河西工業は5月9日、日産自動車出身の古川幸二氏(62、現ジヤトコ専務)を社長に内定したと発表した。半谷勝二現社長(66)は相談役に就く。6月下旬に開催する株主総会と取締役会で正式決定し、9月上旬に就任予定。交代の理由は「事業再生を早期かつ着実に実現するため」(河西)としている。なお、同人事は日産による河西への出資完了を条件とする。
河西は北米事業の不振などで経営状況が悪化。2022年12月に経営責任を取って辞任した前社長・渡邊邦幸氏に代わって半谷社長が同社トップに就いた。半谷社長のもと、国内外で拠点再編を進めるなど経営再建に取り組んできたが、コロナ禍による自動車生産の落ち込みなどが追い打ちをかけ、2023年3月期まで4期連続の最終赤字を計上した。
日産、河西工業に60億円出資し筆頭株主に 主要サプライヤー支援で供給網を維持
経営再建に向け、金融機関などと378億4千万円の融資契約を結ぶなど資金調達を進めている。9日には主要供給先の日産から60億円の出資を受けることも公表した。新社長に就任予定の古川氏には、早期再建に向けた舵取りが求められる。
古川 幸二氏(ふるかわ・こうじ)1984年4月日産自動車入社。2009年パワートレーンプロジェクト購買部長、14年同兼ルノー・ニッサンパーチェシングオーガニゼーション出向管理職などを経て15年ジヤトコ入社。常務執行役員調達部門長を経て17年から専務執行役員調達部門長。1961年9月生まれ。
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