2030年までにすべてのボルボ車をEVへ
ボルボは2024年3月27日、スウェーデンのトルスランダ工場で、ボルボとして最後のディーゼルエンジン搭載モデル「XC90」を出荷したと発表しました。
【画像】ディーゼル廃止で完全EVメーカーに邁進! ボルボの新世代車を写真で見る(26枚)
ボルボは2030年までにすべてのクルマをEV(電気自動車)にし、完全な電気自動車メーカーになること、そして2040年までに温室効果ガス排出実質ゼロを達成するという目標を掲げていますが、今回はその目標に向けた大きな一歩となります。
ボルボは、2023年9月に開催された気候変動イベント「クライメート・ウィーク・ニューヨーク」で、2024年初頭にすべてのディーゼルエンジン搭載のボルボ車の生産を終了すると宣言。
2024年2月に、ベルギーにあるゲント工場にて最後の「V60」ディーゼルエンジン車が出荷されたのに続き、今回のXC90ディーゼル車が生産ラインから外れたことで、ボルボのディーゼルエンジン搭載モデルの生産が完全に終了したことになります。
ボルボとディーゼルエンジンの歴史は古く、45年前の1979年にまで遡ります。ボルボ初のディーゼル車は「244GL D6」で、当時乗用車用としては世界初採用となったパワフルな6気筒エンジンを搭載していました。
2001年には「V70」に、初の自社製ディーゼルエンジンを導入。この5気筒エンジンはスウェーデンのシェブデにあるパワートレイン工場で製造され、大成功を収めました。以来多くのモデルにこのエンジンが搭載されることになります。
2006年には小型・高効率の1.6リッター「Drive-E」ラインナップが発売されました。これは満タンで1300kmを走行可能でCO2排出レベルが低いため、スウェーデンではグリーンエンジンに分類されました。
2012年には「V60 D6 プラグインハイブリッド」を発売。これはディーゼルエンジンを搭載した世界初のPHEVで、EV走行は50km、航続距離は1000kmに達しながら0−100km/h加速は6.2秒という性能を持っていました。
2013年には自社製ディーゼルエンジンファミリーのVEA(ボルボ・エンジン・アーキテクチャー)を発売。さまざまなモデルに搭載され、とくに第2世代の「XC90」で成功を収めました。
わずか5年前、2019年には欧州で販売されるボルボ車の大半はディーゼル車で、電動モデルはまだ普及しはじめの段階だったといいます。
2023年ではボルボはEVの販売を70%増加させ、世界のEV史上のシェアを34%増加させたといいます。
※ ※ ※
ボルボは2024年2月、完全EVメーカーになることを目指した変革に沿って、EVのモデル名を合理化しています。
従来の「XC40 Recharge(XC40リチャージ)」は新たに「EX40」、「C40リチャージ」は「EC40」という車名に変わります。
また日本でも発売された「EX30」、未導入の「EX90」「EM90」と、ボルボのEVラインナップはEから始まる車名になっていきます。
さらにPHEVモデルは「リチャージ」の名前が外され、出力レベルを表す「T6」「T8」という接尾語のみで示されます。
新たに合理化されたモデル名により、新たなユーザーがボルボ車を購入する際に、どのモデルが完全電気モデルでどのモデルがハイブリッドであるかをさらに簡単に理解できるようになっています。
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