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最大の強みはインテリア! プジョー3008 ハイブリッド136へ試乗 シートへ座れば魅力を実感

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最大の強みはインテリア! プジョー3008 ハイブリッド136へ試乗 シートへ座れば魅力を実感

1.2L 3気筒ガソリンターボのマイルドHV

欧州ではバッテリーEVの新しいプジョーE-3008へ注目が集まっているが、「E」の付かない内燃エンジン版、3008も存在する。英国価格は1万1200ポンド(約208万円)もお安く、車重は550kgも軽い。

【画像】シートへ座れば魅力を実感 プジョー3008 ハイブリッド136 競合するSUVと比較 全106枚

3代目へモデルチェンジした3008シリーズは、バッテリーEVとして優先的に設計された。対して、内燃エンジン版に載るのは、1.2L直列3気筒ガソリンターボのマイルド・ハイブリッド。英国での販売は、2024年9月からが予定されている。

見た目では、3008とE-3008はほぼ同じ。違いといえば、トランクリッドにEの文字が備わらないことと、ホイールアーチ・モールの膨らみが僅かに弱くなること程度。タイヤの幅が10mm細くなる。

ボディパネルは同一で、全長は4542mm、全幅は1895mm、全高は1641mm。欧州ではCセグメントのど真ん中といえるサイズになり、日産キャシュカイ(旧デュアリス)やフォルクスワーゲン・ティグアンと競合する。

ステランティス・グループで広く共有される、STLAミディアム・アーキテクチャの細かな設計は、E-3008と異なる。巨大な駆動用バッテリーを搭載する必要がないためだ。

とはいえ、バッテリーの保護を前提とした衝突構造は共通で、フロア部分などが大幅に強化されている。このクラスでは約100kg近く重い、1573kgの車重を持つ理由でもある。サスペンションは、リア側がマルチリンク式ではなく、トーションビーム式だ。

生産拠点も、フランス西部のソショー工場で共有。2024年後半には、プラグイン・ハイブリッド版も追加されるそうだ。

インテリアが最大の強み 便利なショートカット機能

3代目の3008で、最大の強みといえるのがインテリア。エントリーグレードのアリュールでも、内装には高品質な素材が用いられる。使い勝手を犠牲にせず、ライバルを凌駕する印象的な造形と、知覚品質を与えることに成功している。

ダッシュボードの上部には、メーター用モニターとインフォテインメント用タッチモニターが一体の、ワイドなモニターパネルが載る。多少文字は読みにくいかもしれないが、表示が非常に滑らかで、システムの反応は素早い。

モニターの下には、i-トグルと呼ばれるショートカット・タッチセンサーが並ぶ。シートヒーターの温度調整や特定の人へ電話をかけるなど、細かい内容で機能を割り振ることが可能。かなり使いやすいと思う。

フロントシートは、適度なサポート性を備え快適。リアシートは、クラス最大の広さとはいえないにしろ、大人でも狭く感じることはない。斬新なデザインでありつつ、機能性も担保されている。素材の雰囲気が手伝って、3008の車内は全体的に好印象だ。

加速で感じるパワー不足 燃費は市街地が1番

マイルド・ハイブリッドの内容は、6速デュアルクラッチAT内に22psの電気モーターを実装し、直列3気筒1.2Lガソリンターボと共同でフロントアクスルを動かすというもの。
EVモードはないが、軽負荷時なら、独自の制御でモーターだけで走行できる。

ただし、僅かに強めの加速を求めると洗練性が薄れ、パワー不足も見えてくる。実際、同等のパワートレインを積んでいた2代目と比較し、0-100km/h加速は0.2秒遅い。この大きな理由は、車重だといえる。

市街地を穏やかに流す場面でも、少し多めにアクセルペダルを傾けることに。条件によっては、3気筒エンジンの頑張る様子が、ドライバーへ伝わってくる。

乗り心地は、基本的には悪くない。路面から完全に隔離されているわけではないが、強い衝撃はなだめられ、荒れた路面でも乗員が揺さぶられることはないだろう。だが、条件の厳しい英国郊外の一般道を80km/h程度で流すと、落ち着きに陰りが出始める。

操縦性は悪くないが、ステアリングホイールを操って、一体感を楽しめるタイプではない。操舵への反応は正確で予想しやすいが、機敏とはいえず、車重による鈍さも隠せてはいない。ダイナミックなスタイリングを考えると、少し惜しい。

今回は複合的な条件を走らせて、燃費は平均で14.0km/Lへ届かなかった。特に高速道路での巡航時に、数字が伸び悩む傾向がある様子。電気モーターでの走行時間が増える市街地が、最もエネルギー効率に優れるようだ。

優れるコスパ シートへ座れば魅力を理解

英国で設定されるトリムグレードは、アリュールとGTの2段階。価格は3万4650ポンド(約645万円)からで、GTを選択すると3500ポンド(約65万円)高くなる。それでも、アリュールより高い支持を集めると予想される。

装備は充実し、コスパはかなり高い。2画面が一体のワイドなモニターパネルだけでなく、19インチ・アルミホイールや、アンビエントライトなどが標準でついてくる。

印象的なインテリアを備え、過不足ないドライビングマナーを備えた、3代目3008。運転の楽しさで輝くことはないかもしれないが、実際にシートへ座ってみれば、その魅力を理解できるはず。気になったら、1度ディーラーを訪ねてみてはいかがだろう。

◯:インテリアの素材と質感 知的なショートカットキー 充実した標準装備
△:思い車重が生む動的な制限 今ひとつ伸びない燃費

プジョー3008 ハイブリッド136 アリュール(欧州仕様)のスペック

英国価格:3万4650ポンド(約645万円)
全長:4542mm
全幅:1895mm
全高:1641mm
最高速度:201km/h
0-100km/h加速:10.2秒
燃費:15.8-18.6km/L
CO2排出量:122-143g/km
車両重量:1573kg
パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:136ps/5500rpm
最大トルク:23.5kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

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