EV時代のポルシェ、どう進化する?
ポルシェは、「EV時代」におけるスポーツカーのデザインの方向性を根本的に変える。最近公開された2台のコンセプトカー、ミッションXとビジョン357から、今後の見通しについてのヒントが得られる。
【画像】2台のコンセプトカーに見るポルシェの未来像【ビジョン357とミッションXを写真でじっくり見る】 全36枚
先進的なエクステリアデザインを統括するインゴ・シャインヒュッテ氏はインタビューに応じ、今後のポルシェのスポーツカーのスタイリングについて、伝統を尊重した「進化でなければならない」と語った。セダンやSUVにも影響を与えることは間違いないだろう。
AUTOCARはシャインヒュッテ氏に話を聞き、ポルシェの最新コンセプトカーから将来のEVがどのように形作られるかを探った。
2台のコンセプトに見る未来のデザイン
――EVハイパーカー「ミッションX」と356にインスパイアされた「ビジョン357」のどの要素が市販車に採用されるのでしょうか?
「コンセプトにはすべてのアイデアを採り入れますが、それがどのように発展していくかを見なければなりません。連続する光のアーチのように、ブランドIDに不可欠な要素もあり、ミッションXではその発展形が見られます。単なるライトバーではなく、ポルシェのロゴが組み込まれているのです。わたしは、これが市販されることを確信しています」
「2台のコンセプトカーは、デザインのアプローチが大きく異なります。357はポルシェのオリジナルシェイプへのラブレターであり、ミッションXはポルシェのデザイン言語を発展させたものです」
――このデザインアプローチは他のセグメントでも応用できますか?
「リムジンやSUVのセグメントに行けば行くほど、3D形状で遊べることは少なくなります。スポーツカーは青写真のようなもので、わたし達はそれをSUVに適応させようとしています」
「うまくいくものもあれば、そうでないものもあります。357にはサイドに折り目がありますが、通常ポルシェはとても丸みを帯びています。今回(357)は、少しエッジを効かせて角を出し、全体に角を持ってくるようにしました。これはSUVにも応用できると思います」
「伝統」という重み
――ブランドの伝統を尊重しながら、どのように新しいアイデアを導入するのですか?
「伝統と革新の両方を同時に押し進めなければなりません。わたし達は75年間クルマを作り続けてきましたが、自動車業界で最も怠惰なデザイナーと呼ばれてきました。常に可能な限り革新的であろうと努めていますが、デザインに革命を起こしたいわけではありません。必要なのは進化であり、わたし達は75年間、このレシピを使い続けてきたのです」
――911のような現行モデルの電動バージョンを生産する上での課題は何ですか?
「911の最大の課題はパッケージングではなく、その非常に強い伝統です。911はわたし達が最も気を配っているクルマであり、次世代に移行する際にも慎重を期する必要があります」
「(現行の)911をデザインしたとき、方向性が大きく異なる示すスケートボードを半ダースは作りました。911の伝統は非常に強く、初代に大きな影響を受けているからです」
ヘッドライトの重要性
――ビジョン357の開発プロジェクトから得た最大の成果は?
「『形を作る主なものは何か?』と自問自答した結果、興味深いことにその答えはヘッドライトでした。10年前なら、ポルシェで最も重要なエクステリア要素はヘッドライトだと言っていたでしょう」
「しかし、357やミッションX、そして963 LMDh(耐久レーサー)の経験から、ヘッドライトが最重要ではないことが徐々にわかってきています」
「以前はとても慎重だった場所ですが、少しは遊ぶことができます」
――次世代の象徴となるEVを、カレラGTや918スパイダーと同じように特別な存在に感じさせることはできますか?
「象徴的なハローカーを作るときには、常に正当な理由が必要です。背景にはいつも本質的な理由があります。それは、市場とブランドに関連するクルマを作らなければならないからです」
「エクステリアデザイナーにとって、クルマを特別なものにするのは形(シェイプ)ですが、その形は導入したい技術や発信したいメッセージに大きく左右されます」
「ミッションXはその好例で、わたし達はEVでインパクトを与えられると確信しています」
旧来のGTデザインは廃止?
最後に、旧来の944や928に見られるロングボンネット、キャブバックのスタイルはEVにも応用できるかどうかを尋ねると、シャインヒュッテ氏は消極的な姿勢を示した。
「大きなボンネットを持つ古いGTのデザインは、自動車デザインにおける最も古いシンボルです。しかし今、EVにはもうそのようなシンボルはありませんし、偽のメッセージも送りたくないのです。シンボルはまだ使えるかもしれませんが、正直にアピールするパッケージを作らなければなりません。うまくいく可能性もありますが、それは間違ったことだと思います」
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