メルセデスF1チームは、育成ドライバーであるアンドレア・キミ・アントネッリをウイリアムズに貸し出すことを検討しており、今シーズン中にF1デビューさせるという案もあるといわれる。
アントネッリは2022年にイタリアF4とドイツF4でタイトルを獲得、2023年にはフォーミュラ・リージョナル・ヨーロピアン選手権(FRECA)のチャンピオンになった後、今年、FIA F2に昇格した。プレマで走るアントネッリは、ここまでの3ラウンドを終えた段階で、ランキング9位に位置している。
ハミルトンの後任候補アントネッリがメルセデスで初のF1テスト「F1のパワーとダウンフォースを味わえて最高の気分」
2019年からメルセデスのジュニアプログラムのメンバーとして活動しているアントネッリに、メルセデスF1代表トト・ウォルフは大きな期待をかけ、当初はルイス・ハミルトンの後任として2026年にF1デビューさせる準備を整えようとしていた。しかしハミルトンが今季末でメルセデスを離れ、2025年にフェラーリに移籍するという決断をしたことによって、メルセデスは来年からアントネッリを乗せることが可能になった。
メルセデスの関係者によると、アントネッリのF2でのデータ、シミュレーター作業、今月レッドブルリンクで行ったF1マシンでの初テストから判断すると、彼はすぐさまF1に参戦して良いパフォーマンスを発揮することが可能であることが分かったという。アントネッリは、4月半ばにレッドブルリンクで2021年型W12に乗り、2日間にわたり500kmを走った。
アントネッリをいきなりメルセデスに乗せるという選択肢もあるが、8月末に18歳になる若い彼を、過度なプレッシャーから守るために、まずは小規模なチームで何年か走らせるべきであると、ウォルフにアドバイスする者もいる。元メルセデス育成で現レースドライバーのジョージ・ラッセルは、ウイリアムズで3年走ってから、メルセデスに昇格した。
ウォルフは今、アントネッリをウイリアムズに貸し出し、2027年初めにメルセデスに呼び戻すというプランを検討している。ウイリアムズのチーム代表ジェームズ・ボウルズとしては、アントネッリと2027年末までの3年契約を結ぶことを希望している。ウイリアムズは、チームメイトとしては、現在のリードドライバー、アレクサンダー・アルボンを維持したい考えだ。
そんななか、契約を今年のイタリアGPからスタートすることでメルセデスとウイリアムズが大筋で合意したともいわれる。ローガン・サージェントを降ろし、8月25日にF1に参戦可能な最低年齢の18歳になるイタリア出身のアントネッリを、8月30日~9月1日のイタリアGPで、F1にデビューさせるという案だ。その場合、アントネッリは2年半をウイリアムズで過ごすことになるだろう。その間、ウイリアムズのドライバーラインナップは、グリッド上最高のひとつになるかもしれない。
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