.6km/L(予想)
CO2排出量:−g/km
車両重量:3500kg(予想)
パワートレイン:クワッド永久磁石同期モーター+直列4気筒1997cc ターボチャージャー
使用燃料:ガソリン
駆動用バッテリー:49kWh
最高出力:1196ps(システム総合)
最大トルク:−kg-m
ギアボックス:1速リダクション(四輪駆動)

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みんなのコメント

13件
  • Nakamako
    最近特に目立つ中華製品の提灯記事、日本のモータージャーナリストも金次第なのかね、車重3.5tってトラックかよw
  • まこと
    中国の方は、こう言うのが高級と感じて、好きなんですね
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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